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スパゲッティとサラダ




 梨響と一緒に家に帰った凛香は、玄関まで出迎えに来てくれた珊瑚に梨響に購入してもらったレモンの入浴剤を強引に押し付けた。


「これ。日頃のお礼だから。珊瑚お風呂に入って。俺はお腹減ったから風呂に入る元気がないし」


 疲れたでしょう。ゆっくり入ってさっぱりしてきなよ。

 そう言おうとする珊瑚に先手を打ち、有無を言わさずに風呂場まで押して行った凛香。引き戸を閉めて一安心だと思っていたら、ひょっこり珊瑚が引き戸を開けて顔を出したので、慌てて手を横に動かして通せんぼをした。


「だめだ。珊瑚が入らなきゃ」

「うん。わかった。けどお礼もまだ言えてないし。夕飯の説明もしてないから」


 今日の夕飯はサラダとスパゲッティだけど麺もミートトマトソースも冷めているから、ボールに入っている麺をお皿に移してサランラップをして電子レンジで温めて。鍋に入っているソースはそのまま火に。ううん。ソースも一緒に温めて。ポテトサラダが冷蔵庫に入っているから。あの蓋が赤いタッパーにね。テーブルにゆで卵とトマトとキュウリとレタスのサラダが置いているからそこに盛ってね。


「うん。わかった。珊瑚、ありがとな」

「僕も。ありがとう」


 楽しみだ。

 レモンの入浴剤を大事に抱えてはにかんだ珊瑚を見て、きゅうっと喉が狭まった凛香。うんと小さく頷いて、ゆっくり引き戸を閉める珊瑚を見送り。

 きゅるきゅると鳴る腹の音に負けじと、今通って来た廊下を戻って玄関近くの洗面台で手洗いうがいをして自室に行って着替えねばと、先程よりも力の入った足で軽やかに進むのであった。









(2021.12.24)




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