大会
ある日、練習が終わると先生が全員を集めて言った。
みなさん、来月の10日に、女子の体操の地区大会があるのよ。このメンバーで出場することになりました」
「やったー、麻衣さんと大会に出られるんだー」
と山田あかりが喜び勇んで言った。田中美咲も笑顔で頷いた。
「麻衣さん、私たちと一緒に頑張りましょう!地区大会でみんなで輝けるように!」
佐藤まどかも照れながら応援するように笑顔を返した。
麻衣は彼女たちの言葉に心が温まり、力が湧いてきた。自分だけではなく、仲間と共に目標に向かって努力することの素晴らしさを感じた。
「はい、私もみんなと一緒に頑張ります!地区大会でみんなと一緒に輝きたいです!」
麻衣の言葉に生徒たちは一斉に拍手を送り、励まし合いの笑顔が溢れた。
大会に出場することが決まって意気揚々と麻衣が家に戻ると、母が言った。
「麻衣、来月の10日、園遊会に行くのよ」
「え、10日…」
麻衣は母にもう一度聞き返した。
「そうよ。お父様の大切な取引先の方もたくさんいらっしゃるし、あなたもこれからのことを考えれば、いいでしょう」
「そ、それはいいですが…」
「予定でも、入っているの?」
「い、いえ」
麻衣はごまかした。ちょうどその日は、麻衣も出場する県大会があるのだ。でも、体操教室にかよっていることは、母親には黙っている。どうしようか…。
大会に出場することが決まって意気揚々と麻衣が家に戻ると、母が言った。
「麻衣、来月の10日、園遊会に行くのよ」
「え、10日…」
麻衣は母にもう一度聞き返した。
「そうよ。お父様の大切な取引先の方もたくさんいらっしゃるし、あなたもこれからのことを考えれば、いいでしょう」
「そ、それはいいですが…」
「予定でも、入っているの?」
「い、いえ」
麻衣はごまかした。ちょうどその日は、麻衣も出場する県大会があるのだ。でも、体操教室にかよっていることは、母親には黙っている。どうしようか…。
「ところで、その、園遊会は、どこであるんですか…」
「帝都ホテルよ」
「…帝都ホテル…」
麻衣は考えた。そこならば、大会が行われる体育館まではタクシーで五分の距離だ。それなら園遊会には参加しながら、途中で抜け出して県大会に参加することは可能だ。
「麻衣、どうしたの、考え込んで…」
「あ、いえ、何でもありません。園遊会は行けますよ」麻衣は母に言いながら、心の中では大会への参加を決めた。園遊会に出席しながら、一度だけのチャンスを逃さずに県大会に参加することができる。
麻衣は河合先生に大会当日に園遊会があること、そして途中で抜け出て参加することを伝えた。
「先生、実は県大会当日に私には園遊会があるんです。でも、途中で抜け出して参加しますから」
「それは、あなたが参加してくれることは私は嬉しいけれど、無理はしないでね」
先生は優しく言った。
「先生、ありがとうございます。私は一生懸命に頑張りたいと思います」
と麻衣は決意を込めて答えた。
衣は今までよりも早く体操教室に行とようになった。教室に向かう時の麻衣は、まさにおしとやかな和装美人だ。それが教室に入ると、
麻衣は今までよりも早く体操教室に行とようになった。教室に向かう時の麻衣は、まさにおしとやかな和装美人だ。それが体操教室に入るとすぐなり、和服を脱いで身軽なレオタード姿になる。今まで以上に難しい技にも望むようになった。その姿は自分の限界に挑む、力強いアスリートだった。
麻衣の熱心さ、変身ぶりに先生の指導にも熱が入る。
「麻衣さん、もっと背筋を伸ばしてジャンプしてみましょう!そのまま軽やかに回転して着地しょましょう!」
「先生、お願いします!」
と河合先生が声をかけると、麻衣は一生懸命に技を実践した。彼女の身体は躍動し、空中で美しい姿勢を保ちながら回転を行った。その瞬間、教室中に麻衣の存在感が広がった。練習が終わった後の麻衣は汗だくで、行くときに結った日本髪もすっかりほどけていた。
そんなひたむきな麻衣の姿を見て、仲間の生徒も感動した表情を浮かべた。
「麻衣さん、本当にすごいですね!あなたの成長を見ていると、自分も頑張ろうという気持ちになります」と美咲が言った。
「そうですよ!私たちも麻衣さんのように素敵な技を披露できるように頑張りましょう!」あかりも熱心に応援した。
まどかも「私も麻衣さんのように美しく躍動する姿を目指して頑張りたいです!」と言った。
麻衣は恥ずかしそうに笑って、仲間たちに感謝の気持ちを伝えた。
「ありがとうございます、みんなのおかげで私も成長できています。これからも一緒に頑張りましょう!」
仲間たちは麻衣の言葉に力強く頷き、再び練習に取り組む姿勢を示した。
大会までの日々は、厳しい練習と励まし合いの日々が続いた。麻衣は自分自身を高めるために、体力トレーニングや柔軟性の向上にも力を入れた。