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「異世界からのSOS。参上、ダイハッシャー!」(43)

第43回を公開します。

いつもの事で、本当に申し訳ございません。

また1週間以上、空いてしまいました。

気持ちに脳と体が付いてきてくれない。。

せめて週1更新になるよう努力します。

そんな今回は閑話的な話しの続きですが、ちょっとシリアスが入りつつ、あるキーワードも出てきます。

今後の展開に関係するワードですが、王道なやつです。

楽しんで頂けたら嬉しいです。

(3)


「失礼します。」


アルテェスの専属メイド・ツードナが扉の前で退室の挨拶をしながらうやうしくお辞儀じぎし、部屋を出て行った。

テーブルには皮をき、切り分けられた果物が盛り付けられた皿と、カップケーキのようなお菓子が置かれていた。

ティーカップには紅茶のような茶褐色ちゃかっしょくの液体が入れられ、うっすら湯気を立てていた。


アルテェスの部屋にはそのテーブル以外には窓際まどぎわに書き物をする机、壁に大きな本棚が据え付けられ、開き戸の奥はウォークインクローゼットになっており、寝室に繋がる扉があった。


ここあ はクローゼットの中に興味があったが、


「お茶が冷める前食べますわよ。」


アルテェスにうながされ席に着いた。

置かれているケーキを見たミラビィーが、


「これ、きのうとちがうの。」


声を上げた。


「料理長が毎日工夫して色々なデザートを作ってくれますわ。

 わたくしも毎日楽しみなのですわ。」


アルテェスが目をキラキラさせてケーキを見つめながら説明した。

見た目は少し大きめのカップケーキで、生クリームがデコレートされている。


「それじゃ、」

「「「いただきます!」」」


声をそろえて食前の挨拶あいさつをし、スプーンを手に取った。

まずは上部をすくい取り、口に運ぶ。

普通のカップケーキの生地よりふんわりしていて、生クリームと混ざり合ってほどよい甘味さが口の中に広がった。

食べ進めると、途中から生地の中にプリンが隠れていた。

新たな食感とキャラメルを混ぜ込んだプリンのほろ苦さで舌が幸せ気分になった。

3人はおしゃべりする間もなく食べ尽くした。


2つ目に手を出した所でアルテェスが ここあ に、


「それで、アニメって何なのですわ?」


さっき聞いた謎の言葉についてたずねた。


「あれ?アルテも昔、一緒に観たはずなんだよ。

 覚えてないんだよ?」


そう言われ、アルテェスは昔の事を思い返した。

ここあ と一緒だったのは約10年前のトコート邸の時だけ。

その時、何をしていたのか?


「もしかして、あの”動く絵”の事なのですわ?」


該当がいとうしそうなものを思い出した。


「そう、それなんだよ。

 って、あれ?こっちの世界(ボアモニ)ってそうゆうの無いんだよ?」

「そうゆうの、ってその”アニメ”のようなものって事ですわよね?

 ありませんわ。

 戦闘や演劇などの映像記録ならありますわ。」


異世界ボアモニでは映像を記録するビデオカメラは存在しているが、アニメ製作の技術は先駆者せんくしゃから伝えられてはいなかった。

なので娯楽的なものは舞台演劇がおもで、記録した映像も多く出回っていた。

あとは”読書”や”歌を聴く”くらいしかなかった。


「そうゆうのは地球あっちの方が多様なんだよ。。」


そんな ここあ のつぶやきを聞き流し、


「その”アニメ”に何があるのですわ?」


アルテェスがたずねた。


「その”アニメ”は、おじいちゃんが50年前の事を書いた小説を元に作られてるんだよ。

 それを観れば50年前の戦いの事が全部(わか)るんだよ。

 私も最後に観たのが5年くらい前でちゃんと覚えてないんだけど、その中にあったんだよ。」

「何が、ですわ?」

「レベル上げの修行が出来る場所、なんだよ。」


ここあ の言葉でアルテェスも、


「それって、”修練塔プラクティスタワー”の事ですわ。

 わたくしもお祖父様じいさまから聞いた事がありますわ。」


祖父から聞かされていた事を思い出した。


「そんな名前だったんだよ。

 そこに行って修行しようと思ってるんだよ。」


ここあ が決意の宿やどった視線を向けながらげた。


鉄騎将テメッタルと戦って、自分が未熟だってわかったんだよ。

 だから次に会うまでに少しでも強くなりたいんだよ。」


ここあ の決意に、


「どうして、なのですわ?

 ここあ が力を貸してくれるのはとてもありがたいですわ。

 けれど、ボアモニ(ここ)はあなたにとっては異世界ですわ。

 何故、そこまでしてくれるのですわ?」


アルテェスがいろいろな感情がい交ぜになったような表情で問い掛けた。


「守りたいんだよ!」


「え?」


さらに複雑な表情を見せるアルテェスに、


「心の底からそんな思いが沸き上がってくるんだよ。

 ボアモニ(ここ)に来て間もないのに変だって思うかもしれないんだよ。

 でもアルテの、ラビちゃんの住むこの世界(ボアモニ)を、おじいちゃんが守ったように私も守りたいんだよ。

 これはもう理屈りくつじゃないんだよ。」


ここあ が思いを熱く語った。

そんな思いに、


「ありがとう、ですわ、ここあ。」


アルテェスが涙を流しながら、満面の笑顔でお礼の気持ちを伝えた。


「あはは、なんか熱く語っちゃったんだよ。。」


ここあ が苦笑にがわらいながら照れていると、


ゴン!


とゆう音の後、


「いたい、のぉぉ。。」


涙目のミラビィーがおでこをさすっていた。

デザートを食べながら2人の話を聞いていたが、いつの間にか寝落ちていたようで、おでこがテーブルと友達になったようだ。


「あああ、ごめんなんだよぉ。」


慌ててミラビィーの側に行った ここあ はおでこをでながら、


「話し長くなっちゃってごめんなんだよ。

 おやすみするんだよ。」


そう言うとミラビィーを立たせた。


「ここで寝るといいですわ。」


言いながら立ち上がったアルテェスは移動し、寝室の扉を開いた。

そこには3人でも十分寝られるキングサイズのベットが置かれていた。


むにゅむにゅしているミラビィーをベッドに寝かせると、


わたくしたちはお風呂に入りますわよ。」


アルテェスが声を掛けた。


「お城のお風呂、気になるんだよ。」


ここあ が目をキラキラさせながら返した。


「そんなに大したものではありませんわ。」

「いやいや、そんな事あるんだよ。

 きっとでっかいんだよ。」

「そうですわね。

 たしかに広いとは思いますわ。」

「だよだよ。

 楽しみなんだよ。」


そんな事を言い合いながら浴場に向かった。


それから。。


長湯し過ぎてのぼせかけた、のはないしょの話し。

それからミラビィーをはさんで、3人で川の字の状態になった。

ここあ とアルテェスは寝転んでからも話をしていたが、いつしかどちらともなく眠りについていた。

如何だったでしょうか?

先に書いておきますが、そこでの詳しい内容は今回の話では深く書きません。

ここの事は別の話しの時にまて出てくるので、その時に詳しく書く予定です。

そして次回は、まだ続く日常回。

アルテェスの提案で。。

次回は、出来るだけ早く更新出来るよう頑張ります。

なんとか土、日には。。

楽しみにして頂けたら嬉しいです。

よろしくお願い致します。

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