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呼び出すタイミングが間違ってない?

間が悪い時ってあるよね。




『…今日は仕事休みだもん…』



召喚されて最初に発した言葉はそれだったらしい。


らしいってのは、覚えてないからだ。

まあ、寝惚けてたわけだ。

全裸で。



通常召喚された人間が帰還する時は召喚時に着ていた服と持ち物が必用らしく、

召喚されたばかりで混乱してる相手を風呂に放り込んだ隙に取り上げてしまうらしい。

あーだこーだ言いくるめて言うことを聞かせて、自力で帰還の方法に辿り着いてもその時には服と持ち物は手元になく召喚者の言うことを泣く泣く聞かざるをえない、という状況に持ってくらしい。


なので通常は風呂に入ってるときや寝ている時は外して仕事中を狙って召喚を行うらしい。


うん、人として最低だね。

激しくサイテーだね。


私?

ある意味24時間年中無休で待機、仕事中みたいなもんです。

実際呼び出しがかかればどんなに時でも行かなきゃいけないもの。

常に待機状態のお仕事の方やいつでも仕事中な自営業の人とかもいるよね。


あと、裸で仕事する職業の人も世界中探せばいらっしゃるでしょうし。

仕事中にお着替えをする人もいるでしょうし。


裸族の方だっていらっしゃいますし。

たまにバラエティー番組でどこぞの秘境まで取材に行ってるじゃないですか。



だから全裸で就寝中に召喚されたとしてもそれは私の責任じゃないと思うの。


だからいい加減痴女扱いやめろよな。

むしろ私が痴漢扱いしてもいいよね誘拐犯共。



「この度は大変失礼いたしました。」



「謝らなくていいから還せ」


寝起きの悪い私は起きるまで掛けてもらったマントを毛布のように頭から被り起きるのを拒否…だって寝たの遅かったし昨日イロイロあって疲れてたし。


その後ようやく起きて現状把握して、とりあえずお風呂に、とすすめられたが寝る前に入ったから拒否。

アクセサリーを外すことを求められたが当然拒否。

寝るときも身に付けるアクセサリーって結婚指輪とかですから。

他人に触らせてたまるかってんだい。


どうやらこの国には結婚指輪の風習がないようだけれども。


で、とりあえず服を貰って朝食食べながら話を聞くに魔王と戦ってくれる勇者だの聖女だのを召喚したらしい。


で、私は聖女として召喚されたらしい。


「「なんでやねん」」


一緒にハモったのは一足先に召喚された若い兄ちゃん。

大学受験終わったばかりの苦学生くん18才。


「聖女って…そこの巫女姫さんとどうちがうんですか?」


「巫女姫様はこちらの世界の神の代理人。

しかし魔王はこの世界の邪神の加護を受けているので巫女姫様の力は相殺されてしまいます。

聖女様は異世界の神の力をお使いになられる方を召喚し、異世界の神の力を借りることで邪神の加護を持つ魔王を退けることが出来るのです。」


「巫女姫さんとたいして変わらないってことですね。」


学生くんが疑わしい目でこちらを見ています。が、耳元でこそこそとささやいてあげます。


「学生くん、日本の神道の神官や寺の坊さんは結婚してるから処女じゃなくても問題ないんじゃない?」

「あ、そうか。」


結婚指輪を付けてる私が巫女姫だの聖女だのおかしいですもんね。



ええ、結婚指輪してます。


はい、既婚者です。






全裸就寝、自宅なら問題ないかと。

特に真夏とか。

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