冒険者と冒険者ギルド
『小説家になろう』のハイファンタジージャンルを読んでいると、個人の体感的に七割以上の頻度で登場するのが、『冒険者』という職業と、仕事をあっせんする『冒険者ギルド』なる存在だ。言うまでもなく、異世界恋愛やヒューマンドラマ、その他のジャンルにも幅広く出てくる組織だ。
冒険者と冒険者ギルドのある作品全部を否定する訳でも、批判するつもりもないけれど、「なんかなぁ……」と言葉にし難いもやもやが、多量の作品を読んで貯まってしまうのが、残念ながら止められない。
で、この冒険者なる稼業は、老若男女問わずほぼ誰もが取得できる肩書きだ。それこそ出身地不明の流れ者だろうと、家を飛び出した貴族のボンボンだろうと、婚約破棄されて家を追い出された令嬢でも、十歳に満たない子供であろうとも、だ。
冒険者になるための手続きは簡単。『冒険者ギルド』に赴き、冒険者登録をすれば良い。読み書きができなくても、親切な受付嬢が代筆してくれる。中にはあらかじめどこかの神族の加護を得なければならない、なんて作品もあるが、そんなのは希少だ。
そして『ギルドカード』なる身分証を発行してもらい、それで手続きは終わりだ。
これで本人の身元は、ギルドが保証してくれる。異世界からの漂流者でも、訳ありで偽名を名乗る不審者でも、それこそ幾つもの国で指名手配を受けている犯罪者でも、ギルドは前歴を問わない。
早速掲示板を覗いて依頼を受け、冒険を始めよう。
……と、気取ってはみても、これって実態は、ただの日雇い労働者とその派遣業の構図ではないか?
いや、もっと悪い。
何ができるのか、得意分野は何なのか、本人の自己申告のみで、確認のための簡単なテストすら行なわれない。下手をするとステータス画面の『職業』だけで決定してしまう作品すらある。
当然、職業訓練の制度なんてないし、訓練もなしに仕事をしろと放り出して、何の問題もないときている。
しかも内容は「危険」「汚い」「(多分)臭い」の3Kなブラックだ。その上、ランクが上がれば、遠出する機会が増えるので「帰れない」、指名依頼なんて制度が適用されるので「(依頼を)断れない」の2Kがプラスされて5Kになる。
明らかに底辺の仕事だろ?
それでも喜び勇んで登録するのが、『小説家になろう』ならではのお約束だろう。
なぜそんなに冒険者になりたがるのか? なんでそんなに『冒険者ギルド』に行きたがるのか?
冒険者と冒険者ギルドの関係を色々と掘り下げていくと、何となくその理由が見えてくる。
●なんで冒険者?
ハイファンタジージャンルの全ての主人公が、『冒険者』を生業にしているとは言わない。他面、異世界恋愛、ヒューマンドラマ、その他ジャンルでも『小説家になろう』では冒険者と冒険者ギルドの作品は多く見かける。
ただなぜか多くの主人公が、冒険者という職業を目指し、冒険者ギルドの戸を叩いている。
なんで?
異世界に転移してしまいました。身元を保証する物がない。冒険者ギルドに登録して、身元保証してもらおう。なんで? どれだけ戸籍制度の発達した社会なのかも分かっていないのに、初っ端で戸籍を心配するのさ。
母親が妾なので家では腹違いの兄弟たちから冷遇されていました。転生特典でとっても凄い戦闘力をもらったから、家を出て冒険者になろう。なんで? 家、乗っ取っちゃえよ。
僻地の農民に生まれたけれど、転生特典を確認するために近くの山や森の魔物を狩りまくって鍛えました。大きな街に出て冒険者になります。なんで? そのまま奥地に進めよ。それこそが『冒険』だろ?
真実の愛を見つけた婚約者に捨てられ、家からも勘当された。やったね、狙い通り自由になれた。とりあえず近くの大きな街に行って冒険者になろう。とりあえず? なんで?
親兄弟が殺され、故郷が滅ぼされました。復讐のためにギルドに登録して冒険者になります。なんで?
辺境の田舎でスローライフ送りたいです。だからギルドに登録して冒険者になります。なんで?
師匠が行方不明になりました。捜すためにギルドに登録して冒険者になります。なんで?
深く考えるまでもなく、身も蓋もない答えならば決まっている。
「そういう世界観だから」
だとしても、猫も杓子も「冒険者ギルドに登録して冒険者になります」では、読む側としては説得力を感じない。
とは言え。
過程と理由は幾らでもあれ、冒険者が一種の花形職業になっているのは、『小説家になろう』ではお約束だ。
●なんで冒険者ギルド?
そもそもの話、冒険者を名乗る日雇い労働者派遣業の『冒険者ギルド』はどこから現れたのか?
中世タグの付けている作品は時々あるが、現実地球の歴史において、『冒険者ギルド』なんてものは存在しない。
ならば、ゲームか何かが初出なのだろうか?
テーブルトークRPG(TRPG)としては始まりとなるDungeons & Dragons(D&D)が登場したのは1974年。それから少しずつ修正が入り、三刷目の、いわゆる『赤箱』が翻訳されて日本に来たのが1984年。1991年頃に『箱』を統一した微改訂版D&D Rules Cyclopediaが出版されたものの、翻訳版が出たのかどうかは知らない。
D&Dのルールを発展させたAdvanced Dungeons & Dragons (AD&D)の遍歴も、いつ日本に翻訳版が来たのかまでは調べ切れていないが、AD&D 2nd Editionの和訳版が出ていたのは確認している。そのAD&D 2nd Editionの出たのが1991年頃、微改訂版2nd Edition Revised――ただし表紙からは2nd Editionの文字が消え、前書きページに2nd Edition Revisedとある――が1996年頃、さらに版権がTSR社からWizards of the Coast社に移行して三、四年経過した2000年代にPremium Advanced Dungeons & Dragonsが出版されている。ただしRevisedとPremiumが翻訳されたような形跡は見つけていない。
その後も2000年代に第三版が出る際、AD&DがDungeons & Dragonsのタイトルを継承し、元のDungeons & Dragonsは姿を消すことになった。それからも改訂版のv3.5、更に第四版(4E)、追加ルールと微改訂したEssentials、2023年現在では第五版(5E)まで続いている。
駆け足でD&Dの歴史を語ってみたものの、かれこれ最初のDungeons & Dragonsから五十年が経過した今でも、『冒険者ギルド』なんて組織はルールブック、サプリメント含めて登場していない。
かろうじて、v3.5との共用可能なPathfinder Role-Playing Gameにおいて、Pathfinder Societyという『冒険者ギルド』に相当しそうな世界的組織が登場している。
しかし全ての冒険者がそこに所属している訳ではない。
例えばAdventure Path(人によってはキャンペーンシナリオと呼ぶ方が分かるか?)のRise of the Runelordでは、ゴブリンの襲撃と放火から故郷の村を守る”Burnt Offering”で始まり、最終巻の”Spires of Xin-Shalast”が終わるまで、どこかのギルドに所属するなんてことはない。終盤にPathfinder Societyの名前が仄めかせられはしても、プレーヤー(PCs)が所属することはない。
Extinction Curse Adventure Pathに到っては、プレイヤーたちは冒険者どころか旅のサーカス一座で、興行に訪れる先々の町や村で事件に巻き込まれるという設定だ。
5Eに立ち返って"Out of the Abyss”を見れば、プレイヤーはUnderdarkという地下世界の奴隷からの出発だ。
では次に古いファンタジーTRPGではどうか?
古参ファンタジーTRPG二番目はTunnels & Trolls。その第五版が翻訳され『トンネルズ&トロールズ』として国内で発売されたのは、D&Dの赤箱翻訳版と前後する1985年頃だ。それから約五年後の1990年代始めに、国内限定で改訂された『ハイパートンネルズ&トロールズ』(HT&T)が出ている。
このHT&Tで初めて、冒険に必要なスキルや魔法を学ぶ場所として、『冒険者組合』が登場している。ただしあくまでもスキルを学べる場所なだけで、仕事のあっせんはしていない。
ようやく『冒険者ギルド』っぽいものが出てきた。ただしHT&Tは日本の独自ルールによるもので、版元のFlying Buffalo社で英訳版を出してはいない。
と思えば、実はその後が続いていない。
2012年頃に『トンネルズ&トロールズ【完全版】』が出ている。表紙絵から察するに、これは第七版の微改訂版Deluxe Tunnels & Trolls(dT&T)の和訳版だろう。
和訳版の方は未読なのでdT&Tの知識で語れば、冒険者ギルドに相当する組織は、この版では出ていない。Warrior(戦士)であれば傭兵団や軍隊の家族出身で武器の扱いを習得したとあり、ギルドの門戸をくぐってという設定はない。Wizard(魔法使い)であれば専門の学校に通ったとか、シャーマンの家系に生まれたとか、あるいはWizard’s Guildで訓練を受けたとか、色々な可能性が示唆されている。どこにも『冒険者ギルド』と名乗る組織は登場しない。
他にも色々なファンタジーTRPGをチェックしてみても、やはり『冒険者ギルド』に該当する組織を見かけることはなかった。タイトルが同じなだけで出版社もシステムもルールも異なるDragon Questニ作を始め、スウェーデンのSymbaroum(英訳版)、スペインのAnima: Beyond Fantasy(英訳版)の他、13th Age、Ars Magica、Belly of the Beast、Blue Rose、Dragon AGE、Dungeon World、Earthdawn、Fantasy AGE、Forbidden Lands、Palladium Fantasy、Rune Quest、Shadow of the Demon Lord、Sword Chronicle、Warhammer等々のTRPGに目を通しての話だ。
では、日本のファンタジーTRPGはどうか?
残念ながら古いものは記憶が曖昧なので語るのは難しい。ソードワールド初級編・上級編、クリスタニア、モンスターメーカー、ウィザードリィ辺りの、発売から三十年以上経過しているような作品ばかりだ。
これらのTRPGにも、『冒険者ギルド』はなかったと記憶している。
『ロードス島戦記』のリプレイで『冒険者ギルド』が登場したとの話も見かけるが、当該TRPGのルールブックが未読で確認が取れず、対象外としている。
ならば、日本のアニメやゲームを再現しようとしたTRPGならどうか。
アニメをRPGで再現しようとするものなら、個人的にはBig Eyes, Small Mouth (BESM)が思い浮かぶ。他にはv3.5と同じd20 Systemとのコラボd20 BESMや、5Eをベースにしたら別物になってしまったAnime 5E、そして2023年に英訳版の出たFabula Ultimaが該当する。
勿論のこと、これらのTRPGでも『冒険者ギルド』なんてない。
ただ、これら四作は特定の世界設定がないので、『冒険者ギルド』を作ろうと思えばできるかも……しれない。同様のコンセプトなら日本でもMAGIUSというゲームシステムが2000年頃に出ていたが……まあ、うん、先の四つと比べるなら語らぬが花ということで。
TRPGばかりになったので、話を変える。
コンシューマーゲームやソーシャルゲームのRPGはプレイした数が少ないので限定的になってしまうが、その範囲からも『冒険者ギルド』なんてものが出てきた記憶はない。
ならばライトノベルか?
AD&Dのノベル版ならば、Dragon LanceのChronicles、Legends、Talesの三作を一通り、Forgotten RealmsのMoonshae Sagaぐらいか、読んだのは。他にはTRPGのサークル所属のアメリカの大学生らが、プレイ中に異世界に転移させられてそのキャラになってしまうGuardians of the Flameシリーズ。トールキンのパクリとも批判される時のあるThe Iron Tower三部作などがある。Eragonなど他にも何冊か読んではいるが、どこかに『冒険者ギルド』のような組織を仄めかす記述のあった作品を見た記憶はない。
HT&Tとほぼ前後した時期に発売されたライトノベル『フォーチュン・クエスト』では『冒険者ギルド』が登場したようだが、このシリーズは未読なので語ることはできない。
そうやってつらつらと調べていくと、おそらくは起源であろう書き込みを見かけた。
「アイテム・コレクションの頃から「冒険者の店」を登場させたので、、ソード・ワールドを作る際に「冒険者」の定義をきちんとしようということになり、彼らを雇う「冒険者ギルド」を存在させようとなった。宿に雇用の張り紙を出すような。だから起源はソード・ワールド1stに関わった人たち。」(安田均、日付不明)
見つけたサイトが旧Twitter、現Xの書き込みをコピー&ペーストしたものなので、元を辿ることはできなかった。
だけどこれを鵜呑みにすれば、『冒険者ギルド』は日本が発祥だ。『冒険者組合』の出たHT&Tも、日本産と言えなくもない。
これでは海外TRPGをいくら調べても、出てこないのは当然だろう。
そこでファン有志による英訳版Sword World 2.5を何とか入手し、飛ばし読みしてみて、ようやく『冒険者ギルド』を見つけた。
その中で、冒険者になるには近くのAdventurer’s Guild Branch(冒険者ギルド支局?)に登録する必要がある、との記述がある。
何で日本産TRPGでも英訳版なのかはさておき。
そうか。グループSNEが原因か。
TRPGのようなマイナーな趣味が、どこをどうすれば『小説家になろう』のハイファンタジージャンルにはびこるようになったのかまでは、さすがに調べ切れていない。
●「やりたい仕事だけをやれる」職場、冒険者ギルド
『冒険者ギルド』の発祥がどうであれ。
冒険者が活動する中で、ギルドの役割は幾つもある。その中でも一番大きいのが、依頼の提示だ。
「どこそこへ行って、あれやこれらを果たしてこい。報酬は幾ら幾ら」
こういうものだ。
冒険者は報酬額の決定の他、依頼内容に後ろ暗いところがないかの調査に、魔物あるいはモンスターと呼ばれるものがいるならその種類の確定とおおよその数の下調べ、そこからの冒険者のランクに応じた難易度の査定、果てはおおまかな目的地までの安全性の点検から地図の用意まで等々……。何一つする必要がない。特にそういう調査依頼でもない限り、全てギルドが受け持ってくれる。
冒険者に求められるのは、現場に行って、答えの分かっている問題――大概は力ずくでの排除――を解決するだけだ。
むしろ、こういった一連の調査をするギルド職員の方が『冒険者』を名乗るのに相応しいのでは、と思ってしまうのは別段不思議ではないだろう。後から来る冒険者のために、魔物の調査はしても殺さず、怪しまれず、警戒されず、情報だけを持ち帰るなど、最たるものの一つではなかろうか。
しかしながら、そういうギルド職員の冒険が語られることはない。せいぜい残業疲れの受付嬢の話程度だ。
ともかく。
冒険者たちはギルド内でのランクに制限されこそすれ、そうやって全てお膳立てされた依頼の中から、「やりたい仕事だけをやって」いれば、『冒険者』を名乗れるという、ある意味理想の職場環境にあると言える。
冒険後の片付けも楽だ。
魔物退治の仕事なら、魔物の一部位を持ち返ることで報酬を計算してもらえる。個人的にはD&Dの時代からの疑問――死体がゾンビになって動き出すとか、何かしらの病気の発生源になるとか――の心配は不要だ。
大概の作品において、魔物等の死骸は『魔核』『魔石』とかいう魔物を構成する核を取り出せば、時間経過で消えてしまうというのがお約束だ。さもなくば血の一滴まで素材として回収してしまうか。いずれにせよ、放置された死体が後々問題となる作品は少ない。
そして依頼の完遂を口頭で報告すれば、それで依頼は完遂だ。
後はギルドの方で確認してくれる。面倒な報告書を書く必要すらない。
しかも大概は酒場が併設されているので、仕事終わりの一杯をひっかける店を探す必要もない。近場にはギルドお勧めの宿もあり、値段もリーズナブルだ。
そのような職場なら、内容が3Kでも5Kでも楽しく働けるのではなかろうか。
「夜も更け、いつものお気に入りの酒場は幾つもの冒険者のパーティーでごった返している。と、酒場の扉が勢い良く開けられ、身なりの良い貴族風の男が入ってきた。男は酒場をぐるりと見回してから息を大きく吸い込み、大声を上げた。『危急の依頼がある。この依頼を受けようと言う勇敢な冒険者はいるか!?』」
こんな感じで始まるシナリオは、初期のTRPGでは結構ありふれていた……かもしれない光景だ。AD&DのGreyhawk世界の”Fate of Istas”やForgotten Realmsの”Ruins of Adventure”、それとキャンペーンのグランドフィナーレに世界そのものをぶっ壊そうぜ、的な”The Apocalypse Stone”はこのような始まり方をしているシナリオだ。D&D Basic Rule Setから4Eまでの長きに渡り出版されていたD&D専用のシナリオ雑誌『Dungeon』 (1986~2013、全221巻)でも、同様の始まり方をしていたものはそれなりに見かけた。
しかし『冒険者ギルド』の前には、伏線で隠されている事象は始めからつまびらかにされてしまうのだろう。”Fate of Istas”では依頼人が一柱の神の分体だし、”The Apocalypse Stone”では依頼主こそが本当の黒幕だし、全ては始まる前に終わってしまう。
今やこういった逆境は遠い過去の彼方、『冒険者ギルド』に登録された冒険者には、無縁となっている気がしないでもない。
●『冒険者ギルド』登録での他の恩恵
依頼の裏取り調査から最後の報酬の算定、仕事の後片付け全般に、パーティーによっては打ち上げの場所の提供まで、全てとりなしてくれる『冒険者ギルド』には、所属することで得られる恩恵が他にも幾つかある。
まず、本人の生まれ育ちがどこか分からず住所不定、申請時の名前が本名か偽名かも定かでないどころか、髪を染めたりカツラで変装したりしていても、あるいは鉄兜や仮面を被って顔が分からなくても、そうやって身元を隠しているお尋ね者の可能性があっても、『冒険者ギルド』は拒絶することなく受け入れ、身元の保証をしてくれる。
つまり、あからさまな不審者でも、あるいは似顔絵の出回っているお尋ね者が素顔を晒していても、ざまぁされた元婚約者が再起を賭けて復縁を求めても、『冒険者ギルド』に所属していれば手出しできなくなる。
「過去の詮索はしない」
冒険者とギルドの登場する作品で、内容を問わず通じる不文律の意味は、そういうことだ。
次に、冒険者の移動は国境で妨げられることがなくなる。何せ『冒険者ギルド』は、国と国の垣根、時には種族の壁すら越えて存在する国際的組織だ。大陸なり諸島なり、たかが一地域を支配しているだけの国に、『冒険者ギルド』が下げる頭などない。
「冒険者ギルドを敵に回すと国が潰れるぞ。分かってんだろうなぁ、あぁん?」
と、国の支配者に対してギルドが圧力をかける作品は多い。
反対に、地方支部のギルド長が地元権力者と癒着なり腰巾着になって甘い汁を吸っていた、なんて腐っている場合も稀に見かける。
ギルドの上層部と地元権力者との仲がどうであれ、パーティーの中でも鍵開けなどのシーフ役が、その実本物の手配中の犯罪者でも、ギルドに所属すれば、他国への出入国は思いのままだ。
そして第三、もうこれだけが『冒険者ギルド』の所属メリットの全てとしても過言でない。
『ギルドカード』の配布だ。
●オーバーテクノロジー『ギルドカード』
「やりたい仕事だけ」をやって給料をもらえる理想の職場『冒険者ギルド』に所属する冒険者にとって、切っても切り離せないアイテム、それが『ギルドカード』だ。
この『ギルドガード』、冒頭でも述べたように入手するのは非常に簡単だ。ギルドの受け付けで登録を申請すれば良い。
登録料として多少の金銭を要求される場合があるが、『なろう主人公』の場合、その費用の出所は主に二つある。ギルドのある街に入る前に出会った親切な冒険者に立て替えてもらう。あるいは「なんて凄いアイテムなんだ。同じものをもっと持っていたら売っておくれ」と、買い取り屋に言わせる物品を売却して金を得ておく。個人的に大体この二つのパターンに収まる印象が強い。
盗賊強盗野盗山賊の類を返り討ちにして身ぐるみ剥いだ金を使う、または転生主人公であれば、家を飛び出した時に持ち出した金を使うなどもあるが、体感的に先の二つに比べて非常に少ない。
どのような経緯で手数料を賄うかはともかく、『ギルドカード』を手に入れる自体は、このようにさして難しくない。
しかもこの『ギルドカード』は、ただの身分証ではない。
装備品が『ひのきのぼう』と『ぬののふく』の初期レベルで入手できる『マジックアイテム』だ。
お手軽に入手できるのに対し、もたらす恩恵は凄まじい。それだけに、一度紛失したら再発行はしないという設定の作品は多い。
恩恵の内容のメインは、『ステータス』を見られることだ。『社会的地位』という直訳した意味ではなく、コンシューマーゲームやソーシャルゲーム、MMOなどのRPGでキャラの詳細情報を見る時に開く『ステータス画面』そのものだ。
ステータスの扱いの軽い作品なら、名前、種族、性別、年齢までだろうか。ヒト以外にもエルフや獣人がいる世界観にしては、軽すぎやしないかと心配になる。何せ顔写真がない上に、海外の運転免許証であれば身長・体重・肌の色・髪の色・瞳の色まで記載されるのに対し、身体的特徴を示す項目は少ないのだから。いや、そこまで書いている作品は皆無と言っても過言ではない。
反対に、ステータスの記載内容の多い作品――なろうではこちらの作品の方が圧倒的に多い――では、地の文章よりステータスの説明の方が長そうなのも少なくない。下手をすれば、ステータスの中身だけで一話の半分を埋めているようなものもある。
前述の項目に加え、大概の作品には『職業』『称号』『レベル』『HP』『MP』『つよさ』『かしこさ』『運』『スキル』等々があり、挙げられる項目に際限はない。しかも『状態異常』のような項目のある作品になれば、病名・毒物名・呪いの有無まで表示する常時健康チェック機能まである。
この点も「やりたい仕事だけをやりたい」冒険者のニーズを満たしていると言えよう。
面倒な実力試験、面倒な計測、面倒な書類、面倒な健康診断、全てが全自動で測定され、データが作成されるのだ。
ファンタジー世界に履歴書や職務経歴書なんてものに縁はないにしても、仕事をもらおうと思えば自分に何ができるのか売り込むのは、どこでも変わりはしない。しかしわざわざ売り込むまでもなく、『ギルドカード』一枚取得すれば、提示するだけで全部が片付いてしまう。
そう考えると、『ギルドカード』が世界観にそぐわないオーバーテクノロジーの産物に見えてしまうのは、別段おかしくはない。少なくとも、2020年代日本よりも進んだ技術の産物だ。
そんな代物が『冒険者ギルド』に登録するだけで得られるのだ。誰も彼も、特になろう主人公ならば、何も考えずにギルドを目指したくなるだろう。
なるほど『冒険者ギルド』以外の組織では稀にしか見かけることがないのも納得で、作品によってはギルドが独占する技術と言われても頷ける。
●数値の謎
無論、冒険者に限らず誰でも彼でも自身の『ステータス』を見られる作品や、転生・転移した『なろう主人公』だけが『ステータス』画面を開ける作品もある。その場合の『ギルドカード』は、ただの身分証で済む場合もあれば、『なろう主人公』のステータス画面の劣化版の扱いとなる作品もある。
しかしそもそも話として、だ。
ステータス画面に表示される各種数字に、何か意味があるのか?
例えば『つよさ』の100は強いのか弱いのか? 100kgのダンベルを持ち上げられるなら、その人は強いと言えるだろう。しかしなろう主人公と同じ○○歳の平均値を100とすれば、決して強いとは言えまい。あるいは、なろう主人公の種族の限界値が100ならば、種族最強を名乗れるかもしれない。
同じように、HPの1ポイントは、一体全体どれだけのダメージを表しているのか? 走って転んだら何ポイントのダメージになる?
ファンタジーTRPGならば、使う武器によりより与えられるダメージに差がつくものだ。D&Dでは短剣の一種のダガー(Dagger)で四面ダイス一個(1d4)、ブロードソード(Broad Sword)で六面ダイス一個(1d6)、それぞれにSTRのボーナスが加算された数値が、攻撃が命中すればHPに与えられる。
ゲームのシステムによっては、身に着けている防具により、ダメージを軽減させられるものもある。
さらにRune QuestやGURPS (Generic Universal Role Playing System)では、身体の部位――手、足、頭、上半身、下半身など――にそれぞれHPが設けられている。例えば手のHPを越えるダメージを受ければ、その手は骨が折れた等の説明で治癒する間使えなくなる。
反面Fantasy AGEでは、そこまで細分化してはゲームの進行が悪くなるから省きます、と明言している。AD&Dですら、高レベルでHPが100を越えるようなキャラクターでも、例えば縛られて眠らされて抵抗もできない状態で喉を掻っ切られるようなことがあれば、ダメージを計算するまでもなく死亡判定を下しても良いとなっている。
メタで語れば、ステータスで登場する数値は本来、他の能力――例えば『攻撃力』『防御力』『命中度』『HP』『MP』――を算出するためのものだ。
D&Dであれば『つよさ』『かしこさ』に該当する項目が、Ability Scoresとして六つある。Strength (STR)、Intelligence (INT)、Wisdom (WIS)、Dexterity (DEX)、Constitution (CON)、Charisma (CHA)だ。STR(筋力)は既に述べてしまっているが武器を当てた時に与えるダメージや、持ち歩ける最大重量の計算に使われる。同様にCON(耐久度)は、HPの増減に影響する。
Rune QuestではCharacteristicsと呼ぶ当該項目は全部で七つある。D&DにあるWisdomは存在せず、体格を示すSizeと魔法に注げる力の大きさPowerの二つが加わる。Power(POW)はそのまま次のAttributesの項目でMagic Points(MP)となる。また、Characteristicsで出た数字を基に、各スキルの基礎値が計算される。例えばPerception(注意力)は、INTとPOWの合計、というように。
コンシューマーゲームにしても、計算式が不透明かつより複雑なだけで、本質は同じだろう。
所詮はゲームのルールで作成したキャラクターだ。ゲーム世界の法則あるいはルールに則っているから、各能力を数値化しても問題はない。何らかの理由で数値に増減が発生しても、ルールに従ってのことなので、どのキャラクターに対しても公平だからだ。
こうして数字に意味を持たせているのなら、特にとやかく言うことはない。
翻ってなろう小説のステータスを見ると、一つの項目の数字が別項目の数字に影響する、なんてことはなさそうだ。複雑な計算式が裏にあってそこから算出している、と考えるのは難しい。
「レベルが上がって数字もこれだけ大きくなった。強ぇえ」
「数字が大きい、すげえ。数字が小さい、こいつザコだ」
「討伐対象の○○○はレベル××の魔物だ。オレ達のレベルなら何とか倒せそうだ」
言葉のバリエーションは幾つもあれ、要はこのように、数字の大小で強弱をつけるためのアクセサリー。
それだけでしかない。
これ以上続けると、ステータス使いの批判に繋がりそうなので止めておく。
●謎の格付け、冒険者ランク
「やりたい仕事だけをやれる」が売りの『冒険者ギルド』ではあるが、やはり作らなくてはならないルールはある。
誰も彼もが高額報酬だけに手を出しては、労力がかかって実入りの少ない依頼が見向きされなくなってしまう。また、報酬に見合わない実力の持ち主ばかり押しかけても、派遣する人材の能力すら把握していないのかと、ギルドの信用にも関わってくる。
そういった塩漬け状態の依頼を片端から片付けていくなろう主人公が、ギルドの受付嬢やギルドマスターの目に留まり、なんやかやと低ランクでも信頼を得ていくというのも、なろう小説のテンプレの一つではある。
さておき。
それを防ぐためのルール、つまりギルドに貢献してきた信頼と実績のある冒険者には高額報酬の依頼を与え、実力の定かでない貢献数の少ない新人には安い報酬の依頼を。
それで出てくるのが『冒険者ランク』だ。
このランク付けはどの作品を取ってもほぼ同じだ。下はFやEから始まり、上はA、S、SS、SSSとなっていくタイプ。あるいは、銅またはカッパーから始まり、ランク上昇に合わせ合わせて希少性の高い金属に変わっていくタイプだ。極々稀に、高ランク冒険者には宝石の名称が冠せられる場合もある。
このように序列が設定されていれば、ランク付けは公正に行われていると思われがちだ。
が、実はさにあらず。ギルド側が恣意的に利用している場合がほとんどだ。
何せランクを上げる基準は不透明だし、なろう主人公が目立った活躍をしたのを理由に、二段三段ランクをすっ飛ばして高ランクに上がるなんて作品は良くある。
そんな何を基準に計っているのか知れたものでない『冒険者ランク』で、自らの格を語る冒険者に生暖かい目を向けてしまうのは、物語序盤の低ランクのなろう主人公のお約束とすら言えよう。
●Off-Job Training? なにそれ美味しいの?
「やりたい仕事だけをやりたい」ということは、反対に、「やりたくない仕事は目にも入れたくない」ということでもある。極論なのは承知している。
そんな冒険者たちの本心を代弁するように、『冒険者ギルド』にはない『制度』がある。
Off-Job Training、あるいは就労時間外訓練というものだ。
これは冒険に出かけていない時に、持つスキルのブラッシュアップをしたり、新しい技術を身に着けたりする訓練のことだ。
一部なろう主人公冒険者は誤解しがちだが、冒険者はギルドの職員ではない。ギルドに登録し、仕事を恵んでもらっている日雇い派遣労働者、もう少し好意的に表現してスポット契約のみの下請け業者だ。
無論、お尋ね者でも冒険者登録していれば、衛兵や騎士団に問い詰められてもギルドが守ってくれる作品はそれなりにある。反面、依頼中の死亡でも殉職扱いにはならないし労災も下りない。遺族に報告もしてくれない。そもそもそんな制度もない。
そのような間柄の冒険者に対し、ギルドがスキルアップのための予算を出す必要はあるか? 日本でなら国が支援金を出しているので、スキルアップの機会はあっても、なろう小説の主な舞台、仮称『ナーロッパ』のどこの国でもそんな予算枠は組んでいない。
そもそも、冒険という仕事をしていない時に、訓練のようなつまらないことをしたい奴なんているか?
この疑問を肯定するように、ギルドの人員が冒険者を育てる作品は、まず見かけない。
いや、作中で描写がないだけで、ギルドでも冒険者は育成しているに違いない。
そんな反論が聞こえそうだ。
そうは言っても、だ。
元高ランク冒険者だったギルド長や受付嬢でも、後進の育成に興味を持つ話は稀だ。伝説的な冒険者に弟子入り、となろう主人公が言い出した時に、野次馬根性で顔を見せるのが関の山だ。そしてなろう主人公の実力や才能を目の当たりにし、大声で驚愕の声を上げるヨイショ要員と堕するまでがセットだ。
訓練なり修行なりに到る過程は色々あっても、ほとんどの『冒険者ギルド』の登場する作品において、ギルド職員には冒険者希望の人員の育成に関心がない、とは断言できよう。
金さえ払えば魔法や技能を教えてくれるHT&Tの『冒険者組合』とは大違いだ。Pathfinder Societyでも”The Absalom Initiation”という訓練生の卒業試験シナリオがあった。
ギルドのトップからしてそのような体たらく。
となれば、上昇志向のあるごく一部の冒険者が、ギルド部外者の著名な元冒険者に弟子入りする。あるいは、ランクを上げたなろう主人公が、新入り冒険者を手ずから訓練する。はたまた、冒険者を目指す少年少女たちがギルドの門戸を叩く前に行くのは、冒険者育成の専門学校。しかもそういう学校が臨時教師を要望しても、ギルド職員が教鞭を執ることはなく、現役冒険者が送り込まれる。
こんな作品ばかり見かけるようになるのは当然かもしれない。
「素人は引っ込め。求めるのは即戦力のみ。だけど技量を上げるための面倒なんて見ないから、訓練は自己負担でやれ」
登録する冒険者には良い顔をしていても、所詮は使い捨ての人材でしかない。どうせ仕事をしない時は酒を飲んでくだを巻くしか能のない連中に、訓練代に回す予算が勿体ない。
そういうことなのかもしれない。
忘れてはいけない。
冒険者はギルドに登録して、仕事と報酬をもらう間柄ではあっても、冒険者は決してギルドの職員ではない。誰彼に師事を仰ごうが、訓練だか修行だかで死にかけようが、依頼の途中で死亡しようが、酒場に入り浸って酒漬けになろうが、全ては冒険者の自己責任だ。
ギルドの知ったことではないのだ。
●冒険者は日雇い労働者か個人事業主か
「自分は冒険者だから、指名依頼を出したければギルドを通してくれ」
これと似たような言葉は、名前の売れ始めたなろう主人公が、直接依頼しようとした相手に返す時に使われる。
一見スジを通したまともな対応に見えるが、読む側としては何とも残念な気持ちになる。
ギルドの提示する依頼をこなすだけの日雇い派遣労働者。それが『小説家になろう』の冒険者から受ける印象なのは冒頭で述べた。
なぜそこで、自分または自分らで仕事にしようと考えないのか。
「事の詳細が分からないから、ギルドで調査が終わるのを待つ」
「勝手に動いてギルドからペナルティを課せられたくない」
「独断で動いたらギルドの支援が受けられない」
確かに納得のいきそうな回答ではある。大概の本音が「面倒臭い」であるのを除けば、だが。
今さら言うまでもないことに、冒険者志望でギルドに登録する際に、ギルドでのルールは説明されている。その中に、ギルドを介さずに依頼を受けるのは禁止する、の類の説明がされる作品は、今のところ一度も読んでいない。さらに言ってしまえば、ギルド登録時に契約書なんてものは交わさないし、契約書の控えなんてものが会話の端に浮かぶことすらない。
ありがちなギルドと冒険者の関係をそうやって見てみると、冒険者は数ある下請け業者の個人事業主で、ギルドはいくつも請け負っている事案を丸投げしているだけに見えてしまう。
そんなギルドからすれば、下請けの冒険者が直接仕事を請け負うことを断り、仲介業者を通してくれとやるのは、中抜きのし放題という点では美味しい取引先だろう。
ギルドを間に挟む利点が、中抜きされる欠点よりも大きいというのなら、それはそれでありだ。否定も批判もしない。
でも、支援が受けられなくなると、なろう主人公が懸念する程のものが、駆け出しの頃ならともかく、名の売れた頃になってもギルドは提供できるのか。
少なくとも、名実共に充実してきたなろう主人公に、そこまでこだわらせる利点を示せた冒険者ギルドを書いた作品は、今のところ見かけていない。
と、批判的な意見を書いてはみたけれど。
「やりたい仕事だけをやれる」
これが冒険者の根底にある限り、冒険者がギルドから独立しようとは考えないだろうぐらいの想像はできる。
なろう主人公が日雇い派遣業の下請けから、いっぱしの独立個人事業主になる日は遠そうだ。
●冒険をしない冒険者
ここまで冒険者と冒険者ギルドの蜜月の関係を語ってきたので、前述している疑問に立ち返ることで締めとしたい。
「なんで冒険者?」「なんで冒険者ギルド?」
兄弟よりも実力の劣るなろう主人公なんて、今のところ見かけた試しがない。なのに何でおとなしく腹違いの兄弟に虐げられているのか。力ずくで黙らせろよ。何だったら家ごと乗っ取ってしまうのも選択の一つだ。
辺境の森で魔物相手に腕を磨いた? 森自体を支配しに、もっと奥まで進めよ。自領を宣言したって良い。
家族と故郷の仇が隣国の重鎮としてやって来た。今殺したら国際問題になるから、次の機会を待とう? さっさと首刎ねて敵討ち果たせよ。両国でお尋ね者になって追われようが、冒険者ギルドに登録すれば手出しされないだろ?
こういった疑問に対する答えは、おそらくこのようなものだろう。
「そんなことしたら偉い人たちから目を付けられてしまう。面倒事はお断りだ」
「勇気は無謀とは違う」
確かにもっともな反論だとは思うのだけれど、危険を冒さない『冒険者』って何だ、との反感も抱いてしまう。
しかし危険を冒さず、安全牌を希望する姿勢というのは、なろう主人公の多くが見せる姿勢だ。その安全志向を鑑みれば、国をまたいで権勢を奮う『冒険者ギルド』の扉を叩くのは自然な流れだろう。
そして登録さえしてしまえば、ギルドは偽名でも身元を保証してくれるし、犯罪行為を含む国からの追求からも守ってくれる。依頼でも面倒な事前調査や報告はギルドが受け持ってくれる。
たまに出て来る討伐依頼に登場する盗賊たちは、都合の良いことに『冒険者ギルド』未登録がデフォルトだ。登録していたら助かったのに、と読んでいて考える時も少なくない。
ギルドが守ってくれないのは、依頼の『冒険』時に起きる死傷含む不慮の事故だけだ。
それでも魔物の退治には、依頼に後ろ暗いところのないのを確認してもらえるし、対峙する魔物の強さもあらかじめ判明している。
そこへ冒険者ランクと『ギルドカード』に示される自身のステータスと比較すれば、余程のイレギュラーが発生しない限り、依頼を無難に終えられるだろう。
これを『冒険』と呼べるか?
ここまで『冒険者ギルド』に守られないと仕事のできない冒険者の『冒険』って何だ?
ギルドに上げ膳据え膳してもらって、何で堂々と『冒険者』を名乗れるのか?
答えは不要だろう。
それでも。
『冒険者』という肩書きがあれば一目置かれる世界観で、職場が3Kでも5Kでもその肩書きがほしくてたまらない日雇い派遣労働者のなろう主人公と、その肩書きを与えておんぶに抱っこであやしながら、『依頼』という仕事をあっせんする日雇い労働者派遣業の『冒険者ギルド』。
なかなか良い関係ではなかろうか。