表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

練習

「よろしくお願いしまーす」

体操教室について、みんなに挨拶をすると、麻衣は身に着けていた和服を脱ぎ、レオタード姿になる。その時、瞬間が自分自身の変身のように感じられた。そして、レオタードを身にまとい、仲間たちと一緒に体操の練習に取り組んでいく

先生から指導を受けながら、麻衣は少しずつ体操の技術を身につけていった。初めは不安だったが、仲間たちの励ましと先生の指導によって、彼女の自信も少しずつついてきた。

「北園さん、その姿勢はもう少し背筋を伸ばしてみてくださいね」

と先生がアドバイスすると、麻衣は素直に頷いた。

そして、みんなと一緒に体操の技を練習する中で、麻衣は仲間たちとの絆も深まっていった。お互いに励まし合い、時には競い合いながら、彼女たちは成長していくのだった。

「麻衣さん、その跳躍は素晴らしいですね!今日の練習で、みんなに追いついたんじゃないですか?」

田中美咲が麻衣を褒めると、彼女は照れ笑いしながら頷いた。

「ありがとうございます。でも、まだまだ未熟なんです。これからもっと頑張ります!」麻衣は自分自身に言い聞かせながら、さらなる成長を目指していた。

体操教室では、技の練習だけでなく、柔軟性や筋力を鍛えるためのトレーニングも行われていた。麻衣は汗を流しながら、自分の限界に挑戦し、新たな高みを目指していった。



この日の練習は平均台だった。床から1.25メートルの高さの台の上に立つことが求められる練習だった。麻衣は初めての挑戦に胸が高鳴った。生徒たちは一人ずつ順番に台に上がり、バランスを取りながら様々な動きを行っていく。麻衣も順番が回ってきた時、緊張しながらも台に上がった。

「麻衣さん、いい感じですよ。落ち着いて動いてください」と先生が声をかけてくれた。

 麻衣は先生のアドバイスを心に留めながら、ゆっくりと動き始めた。最初はぎこちなかったが、徐々にバランスを取ることができるようになっていった。生徒たちは麻衣を応援し、励ましてくれた。

「麻衣さん、すごいです!初めてなのに、すごく上手にできていますよ」と美咲が言った。

「本当に、驚きですよ。まるで体操の経験者のようです」とあかりも感心して言った。

麻衣は彼女たちの言葉に励まされながら、自信を持って動き続けた。台の上でのバランス感覚や体の使い方を学びながら、少しずつ成長していく自分を感じた。


 もっとも大変だったのが、段違い平行棒だった。徐々に慣れていくうちに麻衣も段々と安定感を増していった。生徒たちは麻衣を励まし、応援の声を送った。

「麻衣さん、頑張って!私たちも一緒に応援しています」と美咲が声をかけた。

「そうだよ、麻衣さん。一緒に頑張って乗り越えましょう!」とあかりも励ましてくれた。

麻衣は彼女たちの言葉に助けられながら、一歩ずつ前に進むことができた。体力的にも精神的にも限界を超えていく自分を感じながら、麻衣は心の中で決意を固めた。

「私も、この段違い平行棒を乗り越えて、成長していくんだ!」と麻衣は自分に言い聞かせた。

その瞬間、麻衣の心に新たなエネルギーが湧き上がってきた。彼女は力強く棒に掴まり、一気に体を振り切った。棒から離れる瞬間、麻衣は自由で爽快な感覚を味わった。生徒たちは驚きの声を上げながら、麻衣の勇姿に感嘆の眼差しを向けた。

「すごい!麻衣さん、本当にすごい!」とまどかが言った。

「信じられないくらいの力強さだよ。私たちも見習わないと!」と美咲も感動して言った。


 床の運動は麻衣が最も楽しみにしていたものだった。

「麻衣さん、ゆかの練習をしますね。私たちが支えますから、安心して頑張ってください」とまどかが優しく言った。

麻衣は緊張しながらも、まどかとゆかりに支えられてゆかに乗り込んでいった。最初はバランスを崩してしまいそうになったが、二人の力強い手で支えられながら、少しずつ安定感を取り戻していった。

「麻衣さん、頑張って!私たちがしっかりとサポートしますから、自信を持って飛び込んでください」とゆかりが励ましてくれた。

麻衣は心の中で感謝の気持ちを込めながら、一瞬の勇気を振り絞ってゆかを飛び越えた。空中に舞い上がる瞬間、麻衣は自由で軽やかな感覚に包まれた。生徒たちは麻衣の勇姿に感動し、大きな拍手と歓声を送った。

「すごい!麻衣さん、本当にすごい!」とまどかが言った。

「信じられないくらいの勇気と美しさだよ。私たちも見習わないと!」とゆかりも感動して言った。

麻衣は恥ずかしさと喜びが入り混じった気持ちで、生徒たちの声援に応えた。

「みなさん、本当にありがとうございます。私もみんなと一緒に成長していけることをとても嬉しく思っています」と麻衣は感謝の気持ちを込めて言った。


今日も麻衣は体操教室に向かう。麻衣は和服を脱ぎ、レオタードに着替える瞬間を心待ちにするようになっていた。彼女は着物を脱いでレオタード一枚になると、身体が自由に動く感覚に興奮を覚えた。レオタード姿の麻衣は、体操の技を磨くために一生懸命に取り組んでいく。仲間たちと一緒に成長し、大会で活躍する日を夢見て、彼女は体操の世界へ飛び込んでいった。

「麻衣さん、もうすっかり慣れましたね」と美咲が笑顔で言った。

「はい、最初は緊張していましたが、みなさんと一緒に過ごす時間が楽しみになりました」と麻衣は嬉しそうに答たえる。

「それにしても、麻衣さんは、和服姿も、本当に美しいですね」

とあかりが感心しながら言った。

麻衣は恥ずかしそうに笑って答えた。

「ありがとうございます。和服は私の大好きなファッションです。でも、体操の時はやっぱりレオタードが動きやすいですね」

まどかも笑顔でうなずきながら、

「でも、麻衣さんの和服姿を見ると、私たちも和の雰囲気に触れることができて、とても特別な気分になります」

と言った。

麻衣は喜んで頷きながら、

「私も和の美しさを大切にしながら、体操の技術を磨いていきたいです」

と言った。その言葉に、生徒たちは一緒に頑張ろうという意志を感じた。麻衣の体操教室は、和服とレオタードが交わる特別な場所となった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ