「異世界からのSOS。参上、ダイハッシャー!」(38)
第38回を公開します。
また、遅れてしまいました。
やっぱ本業がキツいといきは脳が働かない。。
お待ち頂いていた方々にはほんと申し訳ありません。
少しでも早く公開出来るよう善処します。
そんな今回はストゥーリアの戦闘中盤戦です。
が、今回はあまり動いてない、かも。。
なのですが、楽しんで頂けたら嬉しいです。
(6)
「親方、手伝います!」
ムンが声を掛けながら慌ただしく工房に入って来た。
「助かるっす。
それで、ストゥーリア様は行ったんすか?」
ブンの問い掛けに、
「はい、行かれました。
けれど、あれは、、。」
答え、伝えようとしたムンの言葉を遮り、
「未完成なのは知ってるっす。
だから、急いでるんっすよ。
それじゃ、変形機能の状態確認を頼むっす。」
ブンが発破を掛けた。
「はい!」
ムンは力強く返事し、調整機の前に座った。
表示されている情報を読み取り、
「右腕部の値がコンマ3下です。
左脚部はコンマ6上です。」
調整が必要な部分の数値を伝えた。
それを聞いたブンが正常値になるよう調整する。
そんなやり取りを何度か繰り返し、
「OKです。
全て正常値になりました。」
ムンが安堵の混じった声で伝えた。
「予定より早く終わったっす。
助かったっすよ。
それじゃ、急いでストゥーリア様に届けるっす。」
ブンの指示で2人でバイクを店の外に出した。
外に出ると、防御壁の向こうに居るストゥーリアの着装が霧散していくのが見えた。
「ギリギリ間に合ったっすね。
急ぐっすよ。」
「はい。」
2人は急いで防御壁に近付くと、
「ストゥーリア様、お待たせしたっす!」
ブンが大声でストゥーリアに声を掛けた。
その声に気付いたストゥーリアが一瞬こっちを見て「ありがとう」を小さな頭の動きで示した。
その直後、
ヒィィィィィィィィィィン!
と甲高い魔動エンジンの音が響き出した。
ストゥーリアの遠隔操作で咆哮を上げたバイクが走り出し、防御壁を抜けて行った。
(7)
低空を飛び、小型鉄騎獣に突っ込んで行ったストゥーリアは違和感を感じた。
『数、少なくねぇか?』
ムンの報告では小型は20体だと言っていたはずだ。
けれど眼前には10体しか居なかった。
防衛隊の隊員たちが倒してくれたのか?
とも思ったが、先程見た様子ではそれはあり得ない。
何か嫌な予感がする。
その時、上空から魔獣型を殴り落とした時に目の端に写った映像の違和感を思い出した。
「やべぇ!」
悔やみの言葉を発し、慌てて空を見上げると10体のペンギン型が鬼糸巻鱏型の背中から降下してくるのが見えた。
風に乗り縦横無尽に滑空しながら10体のペンギン型がストゥーリアに迫ってきていた。
ヒュン!
ヒュン!
ヒュン!
と風を切り襲いかかって来るペンギン型を、
「旋風防壁!」
体の周りに旋風を起こして防御した。
近付いて来ていたペンギン型が旋風に巻き込まれていく。
そこに、
「風斬!」
風の刃を巻き込ませた。
ペンギン型3体が風の刃に斬られ、落ちて行く。
その時、頭上から、
キキッ!
キキッ!
キキッ!
キキッ!
キキッ!
猿型が5体、声を上げながら襲って来た。
旋風の中心が無風な事を知っている、と思われる攻撃に、
「こいつら50年前より頭が良くなってやがる。」
悪態を口にしながら、5体の猿型を殴り飛ばしていく。
そんなストゥーリアの拳を最小限のダメージになるように猿型たちは両腕をクロスして防御していた。
けれど勢いは抑えきれず、吹っ飛ばされ旋風に巻き込まれて行く。
巻き込んだペンギン型と猿型に攻撃を加えようとした時、旋風防壁の効力が切れた。
風に翻弄されていたペンギン型と猿型が、
ドサドサ!
と音を立て地面に落下したが、ダメージは小さかったようで怒りの目をストゥーリアに向けながら攻撃体制を整え出した。
その時、
ピピッ!
とゆう音がした。
と同時に眼防護に赤く60と表示され、59、58とカウントダウンしていく。
『あと1分、って事か。
こりゃ、かなり厳しいな。』
現状、
【小型】
・猿型:5体
・ペンギン型:7体
・剣歯虎型:2体
・巨大蠍型:3体
【大型】
・鯨型1体
・鬼糸巻鱏型1体
・巨大猿型3体
・巨大鰐型2体
の計24体が残っていた。
「きっちぃぜ。。」
呟くストゥーリアの頬を1筋の汗が流れた。
「出来るだけ魔力を温存しときたかったけど、しゃぁねぇ、な!」
言いながらもう1度飛び上がり、上空に止まった。
そして、
「マレキサレシネキソ!」
自身の広域殲滅魔法「氷棘投下」を放った。
両腕を左右に振り広げると、キラキラと氷の粒が舞い、それが五寸釘くらいの氷の棘になり、地上に降り注がれた。
その時、鬼糸巻鱏型が動き、降り注ぐ氷棘をその身で受け止めた。
20メートル近い巨体が降り注ぐ氷棘の大半を受け止めた。
大量の氷棘が刺さったがダメージはそれ程大きくなかったようで、悠然と空を飛んでいる。
だが、受け止め切れなかった氷棘が猿型5体とペンギン型7体を倒していた。
「ちっ、それだけかよ!」
ストゥーリアは舌打ちし、悪態を吐きながら一旦地上に下りた。
既にカウントは残り10秒になっていた。
カウントダウンが進み、時間切れと共に”戦闘武装着”が粒子に戻り、霧散した。
「ここまで、ですか。
あまり数を減らせませんでしたね。
さて、どうしましょうか?」
表情を曇らせ、思案し始めたストゥーリアの耳に、
「ストゥーリア様、お待たせしたっす!」
ブンの叫び声が届いた。
如何だったでしょうか?
次回のロボバトルに向けての軽めのバトルって感じで。
楽しんで頂けましたでしょうか?
次回はついにフォレスブレイクの限定解除。
熱いロボバトル、を書けるよう頑張ります。
楽しみにして頂けると嬉しいです。
水曜には更新したい、です。
頑張ります。




