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「異世界からのSOS。参上、ダイハッシャー!」(40)

第40回を公開します。

今回は何とか1週間ちょい過ぎで公開出来ました。

お待ち頂いていた方々には、申し訳ありませんでした。

もう少し早く公開出来るよう善処致します。

そんな今回は繋ぎ回になってます。

ストゥーリア側の終盤から新章へ。

また ここあ側に戻ります。

ついに ここあ が!?

楽しんで頂けたら嬉しいです。

(9)


「ふぅ。

 終わったか。」


鉄騎獣を全滅させたストゥーリアは一息吐ひといきつくと、胸部を前に移動スライドさせバイクロボ(フォレスブレイク)から、


ふわっ


と優雅に飛び降りた。

バイクロボ(フォレスブレイク)は脚部の修復を始めていた。


「まさか、これ程の被害を与えてしまうなんて。。

 わたくしとした事が、とんだ失態です。

 やはり50年のブランクは大きかった、とう事でしょう。

 少し”勘”を戻さないとなりませんね。」


ストゥーリアはひとりちながら、少し気落ちしていた。

今回の戦闘でのバイクロボ(フォレスブレイク)の脚部損壊は想定外だった。

50年前(あの頃)のストゥーリアなら、軽度の損傷はままあったが、ここまで大きく損傷させる事はなかった。


「さて、これからどうしましょうか?」


つぶやきを漏らしつつ、今後の事を考えていたストゥーリアに多数の鳥たちが近づいてきた。

そのうちの1羽が肩に止まり、チチチと話しかけた。


「そうなのですね。」


鳥の報告に表情を曇らせた。

他の鳥たちも口々に同じ報告を伝えてくる。

どうやら鉄騎獣たちが都市部に侵攻を始めたようだ。

ならば、とストゥーリアが考えていると、


「ストゥーリア様、お疲れ様っす。」

「お疲れ様でした。」


ブンとムンがねぎらいの言葉を掛けながら近付いて来た。


「少しこわしてしまいました。

 やはり人型の空中での姿勢制御は簡単ではないですね。」


ストゥーリアがバイクロボ(フォレスブレイク)を見上げながら、不甲斐なさを口にした。

その言葉で自分が弱気になっていると気付き、言葉を掛けようとしたブンを遮るように、


「こんな事を口するなんて、なって無いですね。」


言葉を継いだ。


『これでは先代勇者(かれら)にまた半人前扱いされてしまいますね。

 今はわたくしだけなのですから、しっかりしなければ。』


勇者としての自覚を胸に刻み付けたストゥーリアは、


「ブン、わたしは修復が終わり次第ここを離れます。

 鉄騎獣たちが各都市への侵攻を始めたようなのです。」


ブン達に鳥からの情報を、そして出立の意志を伝えた。


「それじゃ、しばらく荒れそうっすね。

 お一人で大丈夫っすか?」


心配そうに問い掛けるブンに、


相棒フォレスブレイクも強化されましたし、ムンからお借りした頭部武装ヘルメットもありますので。

 心配には及びませんよ。」


優しい微笑みと言葉を返した。

それ以上何も言えず、ちからにもなれないと感じたブンは、


「解りましたっす。

 もし不具合とかあったら直ぐ来て下さいっす。

 それじゃ、お気を付けてっす。」


それだけ伝え、頭を下げた。

ムンも頭を下げる。

そんな2人に、


「頼りにしていますよ、ブン、ムン。

 色々、お世話様でした。」


言葉を掛けているうちに修復が終わっていた。


「修復が終わったようですね。

 後の処理は任せます。

 それでは行きますね。」


小さく手を振ってからバイクロボ(フォレスブレイク)の方に向きを変え背を向けたストゥーリアにもう1度頭を下げた2人は街の方へと戻って行った。


車両変形ビークルチェンジ。」


バイクロボ(フォレスブレイク)変形指示コマンドを出してバイク型に変形させた。

バイク(フォレスブレイク)のシートにまたがり、


「こっから1番(ちけ)えのは"ナーコン"か。

 んじゃ、行くとすっか。」


ひとりちると、


ヒィィィィィィィィィィン!


と高らかに魔動エンジン音を響かせ、イダーエを後にした。


ー第6章ー


(1)


ここあ は夢を見ていた。

それは10数年前。

初めて異世界ボアモニに連れて行かれた日。

祖父トコートの家(この時は別荘と教えられていた)で3人は出会った。


「えっと、あたしは ここあ なんだよ。」

わたくしはアルテェスですわ。」

「みらびぃー、なの。」


初対面で互いに名乗り合い、


「ミラビィーちゃん、お耳かわいい。

 "アルテェしゅ"ちゃん、なんか偉そう。。」

「そ、そんな事ありませんわよ。

 ってゆうか、んでますわ。」

「だって"アルテェ、ス"って言いにくんだよ。」

「仕方ありませんわね、アルちゃんでいいですわ。

 わたくしはここちゃんと呼びますわ。」

「それじゃ、アルちゃん、よろしくなんだよ。」

「こちらこそですわ、ここちゃん。」

「ミラビィーちゃんはぁ、、ラビちゃん、だよ。」

「ラビちゃん、良いですわね。」

「ここねぇや、あるねぇや、なの。」

「あああ、ラビちゃん、可愛いいんだよぉ。」

「ほんとですわ、ほんとですわ。」


2人に抱きつかれ、ちょっと苦しそうながらも、そんな距離感にミラビィーは心地良ここちよさを感じていた。


友達と言える存在の居なかったアルテェスとミラビィーにとって、ここあ は初めて出来た友達だった。

ここあ はアルテェスやミラビィーの事情を知らなかったので自然体で付き合ってくれた。

それが2人には、とてつもなく嬉しい事だった。

それから3日間、3人は掛け替えのない日々を過ごした。


なつかしいんだよ。。』


その時の事に思いをせていた ここあ が目を覚ました。

見知らぬ、天蓋てんがい

柔らかなベッド?


ガバッ


と起き上がる。


「ここ、何処どこなんだよ?」


周りを見回すと、金髪の少女と目が合った。

知らないのはずなのに、懐かしさが感じられる。


「あなたはア、、。」


たずねようとした言葉がさえぎられ、


「ここちゃん、やっと目を覚ましましたわね。」


優しい笑顔で声を掛けられた。


「アルちゃん、なんだよ?」


たずねてくる ここあ に、


「そうですわ、ここちゃん。

 久しぶり、です、、わ。」


感情が抑えきれず、声を詰まらせ、涙を流しながら、アルテェスは ここあ を優しく抱きしめた。

如何だったでしょうか?

ストゥーリア側の締め、そして新章へ。

やっと2人を会わせられました。

次回はどんな事が起こるのか?

楽しみにして頂けたら嬉しいです。

なんとか早めに公開したいと思ってます。

よろしくお願い致します。

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