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109.悠木の誕生日①

 卒業まで、あと半年も無い。

 と言う事は。

 悠木がここ、日本にいる期間も、あと半年も無いということだ。

 気付けばすぐそこに迫っている悠木の誕生日。

 何をプレゼントすればいいか、俺は頭を悩ませていた。

 なんせ、俺には悠木の好みが全く分からない。

 好みどころか、悠木が何を考えているのかも、全く分からないのだから。


 悠木の好きな物って、なんだろう?


 スパルタ悠木先生から出された課題に取り組みながらも、ついそんな事を考えてしまう。

 ・・・・側に悠木が居たら、あの全てを凍りつかせそうな冷たい目で見られること間違いなしだ。


 食い物の好き嫌いは無いって言ってたけど、さすがに食い物じゃつまらないし。

 クレープはメチャクチャ喜んでくれてたけど、ホワイトデーと同じじゃ、能が無いし・・・・元から能が無いのは、分かってるけどっ!

 一昨年は枕だろ?・・・・だからって、今度は布団、って訳にもいかねぇし。

 去年はヘルメットだろ?・・・・だからって、今年はバイクって訳にもいかねぇし。


 ・・・・今年は、バイク?

 そうか。

 その手が、あったか。


 考えに考えたうえ、俺はようやく悠木へのプレゼントを決めた。


「なぁ、悠木。1日空いてる日、無いか?」

「え」


 昼休み。

 図書室のいつもの定位置で寝る体制に入りかけた悠木は、既にトロンとしている目を俺に向けた。


「もうすぐお前の誕生日だろ?バイクでお前が行きたいとこ、連れてくよ。・・・・まだ高速は乗れないから、近場だけになるけどな」


 トロンとしている目が、見る見るうちに光を取り戻す。

 それはもう、面白いくらいに。


「プレゼント、全然思いつかなくて。だから、それがプレゼント。・・・・じゃ、ダメか?」


 悠木はブンブンと大きく頭を振る。


「スケジュール、確認する」


 言うなりスマホを取り出し、悠木はスケジュールの確認をし始める。

 俺は慌てて悠木からスマホを取り上げ、言った。


「後でいいから!昼寝の時間、無くなるぞ?」

「・・・・うん」


 渋々といった顔で、悠木は再び寝る体制に入る。


 悠木が寝る事より他の何かを優先させるなんて、珍しい事もあるもんだな。


 なんて考えているその間に、悠木は小さな寝息を立て始める。


 でも、どう欲目を除いて見ても、悠木が喜んでくれていることには、間違いがなさそうだ。

 もとから、悠木はバイクの後ろに乗りたがっていたから、思いついたプレゼントだったけど、こんなに喜んでくれるとは。


 ・・・・思い出、たくさん作ろうな。


 悠木の寝顔に、俺は心の中で小さく呟いた。

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