104.モデル引退発表①
その日。
悠木は朝から学校にはいなかった。
理由は、仕事だ。
【今日、仕事】
と、メッセージが入っていたから。
昼寝の相手も居ないし。
偶には藤沢とメシでも食うかな、と。
昼休みに藤沢のクラスに行くと、そこには先客がいた。
言うまでも無く、夏川だ。
邪魔をするのも悪いだろうと、踵を返したとたん。
「おいっ、四条。ここまで来といて、それは無いだろう?」
少し拗ねたような藤沢の声に呼び止められる。
「四条、何してんの。早くおいでよ」
夏川まで、俺を呼ぶし。
まったくお前ら、俺の気遣いを台無しにするなよ・・・・まぁ、お前らがいいなら、俺はいいんだけど。
「じゃ、邪魔するぞ~」
「邪魔?何言ってんだ、お前」
「うん。邪魔じゃないし」
「お前ら、ほんとに俺の事、好きな」
「「うん」」
藤沢も夏川も、当然の顔をして大きく頷く。
なんだこいつら。
相変わらず、変な奴ら。
でも、俺もそんなこいつらが、大好きだけどな。
俺は藤沢と夏川の前に座り、弁当を広げた。
それは、突然入ったネットニュースだった。
「ええええええええっ!」
通知に気付いた夏川が、スマホを見るなり、教室中に響き渡るような大声を上げる。
「なんだよ、どうした?」
と。
夏川のみならず。
そこここから、女子の悲鳴のような声が上がり始めた。
「・・・・なんだ、一体?」
藤沢と俺は顔を見合わせ、同時に夏川のスマホを覗き込む。
そこには。
【ルイ 年内でモデルを引退】
「「えーっ!」」
今度は、藤沢と俺が声を上げる番だった。
なんだよ、これ。
どういうことだ?
悠木、モデル辞めるのかっ?!
「う~そ~で~しょ~・・・・なんでよ~・・・・」
呆然とする夏川のスマホに表示されているネットの記事によれば、ルイは年内にモデルを引退し、完全に一般人に戻ると言う。
あいつ、そんな事一言も・・・・
「藤沢、何か聞いてたか?」
コッソリと藤沢に聞いてみるも、
「いや、全然・・・・お前もか?」
「ああ」
状況は、同じらしい。
ただ、ネット記事の中には、根も葉もないガセネタが交ざっている事もある。
念のためと、俺は真菜さんに確認をすることにした。




