第75話 優雅な朝ごはん
翌朝。
息苦しさと瑞々しさを感じて目を覚ますと、私の顔の上にライムスが乗っていた。
『きゅぴっ!』
「おはよ、ライムス」
私は身を起こして、ライムスをナデナデする。
ライムスはくすぐったいのか、目を細めながらぷるぷると弾んでいたよ。ふふっ、ライムスってば朝から可愛さマックスだね!
『きゅいきゅい!』
「うん、分かったよ。すぐに準備するから待っててね」
『きゅぴぃ!』
昨日ダンジョン飯のお話をしたせいか、ライムスは朝からお腹が空いてるみたいだよ。
今日の朝ごはんは何にしてあげようかな?
もしもお掃除が上手くいってダンジョン飯をやるってなったら、朝から食べ過ぎたらすぐにお腹がいっぱいになっちゃうよね。
みんなが美味しそうにしてるのにライムスだけお腹いっぱいで食べられないっていうのは可哀想だから、朝ごはんの量はちゃんと考えてあげなくちゃ。
私は布団を整えたあと、寝室を出て居間に向かった。
カーテンを開けると陽光が差し込んできて、私が気持ち良さそうに伸びをすると、ライムスも真似をするようにぐに~と体を伸ばしていたよ。
どんなライムスも可愛いけど、こうやって伸びてるライムスはより一段と可愛らしく見えるね。私の真似をしてるっていうのがポイント高いよ。
「ライムス、今日はダンジョン飯があるかもしれないし、朝ごはんの量は少なめにしようと思うんだけどどうかな?」
私が聞くと、ライムスは少しだけ目を吊り上げて、その場でぴょんぴょんと大ジャンプ! うん、これはライムス流の猛抗議だね。
『きゅぴ、きゅぴぴぃっ!!』
「そっかそっか。昨日あんな話を聞いちゃったし、もうお腹ペコペコだよね」
『きゅぴぃ!』
「ん? 僕ならたくさん食べられるから心配はいらないよって? ふふっ、そうだよね。分かったよ、それじゃいつも通りの量で作るね?」
『きゅい!!』
#
今日の朝ごはんは私もライムスもシリアルにしたよ。
ただのシリアルじゃなくて、みかんやバナナ、パイナップルを切って、贅沢にヨーグルトまで付けちゃったよ!
ドリンクは私がホットのコーヒー、ライムスはオレンジジュース。
こんなに甘いメニューが並んでいると、ライムスにとっては楽園だろうね。ライムスは甘いものが大好きだから。
「それじゃ、いただきま~す!」
『ぴきゅうっ!!』
朝ごはんを食べた後は、軽くお散歩をすることにしたよ。せっかくのいい天気だし、待ち合わせまではまだ時間があるからね。
集合の予定は10時。
今は7時30分だから、2時間は散歩ができるね。
「それじゃ行こっか、ライムス」
『きゅいっ!』
ライムスは早くお散歩に行きたくて、私を急かすようにぷるぷると体を動かしていたよ。
実はこのお散歩でライムスのお腹を少しだけ減らしておこうというのが私の作戦なんだけど、ライムスは気付いていないみたいだね。
ふふっ、こういうところはまだまだだね。
ま、そんなところも可愛くて大好きなんだけどね!
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