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スケッチ

作者: 桜田咲

 日常の延長線上で遊戯は始まる。布を払い、身を清め、私はいつもより少しだけ身軽で、幸せな気持ちになる。貴方も同じように思ってくれてると良い。私は日常の少し先で、見えないものを見る。それは1つの芸術である。


 線をなぞる。柔らかく濡れている線をなぞる。繰り返し、繰り返し。私はそうすることで線が描く全体の輪郭を捉える。稜線、谷の縊れ。緩やか丘陵を越え、私は神秘の泉に辿り着く。私は仄かな高揚感を覚える。私は一息つくと、神秘を描くその線をなぞる。猫のひげのように線が震えた。


 私は、女神を見た。柔らかく濡れている線が描き出したのは、美の化身であった。目線が交差する。情が交差する。やがて交わったそれらは熱を帯び始める。熱は輪郭を溶かしていく。そして曲線と直線が交わった。母なる秘奥に直線が差し込まれる。直線に圧力が加わり、弦のように撓む。震える弦は海の歌を奏でる。潮騒、海の騒めき。一瞬の静寂の後に線が解けていく。


 眠らぬままに夢を見た。沈黙のままに語り合った。私は貴方を知りたかった。そして、全て、段々と熱が抜けていく。真夜中の木立を風が通り過ぎた。私は身震いする。月は真っすぐに私達を照らす。そして、私は日常の重みを取り戻す。美をなぞった素描は永遠に失われる。睡魔。


 私は眠りについた。


 古今東西、語られてきたものについて私はどのように表現できるのだろうかと考えて挑戦しました。ただ、真面目な作品というよりも”遊び”であると思います。分りやすく言うのならば”PLAY”です。

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