2舞台裏
短いですが、どうぞ!
神「ユーコちゃん!任務だよん。ある国に転生してよぅ。君がヒロインだ!!小説の世界でファイト!」
大魔王「リリベル・・・試練・・・人間の国に転生して・・・悪役令嬢、小説、世界・・・がんばって」
空中の4Kチューナー内蔵65V型の有機ELテレビの前で仲良くゲームをしている神と大魔王。
二人は昔からの悪友で、良く互いの部屋にこもって遊んだり悪だくみをしたりしている。
それぞれ天界と地獄のトップだが、同時に一番の問題児でもあった。
今回の犠牲者は、可愛い見た目の妖艶な天使と妖艶な見た目の可愛い悪魔。
2人は大親友で、夫とともにダブルデートをする仲だ。
今日は珍しく彼女の夫たちは不在だった。
急な呼び出しに、慌てて神の自室を訪ねた。
すると開口一番、さきほどの言葉を言われたのだ。
ユーコ、リリベル「「は?」」
神、大魔王「「じゃ、いってらっしゃい~」」
ユーコ、リリベル「「はああ?」」
詳しい説明もないままに、あっという間に体も羽も粒子になり消えていく。
そして彼女らは乙女ゲームの世界に転生したのだ。
天界
「神様!てめぇユーコをどこにやったああああぁぁぁああん!?」
髪も肌も全身真っ白な中、唯一の金色の目をギラギラさせた男が神の部屋に飛び込んできた。
寝ていた神の頭を片手でわしづかみ、容赦なく持ち上げて握りつぶす。
「あだだだ!頭頭首首、つぶれるちっちぎれる!やめてやめてぇー」
「ユーコを、どこへ、やった!?」
「言う!言うからさあー離して!・・・あっ“離し”と“話し”をかけたんだけど、わかった?ぷぷ」
ぎりぎりぎりっ
「わわっ頭がつぶれる、頭が~、ほんとやめて!!」
「吐け」
やっと解放された神は頭をなでながら言う。
「ふぃ神の頭を引っこ抜くとは!禿げるでしょ!!・・・あっ“神”と“髪”、“頭”と“禿げ”をか・・・あっごめんなさい」
再度手を開いた男にすぐさま神は謝った。
反省した神は、きちんと誠心誠意、丁寧に説明した。
「今、マオちゃんとはまってる小説のヒロインのイメージに、ユーコちゃんの外見がぴったりでね。マオちゃんと小説の世界を造ったから、せっかくだから、そこに転生させて、強制的にストーリーを演じさせて実写化をテレビで楽しもうと思います!」
「俺の妻になにさせるんじゃあああー!!」
「ユーコちゃんなら結構楽しむと思うけど~。ああ、一応神託するね『ストレージ男爵家当主の弟と平民の間に生まれた女児を大事にせよ。清らかに育てれば国が豊かになる』王家におろしたよ!まあこれで貞操の危機は大丈夫でしょ!イエ~イ!」
「は?てっ貞操!?なっなっ、俺も転生させろ!!」
「んじゃ悪役令嬢の従僕Aがいいかな。いってらっしゃ~い」(従僕A、ただのモブだけど)
地獄
「大魔王様!私のご主人様をどこにやったんですかああああああ!?」
「・・・部屋の、ドア・・・壊れた」
灰色の髪と金色の目をした男が大魔王のドアを木っ端みじんにして現れた。
自室のソファーで本を読んでいた大魔王はのんびり答えた。
「・・・落ち、着いて」
「あははははははははは説明してくださいね!」
「・・・笑顔・・・怖い・・・いまカンちゃんと、はまってる・・・小説の、悪役令嬢に・・・・転生させ「は?」強制「は?」的に・・・・物語をさせて・・・カンちゃんと楽しもうと・・・」
「は?」
「・・・」
「私の、ご主人様になにさせるんですかああああああー!!」
「・・・リリベル、悪役令嬢、断罪ざまあ・・・ふふ」
「ざまあ!!?えっ泣きそうなご主人様??見たい!!私も転生させなさい!!」
「・・・隣国の王子、あたり・・・いいね」(隣国の王子は隠しキャラだけど)
神、大魔王「「楽しみ~」」
神様のギャグがつまんな過ぎる・・・