第81話 お掃除バトル!
みんなの協力のお陰で、無事に第1層を掃除することができたよ。
私はまだLvが13しかないから、E難度ダンジョンのモンスターでも苦戦しちゃう。
でも伊藤さんやギルさんは私なんかよりよっぽど強いから、モンスターとエンカウントしてもすらすら進むことができたよ。
そしてライムスは、伊藤さんやギルさんたちに負けないように、いつも以上に張り切っていたよ。
活躍を奪われないように頑張るライムスは、とにもかくにも一生懸命ですごく可愛かった。
もしかしたらライムスは、ライバルがいるほうが燃えるタイプなのかもしれないね。
第2層にやってきた私たちは、引き続きお掃除をしていくよ。
「さて、ここからが本番だな」
ギルさんが腰に手を当てながら言った。
ゴミは、第1層よりも明らかに多いね。
他の冒険者たちが食べたあとの包装紙や、壊れた武器の残骸らしきものも見えるよ。
「こんなにポイ捨てするなんて、マナーがなってないよね」
私はため息をつきながら、ライムスに指示を出した。
「ライムス、いつも通りお願いね!」
『きゅぴっ!』
元気な返事とともに、ぷるぷると地面を這って、次々とゴミを食べていったよ。
壊れた武器の金属片も、ライムスにとっては栄養になっちゃうみたいだね。
ふふっ。
あんなに美味しそうに食べちゃって。
ライムスにとっては、ゴミが散らかってるダンジョンは楽園かもしれないね。
「ライムスくんは働き者だね」
感心したように呟きながら、伊藤さんがゴミを集めていく。
こうやって褒められると、私としても鼻が高いよ。
まあ、ライムスにとってはご馳走を美味しくいただいてるだけなんだけどね……。
「俺たちも負けてられないな。ケンジ、ユーリ、ミレイ! もっともっと気合い入れてけよっ!」
「言われなくても……そのつもりだし……!」
「ほんとそれ~。それにウチ、勝負で手抜きしたこと無いしね」
「え、いつの間に勝負になってたんですか? 普通に掃除してるだけのつもりだったんですけど」
『きゅいきゅい、きゅぴーーっ!!』
「あははっ! ライムスってば、もっともっとやる気満々になっちゃったみたいだね!? よおーし、私だって負けないからね!」
これはもう、ただのお掃除じゃないよ!
どれだけたくさんのゴミを取り除けたか。
どれだけダンジョンをきれいにできたか。
お掃除系Dtuberとしての誇りを掛けた、仁義なき戦いだよ!
「この戦い、絶対に負けるわけにはいかない! ライムス、もっともっと動きを早くするよ!」
『きゅいぃっ!!』
こうして、私たちのお掃除対決が幕を開けた――!!
ここまで読んでいただきありがとございます!!




