俺は家出した
私の作品へようこそ!!
興味を持っていただき本当にありがとうございます。
これから新たな物語が始まります。
一緒についてきてくださる方はぜひ!!
それでは物語の世界へ行ってらっしゃいませ。
「.....だから僕は家出したんです。行く当ても特にありませんが、とりあえず家を出たかったんです。(俺)」
気が付けば、自分のことをあれこれ話し込んでいた。御者のおじいさんの話術に引き込まれたのか、これまでの時間があっという間に過ぎていた。
「はっはっはっ!!やっぱ、若いもんには敵わんな。行く当てもないのに、その場の勢いで家を飛び出しちまうとは。じゃがその覚悟、わしはしっかりと受け取ったぞい。握りしめとる金貨は、ロンブルグで使うといい。(御者の男)」
「え?!良いんですか?!(俺)」
みっともなく曲がっていた俺の体は、空から引っ張られたかのようにピンっとのびた。
「わしを侮ってはいかんぞい?これから旅を始める若者から金貨を受け取るほど腐ってはおらんぞい。(御者の男)」
「ありがとうございます!!ほんと、ありがとうございます!!(俺)」
「はっはっは、礼を言えるとは、兄ちゃんは育ちがいいんだろうねぇ。長いことこの商売をしておるが、いろんな"客"がおるからのぉ。(御者の男)」
さっきまでくつろいでいた自分が恥ずかしくなった。
今では背筋が伸び、ロンブルグに着くまで一睡もしない覚悟である。
「そうじゃ、せっかく今日は兄ちゃん一人なんじゃから、特別なことを教えてやるぞい。(馬車の男)」
「なんでしょう?ぜひ、教えてください!!(俺)」
「ロンブルグはその地域の中ではかなり大きな街じゃ。たくさんのお店が並んどる。じゃが昼間のお店はたかが知れとる。本番は夜じゃ。たくさんの"うさちゃん"たちに会えるぞい。それはもうムフフな街じゃぁ。(御者の男)」
「そ、そうなんですね、アハハ...(俺)」
「おっと、坊やには、ちと刺激が強すぎたかのぅ。(御者の男)」
「いえ、大丈夫です。(俺)」
ゆらゆらと不規則に揺れながらも、パカパカと同じリズムで音を奏でる。
彼が持つ灯油ランプと月明かりが、幻想的に俺たちの進む道を照らしている。
それにしても、我ながら無計画にもほどがある。
運よくロンブルグまでは行けそうだが、その先のプランが全くない。
まずは宿を見つけようか、それとも食料を買うほうが先か、すでに頭の中はロンブルグに到着した後のことでいっぱいだった。
正直夜のロンブルグもちょっと気になる。
しかし誘惑に負けてはいられない。
俺は覚悟を決めて家出をしたのだ。今更戻るつもりは全くない。
そこそこ大きな街とのことだし、宿屋くらい見つかるだろう。手持ちの金貨で泊まれるといいが...
「ロンブルグには、宿屋ってありますかね?(俺)」
とりあえず彼に聞いてみる。
「いっぱいあるぞい。こだわらなければ、銀貨五枚あれば十分じゃな。(御者の男)」
「まじすか!!(俺)」
俺の体がまた空に引っ張られたように飛び跳ねた。
「近頃のロンブルグはちょっとした中継拠点になっておる。様々な地域へ向かう者たちが、いったんロンブルグを経由するんじゃ。そのため大体の物はロンブルグに揃っておる。(御者の男)」
「それは助かります。(俺)」
「食べものは携帯食料を買っておくとよいじゃろう。ロンブルグから先も旅を続けるならなおさらじゃ。ちなみにわしのオススメは、ルイダコロクのジャーキーじゃ。(御者の男)」
俺の体はまた空に引っ張られたように飛び跳ねた。
「ルイダコロクを食べるんですか?!(俺)」
「だまされたと思って食べてみることじゃ。病みつきになるぞい。(御者の男)」
「はい、ぜひ!!(俺)」
お先真っ暗だった家出が、少しだけ目的のある旅に変わった瞬間だった。
ロンブルグ....記念すべき最初の街だ。
そう思うと眠気も冷めてきた。
「このペースで行けば、日が昇り始めるころにロンブルグに到着するじゃろう。今のうちに休んでおくとよい。ロンブルグでは忙しくなるぞい。(御者の男)」
俺はとりあえず目をつぶり、気持ち程度に休む努力をした。
すると何かがこちらに向かってくる音が耳を叩く。
素早く小刻みに、しかし一つ一つの音にしっかりとした重みを感じる。
俺はその音が聞こえてくるほうへと視線を向ける。
すると何やら大きな塊がこちらに向かってきていた。
しかしおじいさんはまったく気にしていない様子だ。
俺は目を凝らした。
大きな荷物を軽々しく担いだその男は、こちらに向かって走ってくる。
しかしこちらに向かってきたかと思えばすぐ横を通過していくようだ。
「おう、ご苦労さん。ロンブルグかい?(御者の男)」
「おう、満月じゃねぇ日に一気に運ばねぇと、いろいろ大変でさぁ。そっちも暗くなってきたから気をつけてなぁ。(???)」
そういうと、その男はあっという間に俺たちを追い越し、暗闇の中へと消えていった。
なるほど、人狼の配達人だ。
パッと見、人間と見分けがつかない。しかし人狼には、どことなく"人狼ぽさ"がある。顔つきや毛深さなどが典型的な例だろうか。
彼らを夜に見かけるたび、その日が満月ではないことに気が付き、安心する。
もちろん、彼らを悪者にするつもりは一切ない。
近年、人狼用に覚醒状態を抑制する薬なども出てきているが、それはちょっと違う気がする。ただ、覚醒した人狼による被害が出ているのは事実で、そのたびに、人狼に対する誹謗中傷が始まる。
彼がロンブルグに向かうのであれば、おそらくそこでは問題なく多種族が交流できるのだろう。
そんなことを考えていると、自然と大きく口が空き、酸素を必死に体内へと送り込む。
瞼が自然と落ちてきた。
ゆらゆらと揺られながら、俺は静かにロンブルグへ向かう。
どれほど続いたのかもわからない静寂のなかで、聞き覚えのある声が鼓膜を叩く。
「おーい、兄ちゃん、見えてきたぞい。(御者の男)」
重たい瞼を持ち上げると、柔らかい光が私の目をほぐしていく。
自然と大きく口が空き、酸素を必死に体内へと送り込む。
重たい体をゆっくりと起こし、声が聞こえたほうを見る。
朝焼けの光の中に、かすかにだが大きな街並みが見える。ドワーフによる特徴的な建築様式や、エルフの文化を感じられる建物が見える。
するとまた大きく口が開いた。頭の中は、まだぼやけている。
少しずつロンブルグが姿をあらわにする。
思わず口が半開きになり、思考が停止してしまう。
街にひっきりなしに出たり入ったりする者たちがいたかと思えば、大きな貨物船のようなものが見える。
目が見開く。
そのかわり、半ば強制的に起こされた俺の体は、目の前の光景を目にしてもなお寝転がろうとする。
「さぁ、ロンブルグに到着じゃ(御者の男)」
大きな門が出迎え、そこをくぐると、先ほど遠くから見えていた建物たちが上から見下ろしてくる。
「すごいですね...。ここがロンブルグですか。(俺)」
俺はようやく、ロンブルグに到着した。
いかがでしたでしょうか。
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今後とも応援よろしくお願いいたします。
第二話もお楽しみに!!




