第1章 01『異世界召喚』
「うう、さむいぃ〜」
口癖となった言葉を白い息と共にはきながら古瀬千尋は下校していた。
ちなみに千尋という名前だが性別は男である。
山形県は住むには大変な地域だよな。夏は暑いし、冬は寒い。特に冬とか天からいじめられてるとしか思えないんだけど!
そんなことを考えながら1人で家に向かっていた。
なんで1人で下校してるかだって?べ、べつに友達がいないとかそんなんじゃないし!
た、ただ同じ方面の人がいないだけだから!
と心のなかで言い訳をしていたときだった。
鼻頭に白くて冷たいものが舞い降りてきた。そう、これはズバリ雪ってやつですね先生!!
山形の雪は都会の地域と違って冬はほぼ毎日降ってくる。そのため珍しくもなんともない。
でも、初雪には心が踊るのは高校1年になった今でもかわらないものだ。
といっても、昨日が初雪で今は地面が雪でかくれているほどだ。
こう、雪を見ると彼女と手を繋いで「さむいね〜♡」とか言って街をあるいてみたくなる。
クリスマスなんか特にそうだ!
リア充爆発しろ!!
「って、そんなことしか言えない俺ってかっこ悪いとしか思えないんだけど!」
と、つい自分に突っ込みをいれたときだった。
1歩前に出したはずの足が地面に乗らず、そのまま自由落下していることをとっさの判断で理解した。
マジかよ!?もう道路の側溝開けてんの!?ちょっと早すぎませんかね??
(雪国では除雪のために道路の側溝をあけているときがある。)
今冬は側溝に即行落ちたな(笑)
「って、冗談いってる場合じゃねえぇぇぇ!!」
俺は受け身をとるために両手を前に出した、が、なぜかそこにあるはずの地面はなく、そのまま重力に逆らえず穴の中へと無様におちていったのだった。
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気がつくと周りには本がいっぱい並んでいて、まるで書庫のような所に立っていた。
ふと足元をみると、そこには魔法陣のようなものがかかれている。
そしてー
「召喚成功!! こんにちは。ボクの名前はシエル」
目の前には、まるで小さなうさぎのような生物がふわふわと浮いていた。
そして、そのシエルと名乗る生物はまたしてもおかしなことをオレにつげたのだった。
「君には来週からシルマ王国東のマーリ学園に入学してもらいます。おめでとう!!」
ん? なんだこれ?? もしかして、ひょっとすると...
「異世界召喚きたぁぁぁ! しかもこの感じからして魔法学園ものかぁぁ!!」
「 召喚しといてあれだけど、もっと混乱のあまり騒ぎだすとおもったのになんか裏切られた気分だよ。」
こうして、物語ははじまりをむかえるのであった。