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よろしくお願いします!
「いやー、今日楽しかったね」
岬が呟いた言葉に、それぞれが賛同していく。
「うんうん、楽しかった!」
「ほんと、意外とね」
「まあ、確かにな」
女子達はともかく、最初はめんどくさそうにしていた男子陣までもがそんな反応を示すのは、驚きだった。
「それじゃあさ、これからも一緒に帰ろうよ!」
鈴音がそんなことを提案した。
それは全員が思っていたことのようで、
「おぉ、いいね」
「そうしよう!」
「いいんじゃないか」
「別にいいよ」
「みんなが言うなら」
二つ返事ですぐに賛成した。
「オッケー! そんじゃみんな、また月曜日ね!」
鈴音はいつもより上機嫌なまま、家に入っていった。
「そんじゃ、俺たちも帰るか」
蒼の言葉で、残った五人もそれぞれ歩き出す。
まあ、そのうち四人は同じ方向なのだが。
「じゃあな、明石」
「おう」
軽く手を振り、一人反対方向へ向かう。
「……どうしてこうなったんだ?」
向こう側へ行った四人の笑い声が聞こえる中、明石裕司は数時間前からのことに、頭を巡らせた。
はじめまして!
いきなりいろんな人の名前が出てきて「誰だよ!」と思ったかもしれません。
あと数話読んで頂ければその疑問はなくなります。
せめてあと2、3話お付き合いください。