「異世界からのSOS。参上、ダイハッシャー!」(45)
第45回を公開します。
ものすごく遅くなってしまい、ほんとうに申し訳ありません。
まさか2週間以上空けてしまっていたとは。。
自分の中での時間進行が変になってて、まだ1週間と少しくらいだと思い込んでました。
ほんと申し訳ありませんです。
そんな今回はお出掛け、な話になってます。
ここにきて初めて王都の名前が出てきたり。。
ほんとはもっと濃厚に書きたかったのですが、これくらいで抑えました。
日常話終盤、楽しんで頂けたら嬉しいです。
(5)
「おお、スゴいんだよ。」
「お店、いっぱいなの。」
城下の商業区画の入り口から街並みを見た ここあ とミラビィーが感嘆の声を上げた。
「”オンモイール”よりも規模は小さいですが、アンピリマの商業区画もなかなかのものですわ。」
2人の反応に気を良くしたアルテェスが自慢げな言葉を発した。
楽しそうに話ながら街に入っていく3人は王城都市アンピリマの城下にある商業区画に来ていた。
朝食の後、ここあ は伯祖母、先代女王に会って、しばらく話をした。
その後、アルテェスが、
「ここあ、その、これから、私と出掛け、ませんか?」
少し顔を赤らめ、ちょっともにょもにょしながら声を掛けてきた。
「ん?どうしたのアルテ、顔赤いんだよ。」
ここあ の突っ込みに、
「べ、別に赤く、なんか、な、くはない、かも、ですわ。。」
アルテェスの言葉が濁った。
「こうゆうのに慣れてないだけですわ。
それで、どうなんですわ!」
アルテェスは真っ赤になり、語気を荒げながら尋ねた。
「ん?一緒に出掛けるの?
うん、いいんだよ。」
ここあ の返事に、
「良かったですわ。」
安堵の声を漏らすアルテェスに、
「それで、何処に行くんだよ?」
ここあ が問い掛けた。
「この前”オンモイール”ではあんな事になってしまったので買い物が出来なかったのですわね。
だから、これから城下の商業区画にラビちゃんと3人で買い物に行くのですわ。」
「そうだったんだよ。
買い物のこと、すっかり忘れてたんだよ。
ラビちゃんの服とか買いたかったから、助かるんだよ。」
「では、決まりですわ。
ラビちゃんを呼びにいきますわ。」
嬉々として歩き出したアルテェスに伴ってミラビィーの所に行き、外出の事を話した。
大喜びで誘いに乗ったミラビィーと3人で城下の商業区画に買い物に出掛けた。
王城都市はこの世界最大の都市なので商業区画もかなり大規模だった。
商業専門の”オンモイール”に比べると、大型魔動機を扱う店がないくらいで、衣食住に関する色々な店が軒を連ねていた。
「それで、なんでアルテは眼鏡してるんだよ?」
ここあ の問い掛けに、
「めがね?ってこれの事ですわ?
ここあ の世界ではそうゆう名前なのですわね。
これは認識改変用の魔道具ですわ。」
アルテェスが答えた。
「認識改変?って、ああ正体を隠す道具なんだよ。」
「その通りですわ。これでも姫ですから、騒ぎになってしまいますわ。
これをしていると顔が違って見えるのですわ。」
「え、そうなんだよ?
私にはアルテの顔に見えるんだよ?」
「あたしもあるねえやにみえるの。」
どうして?とゆう顔で見てくる2人に、
「さっき眼鏡に触れて貰いましたわ。
それで認識改変の効果がなくなるのですわ。」
アルテェスが答えた。
「さっきのはそうゆう事だったんだよ。」
「なの。」
「それでは参りますわ。まずは子供服からですわ。」
3人はまずミラビィーの服を買う為に服屋の集まっている区画を目指した。
「ラビちゃんはどうゆう服が好きなんだよ?」
「う~ん、、ここねえやみたいのがいいの。」
ミラビィーは ここあ とアルテェスの服装を見比べ、少し考えてから答えた。
ここあ はボアモニに来た時に着ていた首回りと腋回りに大きめのフリルが付いたミニ丈フレアの水色のノースリーブワンピに紺色の膝丈レギンスを履いていた。
※レギンス:スパッツの今の呼称。
ふわっとしたショートボブのヘアスタイルと合間って、ちょいかわボーイッシュな感じの雰囲気になっている。
アルテェスはソフトデニム(のような生地)のスリムタイプ・アンクル丈の白いスラックスに濃いめのグレーのタンクトップシャツを着ていた。
肩の少し下くらいまである金髪の髪は ここあ の持っていたシュシュでポニーテールにして、格好いい系になっていた。
身長高めでスタイルの良いアルテェスと比べると、やっぱり ここあ の方が年下に見えてしまう。
服屋区画に着いた3人は店先に飾られた服を見るミラビィーの反応を見ながら入る店を選んだ。
店内に入ると可愛い服が盛り沢山なのを目にした ここあ とアルテェスの着せ替えバトルが勃発した。
「あ、これラビちゃんに似合いそうなんだよ。」
「それより、こっちの方が似合いますわ。」
バカ姉2人がそれぞれ好みの服を選び、ミラビィーのファッションショーが始まった。
「これ、かわいいの~。」
「すごくきれいなの~。」
「なんかすっごいの~。」
「かっこいいの~。」
等々。
2人の持って来る服を楽しそうに着替えるミラビィー。
兎人族の服装はシンプルなものばかりで、こんな可愛い服を着るとゆう事はなかったのでミラビィーのテンションも上がっていた。
結果。
2人が選んだそれぞれ5着づつ、計10着を買う事になった。
張り切り過ぎた3人は近くの露店で飲み物を買い、ベンチで一息付いた。
それから下着、日曜雑貨、食料等々を購入し、お昼に近い時間になっていた。
※大量に購入した物はアルテェスが持ってきていたリュック型の無限収納に入れた。
「そろそろお昼ですわ。
お店を予約しているのですわ。」
そう言ってアルテェスは2人を王族の者がよく利用する庶民派の料理店に案内した。
「いらっしゃいませ。」
メイド風の給仕服を来た少女がにこやかに迎えの挨拶を発した。
その少女に、
「予約しています”フェルゥ”ですわ。」
そう伝えると、少し驚いた表情を見せ、
「こ、こちりゃ、どうじょ。」
噛んだ。
どうやら王族と会話するのは初めてらしく、かなり緊張しているのが感じられた。
3人は店の奥にある個室の1つに通された。
「すぐに、食事を、お持ち、します。」
今度は噛まないように言葉を区切りながら伝え、一礼して戻っていた。
「アルテ、さっきの”フェルゥ”って言うのは何なんだんよ?」
ここあ が先程アルテェスの言った”フェルゥ”が気になった。
「ああ、あれは王族専用の偽名ですわ。
一部、王族と関わりのある者だけが知っているのですわ。
ここはお祖父様の頃から懇意にしているお店で、このように個室もあるので気兼ねなく利用出来るのですわ。」
「それでさっきの給仕さんはめっちゃ緊張してたんだよ。」
「あの方は初めて御目に掛かりましたわ。
新らしく入られた方なのですわね。」
そんな話をしていると、
コンコン
とドアをノックする音がした。
「どうぞですわ。」
アルテェスが返事をするとドアが開いて恰幅の良い男が、
「失礼します。」
と言って入ってきた。
「ラキャドさん、お久しぶりですわ。」
「姫様、お久しぶりでございます。」
「今日はよろしくお願いしますわ。」
「存分に腕を振るわせて頂きます。
それで、そちらの方々は?」
コック長のラキャドはアルテェスが珍しく見掛けた事のない少女たちを伴っているのが気になった。
「紹介しますわ。
こちらはトコート様の孫の ここあ ですわ。」
「はじめまして、トコートの孫の ここあ です。
よろしくお願いします。」
それを聞き驚きの表情を見せ、
「おお、あの勇者様のお孫様でいらっしゃいますか。」
驚嘆の声を上げた。
「それではそちら様は、もしや、、。」
「お察しの通りですわ。
ミラッジノ様の孫のミラビィーですわ。」
「ミラビィーなの。」
「まさか3人の勇者様のお孫様たちがお揃いとは。
それでは直ぐにご用意致します。」
「お願いしますわ。」
コック長は恭しく頭を下げ、部屋を出ていった。
3人が買い物の時の事を話ながら待っていると、
コンコン
ドアがノックされた。
「どうぞですわ。」
アルテェスの返事で先程応対してくれた給仕の少女がカートを押しながら入ってきた。
「お待たせ致しました。」
少し落ち着いたようで、普通に挨拶し、食事をカートからテーブルに移し始めた。
「今日のメニューはどうなってますわ?」
アルテェスが給仕の少女に尋ねた。
食事はランチセットとゆう指示で、いつもシェフに任せていた。
給仕の少女が、
「本日は、
・海鮮丼
・スープパスタ
・エビチリ
・サラダ
になっております。」
必死に覚えたメニューの内容をなんとか突っ掛からずに伝えた。
それを見た ここあ は、
『ウヲコンバンは海鮮丼っぽいんだよ。
ケーベビケシはスープパスタなんだよ。
ヲヅスヨはエビチリなんだよ?なんか海老っぽいのが入ってるんだよ。
キイジはサラダ、でいいんだよ?見た事ない草っぽいのと割いた鶏肉っぽいのが入ってるんだよ。
なんだか和洋中が揃ってて、変な感じなんだよ。』
なんて事を ここあ が考えているとテーブルに全ての食事が並べられた。
一礼し、部屋を出ようとする給仕の少女に、
「次からはノックしたら返事を待たずに入って良いですわ。」
と伝えた。
「かしこまりました。」
答えて給仕の少女は部屋を出ていった。
「さ、いただきますわ。」
アルテェスの宣言で楽しい食事が始まった。
「こうゆうのはお城では食べられないのでどんな味なのか楽しみですわ。」
「へぇ、そうなんだよ。こうゆうのはやっぱり庶民的って言うんだよ?」
「しょみんてき?と言うのかはわかりませんけど、家庭的とは言いますわ。」
「なるほど、家庭的なんだよ。」
「これすごくおいしいの~!」
ミラビィーの美味しそうな顔を見て、2人も食べ始めた。
3人はおしゃべりしながら食を進め、あっとゆう間に食べ終えてしまった。
一息ついた所で、
「私、こんなふうに友達と出掛けて遊ぶのが夢でしたわ。
それが、ついに、、。」
アルテェスが涙を溢しながら言葉を詰まらせた。
そんなアルテェスの傍らに寄り添い、背中を撫でながら、
「なに最後みたいに言ってるんだよ。
これから何度だって出来るんだよ。」
ここあ が声を掛けた。
ミラビィーも、
「あたしもずっといっしょなの。」
声を掛けた。
そんな2人の優しさにさらに涙を溢れさせながら、
「けれど、もし、、。」
そう言い掛けたアルテェスの言葉を、
「そうゆうのは言っちゃだめなんだよ。」
ここあ が遮った。
「鉄騎将倒したら、今度こそ”オンモイール”に行くんだよ、3人で。
ううん、ストゥーリアさんも一緒に4人で、なんだよ。」
「そうね、行きますわ。」
「たのしみなの。」
3人が笑いあっていると、
コンコン
とノックの音がして給仕の少女が、
「デザートをお持ちしました。」
デザートを運んできた。
それをテーブルに並べ出ていくと、3人は余韻を楽しむようにまたおしゃべりを弾ませながら、今度は少しゆっくりと食した。
そして3人の一時の休息の時間が過ぎていった。
如何だったでしょうか?
初めて服装や外見なんかも書いてみました。
いやぁ、考えるの大変でした。
日常話はバトルの時と違う悩みが出てきて、これまた大変だったします。
その分、かなり自己満足してたりします。
楽しんで頂けてたら、めっちゃ嬉しいです。
次回は今長めの休み中なので木曜を目標に頑張ります。
多分、日常話の締めになる、はず。
楽しみにして頂けたら嬉しいです。
よろしくお願い致します。




