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【書籍化決定】 ダンジョンのお掃除屋さん〜うちのスライムが無双しすぎ!?いや、ゴミを食べてるだけなんですけど?〜  作者: 藤村
第10章 最中と紺青の激闘編

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第97話 超緊急招致命令

 須藤さんを交えてのレベリング配信を終えた、その翌朝。


 柔らかさとペチャペチャさを感じて目を覚ますと、私の顔の上でライムスがぷるぷると震えていたよ。


『きゅぴぴっ!!』

「んぅ~……へへへ。おはよ、らいむしゅ」


 いつものようにライムスが私を起こしてくれて、平和な1日の始まりを感じるよ。


「さきに行ってて」

『ぴきゅっ!』


 ライムスがいなくなったあとで、私は布団をぴっちりと整えてから、居間に向かった。


 カーテンを開け放つと、遠くの方に暗い雲が見えた。全体的に晴れてるけど、もしかしたら雨が降ってくるかもしれないなぁ。


 そうなったら、配信の後にお散歩に出るのもいいかもね。ライムスは水辺が大好きだから。


 そんなことを考えながら、いつものルーティンで朝食の準備を進めていったよ。


「ごちそうさまでした」

『きゅぴ~~』


 朝食を終えた後は、配信に向けての準備を進めていくよ。


 今日は日曜日だから、お掃除をメインに据えた配信の日だね。


 今の私のレベルは15。

 やっとD難度ダンジョンの入口が見えてきたって感じかな。


 ダンジョンの難易度とレベルには関連性があって、それは探索者協会のホームページで見られるよ。


 具体的には、


 F難度ダンジョン……攻略推奨レベル1~10

 E難度ダンジョン……攻略推奨レベル11~20

 D難度ダンジョン……攻略推奨レベル21~30

 C難度ダンジョン……攻略推奨レベル31~40

 B難度ダンジョン……攻略推奨レベル41~50

 A難度ダンジョン……攻略推奨レベル51~70

 S難度ダンジョン……攻略推奨レベル71~100


 とまぁ、こんな感じだね。


 Sランクは幅が広すぎるから、探索者の中でも強さがピンキリで、例えば調子の悪いLv.71の探索者は絶好調のLv.60の探索者に負けることもあるよ。


 この辺りは、緊急レイドクエストの時にサブリーダーの池田さんが言っていたことだね。


 そんな中、須藤さんは強さという一面では常にトップで、未だに無敗を誇っているよ……。


 そんな人が、本当に私の仲間になってくれたんだよね?


「ふにっ!」


 私は自分の頬をつねってみた。

 普通に痛かったので夢じゃないってことだね、ぐすん。


『ぴきゅ?』

「どうして頬っぺたをつねったのかって? これが夢だったら、痛みを感じないでしょ? だから確かめてみることにしたんだ。あー、夢じゃなくてよかったあ」

『くー??』


 よく分かってない様子のライムスを他所に、私は未来に想いを馳せた。


 あと5つもレベルを上げれば、D難度ダンジョンに挑める。5つなんて、須藤さんから貰ったアイテムがあればきっとすぐに上がるよね。


「早く強くなりたいなぁ。それでいつの日か、S難度のダンジョンもぴかぴかにしてさ」

『きゅいっ!!』

「うん、楽しみだね!」


 ライムスとお話しながら、機材チェックや装備品のチェック、回復アイテムの過不足が無いか等を確認していく。


 すると。


 スコンッ!


「ん、なにか届いたみたいだね」

 

 私は荷造りの手を止めて玄関までやってきた。

 ポストには1通の茶封筒が投函されていて、私はそれを引き抜いた。


 差出人は探索者協会東支部からで、表面には赤文字で「※超緊急※ 必ず開封してください」と記載されている。


「なんだろコレ」


 指示通りに開けてみると、そこに入っていたのは1枚の手紙。そして金色に輝くカードだった。


 金色のカードを見た瞬間、全身がぶわっっっ!!!!! と総毛立った。


「こ、これって――」

『きゅぴ??』

「……ライムス。今日の配信は、お休みだよ」


 探索者協会から送られてくる手紙には、明確な優先度がある。そして優先度の高さは同封されるカードの色で変わってくる。


 赤、青、紫、白、黒……そして最上位の金。


 金のカードは『手紙に記載されている内容を必ず果たしなさい』という意味を持ち、その効力は公的機関や行政機関の権力さえをも上回る……。


 つまり、警察組織や自衛隊ですら介入が難しい案件。


 心臓が激しく脈を打つ。

 息が荒くなって、眩暈すら起きそう。


 私は必死に深呼吸して、それからライムスに抱きついた。


「はあ、ちょっとは落ち着いたかな」

『きゅい?』

「うん、もう大丈夫だよ」


 私は息を整えてから手紙を開けた。

 そしてそこにはたった一文「天海最中様。ライムス様同行の元、本日22時までに探索者協会東支部へお越しください」とだけ書かれていた。


「ふえ??」


 え? それだけ?

 たったそれだけのためにゴールドカードを同封したの?


「……んもぅ、ビックリさせないでよっっ!!!!!」

『ぴぇぇええ~~~!??』


 私の叫び声に、驚いたライムスがころころと転がった。

ここまで読んで頂きありがとうございます!!

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お読みいただき有難うございます!
ダンジョンのお掃除屋さん〜うちのスライムが無双しすぎ!?いや、ゴミを食べてるだけなんですけど?〜
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