Ⅰ 『無自覚な主人公』
PV5000突破
どうしちゃったんでしょう…。
しかし見てくださる方がいるのは嬉しいことです。
ありがとうございます。
今回はたぶん主人公の紹介みたいになると思われます。
by作者
王城に毎日やってくる朝がきた。小鳥のさえずりがする。穏かな風が窓からなびいている。
私はまた、毎日のように起きる。これが最近の朝です。
生まれてから女性といわれてからはや5年が経った。最初は性別の違いから困ることもたくさんあったけれど、3年たってから吹っ切れたのかどうかは知りませんが、女口調を平気で使えるようになりましたわ。ほら、お嬢様言葉になっているでしょう?お母様が話している言葉がそのまま自分にも来てしまったのだけど。もちろん最初は心の中でそんなこといやだと否定はしていました。でも毎日のように暮らしていたらねぇ。しかしまぁ5歳でこんな口調になってしまうものなのですね。過度なスキンシップによって…。
あら、まだ5歳になったこととお嬢様言葉になったことしかお話していませんでしたね。私の名前はアンシエル=ベレエモル=ド・アンソワール=ベネゼッガー・ルワルソン。生粋の王女です。よく貴族とかがわがままであったりするようなのですが、ここの場合のほほんとしている人が多いらしく、私もその影響を受けマイペースな正確に変わってしまった。まぁとくにマイナスになることはないと思うのでたぶん問題ないとは思います。お母様やメイドさんにはアンとかアン様と呼ばれています。
続いて私の養子。金髪の髪の毛が地面すれすれまで伸びています。ちょっと邪魔なのできりたいと申し出たにもかかわらず、お母様は『そんなきれいな髪の毛きっちゃいやよ!』と必死だったので仕方なく伸ばしっぱなしです。さすがにたまに前髪の手入れぐらいはしてますよ。おかっぱみたいにきったら一目両全にならないくらいの感じで。どんな感じかわかりません?イマジネーションは大事なんですよ。
かのじょ
あ、髪の毛の話だけでこんなに話してるわ!こんなんじゃいつまでたっても終わりやしない。次いきますよ次!
顔立ちは整っている。馬鹿にならないほど。下手して街中あるいてさらわれたりなんか…ってくらい。…なんか自慢みたいですいません。代々受け継げてきた王家の血だからこれはしょうがないってことにしてください。
瞳は青で、雪のように透きとおった白い肌。よくたとえで使われている肌の表現ですが、本当に白いんですの。傷をつけたらものすごく後悔するぐらいに。あ、だから自慢じゃないですからねっ。もともとはブスだったからんです!
はぁはぁ。ちょっと取り壊してしまいましたが、続きを。
今来ているのは女性用のパジャマ。女性用だけあって色はピンクが多く使われている。しかもフリルがふんだんについている。これも最初はお付のメイドさんに無理やり着させられていたけれど、今はもう慣れました。ちなみに女性の服のボタンが逆なのは従者が着せるのを楽にさせるためらしいですね。
一人では大きすぎるベットから降りる。いつもふかふかでいい匂いがするこのベットは私も大好きです。
扉が一人でに音を立てて空く。このタイミングでやってくるのは彼女しかいないです。そうメイドさんたちです。
「アン様!おはようございます。今日もいい天気ですね」
にっこり笑いながら私に話かけてくる。前世?と違って身分が何段階も上がってしまった私はあまり回りの人と話をしなくなった。しかし前も比較的言葉数は多くはなかったけれどそれ以下です。でも、メイドさんがいつも話かけてくれるので寂しくはないです。
ちなみに彼女はメイリさんという名前です。
「そうですわね。今日も青い空が美しいですわ。」
向こうがにっこり笑っているのえこちらもにっこりを返してみる。
すると、顔が赤くなったメイドさん。どうしたんでしょう…?
「あ、あのメイリさんお顔が赤くなってますけど風邪でもお引きになりました?」
「い、いえ…そんなことはないです…。」
(ほ…ほんとのこといったら私、シャトレーゼ様に殺されてしまいます!)
そんなことを言っているメイリさんですが、気になった私は彼女に顔を近づけておでことおでこをあわせてみる。はて…お熱はないようですね。
「きゅぅ~」
そんな声をだしてさらに赤くなるメイリさん。
「あ、アン様っ。そんなことおやめくださいっ。…王女さまなのですからそんなことわざわざしなくてもいいです…。」
だんだん声が小さくなってる。私の頭もどんどんはてなになっていく。
「?」
顔をかしげる。
あ、鼻血がでてる。
「さ、さあおふざけはやめにしてお着替えしますよ!アン様!!」
そんな鼻血だしかならお着替えとか怖いんですけど。せめて鼻血止めてからにしてください。
この国、ルワルソン王国はゲーテル大陸のなかでも大きい国だ。この国では王族制度をとっているにもかかわらず奴隷制や農民が差別されることはほとんんどない。一部ではなにかしらやらかしてはいるようだが、王国警備のかたが治安を守っているのでこの国は平和だ。王であるグレンデル王は、平民や貴族の方から絶大なる支持を得ている。国民にしっかりとした政策を実施しているからのようだ。シャトレーゼ王妃もそんな王に助言をしていたりする。人気にはやはり美貌にもあるようだ。嫉妬を通り越して『わたしもそうなりたい!』のような願望を抱くものも少なくない。
そんなかんじで今日も平和だ。
たまに周りの国々がこの広々とした土地をほしがる人もいるらしく、戦争を持ちかけるひともいるが魔法や剣術に特化した学園で学び王国警備に就いた人々によって毎度のように戦勝をあげている。
鼻血がたれないように栓をして歩いているメイリさんにつれられて、食事をするために大部屋へ移動しているところです。いまだに頬が赤くなっている彼女を心配しながら向かう。本当に大丈夫なんですかね。
(ハゥウ…。やっぱり王女様かわいいです。あまり表情を表に出さない方ですが、たまに見せる鈍感スキルとか無自覚の仕草とか全部含めて…。あ、またでる!)
鼻栓してたのにそれが効果音をつけたくなるくらいの勢いで抜けて鼻血が次々にでてくる。病気なのですか?メイリさん。
近くを通ったメイドさんがメイリさんに何か話をしていたけれど、私には聞こえませんでした。なんか自分だけ…悲しいです。
「メイリ、王女さまに興奮してなにしてるの?」
私のメイド友達であるセナが話かけてきた。そんなこといわれても…。
「だってアン様かわいいんですもの。首をかしげる姿とか。」
あ、また頬が赤くなった気がする。もう私変態でもいいわ。
「まぁ…ねぇ。アン様のあのかわいさは確かに殺人兵器並なのは私もそう思うから否定はしないわ。でもちょっと自重しないと心配されるわよ。いまだって心配そうにメイリをみてるわ。」
セナにそういわれてアン様の方に顔を向ける。じーっとこちらを見つめていた。たしかに言うとおりかもしれない。セナの助言をありがたく心にしまっておくことにした。
「じゃあねメイリ。」
「うん。じゃあまたね。」
そういって親友と別れる。やっぱりもつものは友達ですね。
「じゃ、アン様。大広間へ急ぎましょう。」
「あの…もう大丈夫なんですか?私、心配で…」
心配そうに私をみつめる。5歳なのにこんなにしっかりしていそうで実際はまだ幼い。そんな彼女を抱きしめたくなった私だが、そこをおさえる。がんばれ私!
「はい、もう大丈夫ですよ。アン様に心配されるようではまだまだですね。」
平気みたいでよかったです。でも、私5歳という年にひっぱられてちょっと幼稚になった気が…。
まぁやり直してるんだからそれは仕方ないですよね!
苦労しながら必死にがんばる精神年齢は20歳のはずのアン。