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麻衣の体操教室通いが始まった。体操教室に通うのは週に2回。麻衣が所属しているのは、高校女子コースだ。母には、日本舞踊の練習が増えたと言ってある。麻衣は普段と同じように、和服で河合体操教室に向かった。今日は体操教室の初日だ。

教室に着くと、既に三人の生徒が練習していた。みんな青色の無地の長袖の練習用のレオタードを着ている。生徒たちに指導していた先生は麻衣を見つけると

「はい、みなさん、ちょっと止めてー。今日から新しい仲間が来ましたよ」

と言って麻衣を生徒たちに紹介した。

「こちらは北園麻衣さん。体操は今日が初めてだけど、とても頑張り屋さんよ。みなさん、よくしてあげてね」

「初めまして、北園麻衣です。よろしくお願いします」と麻衣は緊張しながら挨拶した。

おそろいのレオタードの生徒たちは笑顔で迎えてくれたが、麻衣の和服姿には少し驚いた様子だった。

「麻衣さん、和服でいらっしゃるんですね。珍しいですね」と一人の生徒が言った。

「「麻衣さんは、和服で練習するの? 動きにくくないの?」もう一人の生徒が尋ねた。

「いいえ、体操の時は和服ではなく、皆さんと同じレオタードになりますよ」

「でも、どうやって?」

「ちょっと待ってください」

麻衣はゆっくりと帯をほどきはじめた。教室の中には静まり返った空気が広がり、麻衣の手つきに注目が集まった。彼女が帯を解いた後、和服を脱ぎ捨てると、下に着ていたレオタードを露わにした。ほかの生徒たちと同じ青色のレオタードだ。レオタード姿の麻衣のスタイルの良さと美しい肌が、生徒たちの視線を釘付けにした。彼女は笑顔で言った。

「これでわたしも皆さんの仲間入りですね」

麻衣が自分たちと同じレオタード姿になったことで、生徒たちと麻衣との距離が縮んだようだ。三人の生徒たちは次々と自己紹介を始めた。

「私は田中美咲です。体操を始めたのは小学生の頃からで、今では地区大会でも活躍しています!」

美咲が自信満々に話すと、次はもう一人の生徒が自己紹介を始めた。

「私は山田あかり。体操は中学生の頃から始めて、地元の大会で優勝した経験もあります。でも、まだまだ上手くなりたいんです!」

あかりは瞳を輝かせながら話すと、最後の生徒が自己紹介を始めた。

「私は佐藤まどかです。体操は小学生の頃からやっていて、県大会でも入賞したことがあります。でも、このクラスに入るのは初めてで緊張しています…」

まどかは少し照れながら話し、他の生徒たちも頷いて応援するように笑顔を返した。

麻衣は彼女たちの自己紹介を聞きながら、少し緊張がほぐれていくのを感じた。彼女もまだまだ未熟ながら、これから一緒に成長していける仲間たちに出会えたことに喜びを感じた。

「みなさん、素敵なご自己紹介ありがとうございました。私も皆さんと一緒に頑張りたいと思います!」

麻衣は笑顔で言い、生徒たちも喜んで応えた。

「じゃあ麻衣さん、こっちに来て。」

河合先生が麻衣に声をかけた。麻衣は先生の元に歩み寄ると、床に敷かれたマットの上に座った。先生は周りの生徒たちに声をかけて、全員が集まるように促した。そして、麻衣に向かって言った。

「麻衣さん、まずは体操の基礎から始めましょう。体力や柔軟性を鍛えるためのエクササイズをやっていきます。皆さん、麻衣さんに手伝ってあげてくださいね」

生徒たちが頷き、麻衣に声をかけながら一緒にエクササイズを始めた。今まで、着物を着て体操の真似事のようなことはしてきたが、いざ実際に、自分がレオタードを着てやるとなると、恥ずかしさが出てくる。

「大丈夫。みんな一緒に頑張っているから、麻衣も安心して取り組めるよ」

と美咲が励ましてくれた。

麻衣は少し照れながらも、生徒たちと一緒にエクササイズを始めた。最初は戸惑いもあったが、徐々に慣れていくうちに、麻衣も自然と笑顔が溢れてきた。彼女は初めての体操の練習に意欲を燃やし、自分の体を限界まで鍛えることに集中していった。麻衣は、この日から河合体操教室の一員として、体操競技の世界に飛び込んでいく覚悟を決めたのだった。

みんな一緒に頑張っているから、麻衣も安心して取り組めるよ」と

美咲が励ましてくれた。

麻衣は少し照れながらも、生徒たちと一緒にエクササイズを始めた。最初は戸惑いもあったが、徐々に慣れていくうちに、麻衣も自然と笑顔が溢れてきた。

「麻衣さん、まずは体操の基礎から始めましょう。体力や柔軟性を鍛えるためのエクササイズをやっていきます。皆さん、麻衣さんに手伝ってあげてくださいね」

生徒たちが頷き、麻衣に声をかけながら一緒にエクササイズを始めた。最初は戸惑っていた麻衣だったが、生徒たちの優しさとサポートに励まされながら、少しずつ慣れていった。体を動かすことに慣れている麻衣は、生徒たちと同じように頑張り、一生懸命に取り組んでいった。 

時間が経つにつれて、麻衣は体操競技の楽しさや深奥さを実感していった。体を使って美しく動くこと、チームで協力し合いながら目標に向かって努力すること。それらが麻衣の心に芽生えていくのを感じた。そして、仲間たちと一緒に成長していく喜びも味わえた。

「麻衣さん、素晴らしいですね。初めてなのに、すごく頑張っていますよ」

と先生が褒めると、周りの生徒たちも麻衣に拍手を送った。

麻衣は嬉しさで胸がいっぱいになり、笑顔で礼を言った。

「私もみんなと一緒に成長していきたいです。本当にありがとうございます」

体操教室での初日の練習が終わり、麻衣は充実感と喜びでいっぱいになっていた。これからも一生懸命に取り組み、体操競技で輝く美しさを追求していくことを心に決めたのだった。

自宅に戻った麻衣は疲れた体を休めた。しかし、思いが募るばかりで眠ることができなかった。彼女は窓の外を見つめながら、今日の体操教室での経験や生徒たちとの交流を思い出していた。

「本当に素晴らしい仲間に恵まれたな」と麻衣は心の中でつぶやいた。彼女はまだ体操競技の初心者だが、周りの生徒たちは彼女を暖かく迎え入れてくれた。お互いを励まし合い、成長し合う姿勢が麻衣を感動させた。


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