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28話-一方その頃-

閲覧ありがとうございます。

今回の話は、幕間みたいな感じで、ラパン村の娘達のお話になっております。

短めですが、前回までのダーティーな感じとはうってかわって、ほのぼのとした感じのお話ですので、気楽にお楽しみください。

28話-一方その頃-


SIDE:リリィ


あの日から――私達兎人族が勝利を勝ち取った日から今日で一週間が経過した。

戦闘のあった翌日から、三日目までは、もしかすると襲撃を依頼した人達からの報復行為があるかもしれないので、油断は出来ないと、仲間達と代わる代わる巡回したり、見張りを立てたりと言ったことをしていた。

もちろん、これは、レイヴンさんの指示だ。


「勝負に勝ったとはいえ、気を緩めるな」

「とりあえず、様子見を怠るな。そうだな。戦後三日目くらいまでは、な」


その言葉には確かな説得力もあったし、わたし達に戦いの術を教えてくれた人の言葉だ。逆らうつもりなど毛頭ない。だからこそ、気を引き締めて指示を守っていた。

ちなみにその肝心のレイヴンさんはというと、今このラパン村にはいない。私達に指示を与えた後に、ちょっと用があると出ていってから、そのままだ。

もちろん、必ず戻ってくると約束してから出かけているので、心配はしていないけれど……


「リリアーナ、これ、こっちでいいのか?」

「あ、はい。大丈夫です。ありがとうございます、カーラさん」

「ま、居候してる身だしね。手伝いくらいはしなくちゃ」


こればっかりは、ちょっと彼に抗議するべきかなと、思わないわけではない。

そう、あの戦いの日から彼女――狼人族のカーラさんは、この村……わたしの家で生活している。

目的は、狼人族と兎人族との相互理解のためだとレイヴンさんは言っていた。

最初は、戦闘時敵勢力に所属していた彼女が、この村に留まって生活することに反対していた皆も、今後、このような事件を起こさないためにも、獣人同士協力する必要があるという彼の説得に応じたからこその今なのだろう。

実際、彼女はよく働いてくれているし、自分達に勝ったということで、狼人族の持つ兎人族に対する認識を改めたのか、わたし達と歩み寄ろうと努力してくれている。

言葉遣いは若干ガサ……もとい男勝りなところはあるけれど、面倒見がいいし、裏表がないしと、友人として付き合うことに、異論はない。


ただ――


「な、なあ、リリアーナ?」

「はい、なんでしょう?」

「あ、あいつ、いつ帰ってくるんだろうな?」

「もー、また、その質問ですか?」

「い、いや、だって気になるだろ!? あれから一週間だぞ! もう帰って来てもいいじゃないか?」


流石に、こう露骨な反応を見せられると、彼女がレイヴンさんを憎からず思っているというのは、嫌というほど理解出来てしまう。

出会って間もない、ついこの間まで敵対していた彼女が、そうなった原因は、一つしかない。


「どうやって、あそこまで強くなったのか。どうすればあんな技が身に付くのか。是非とも話を聞いてみたいじゃないか!」


うん。やっぱり、狼人族である以上はそういうことなんだろう。要は強いオスに惹かれている。

それも、ただ強いオスではなく、自分の中である意味恐怖の対象だった存在――父親を容赦なく蹂躙した特級に強いオスに。

別にそれについて、文句を言う資格がわたしにあるわけではないし、価値観もヒトそれぞれだ。

ただ、せめて、いつに帰ってくるかくらいは伝えておいてほしいかなあと……


「早く帰ってこないかなー。楽しみだなー」


若干脳内が桃色に染まりつつある新しい友人を見ていて、そう思うわたしであった。


………

……

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