第84話 ダンジョン飯パーティ!①
第3層にやってきて数分が経った頃。
私は、何とも言い知れない違和感を覚えていた。
だってさ、第1層と第2層には結構な量のゴミが捨てられてだんだよ? それなのに、第3層では、全然ゴミを見かけないよ。
それどころか――。
「妙だな。モンスターとのエンカウントも極端に少なくなったぞ?」
ギルさんが言うと、他の皆もうんうんと頷く。
「こんなにサクサク進めるの……なんかヘン……」
「もしかしたら、イレギュラーが出現しているのかもしれないですね。イレギュラーから逃げる過程で一定の箇所に多くのモンスターが密集した――?」
確かにケンジくんの言うことは一理あるね。
でも、それだとゴミの量が減ってることについては説明がつかないよね?
「ま、考えても分からないことを考えても仕方がないし、とにかく今は前進しよう。なに、これだけのメンバーが揃っているんだ。イレギュラーが相手でも後れは取らないさ。いざとなったら楔を使って逃げればいいだけだしね。とはいえ、用心はすしておいたほうがいいかもね……」
伊藤さんの言葉を受けて、私たちは探索を続けたよ。
ギルさんの提案で、まずは休スペースを目指すことになった。
仮にイレギュラーが現していても、休憩エリアに逃げれば身の安全を確保できるからね。
#
第3層にやってきてから約20分後。
私たちは休憩スペースにやってきた。
そしてそこに待ち受けていたのは――。
「「「テッテレーッ!! ドッキリ大成功~~~~ッッ!!!!!」」」
「えっ、え? えぇぇええええええええ~~~~~~~ッッ!?!??」
そこには、フーラちゃんと咲ちゃん、そしてふらんちゃんの姿が!
ど、どうして!?
なんでこんなところに!??
まさか偶然でダンジョンが被ったなんてことは無いよね?
「はははっ、なるほどな! だからゴミが見当たらなかったワケだ」
「マジでビビったぁ~~。そりゃ、モンスターもいないわけだねぇ」
ギルさんとミレイちゃんはうんうんと納得した様子だけど、なんでそんな冷静でいられるのさ!?
「最中ちゃんの顔……撮っちゃった……ふふっ」
「ちょっ、ユーリちゃん!?」
「いやー、中々にいいリアクションだったね。最中ちゃん、案外こういう路線もありなのかもしれないね?」
「伊藤さんまでなに言ってるの!?」
「ねーねー最中ちゃん、見て見て。これ、最中ちゃんのビックリした顔! ふらんね、この写真お気に入りになっちゃったよ!」
「あーんも~。ふらんちゃん、それ消してよ~」
っていうかコレ配信しちゃってるし、消したところでなんの意味も無いんじゃ……。
「ふふふ。最中ちゃんがまんまと驚いてくれて、私としても嬉しい限りだよ。仕掛け人冥利に尽きるね!」
「伊藤さんも言っていたが、本当に良いリアクションだったよ。あとで自分の配信を見返してみるといい」
こうして、私はまんまとドッキリにかけられたのだった。
なんだか嬉しいような悔しいような不思議な感じがするよ。
ドッキリの後は、私たちもダンジョン飯に参戦することになったよ。予想外の出来事にコメント欄も大盛り上がりで、正直、ちょっと美味しいなと思っちゃったり。
それに、形はどうあれ、フーラちゃんたちがダンジョンをお掃除してくれたっていうのは嬉しいよね。
「えーそれじゃ、ドッキリ大成功を祝して、乾杯!!」
フーラちゃんの音頭で、私たちは乾杯したよ。
私はプラのコップに注がれたビールを一気に飲み干して、大きく息を吐いた。
「ぷはーっ! こうなったら、とことん楽しんでやるんだから! ライムスも遠慮しないでグイグイ食べちゃおうね!」
『きゅいっ、きゅいー!』
こうして、大人数でのダンジョン飯パーティーが幕を開けた!
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