「異世界からのSOS。参上、ダイハッシャー!」(27)
第27回を公開します。
予定より1週間以上遅れてしまいました。
申し訳ありません。
考えている事が上手く文章化出来なかったのと本業の疲れとで大幅に遅れてしまいました。
色々ままならないです。。
そんな今回は対大型鉄騎獣戦の序盤です。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
(15)
『うん、良い感じなんだよ。
これなら鉄騎将なんかに負けないんだよ。』
ここあ は”抜刀奥義”で鉄騎獣6体を瞬殺出来た事で少し増長していた。
だが、それが”焦り”からの”余裕の無さ”である事に気付いていなかった。
ここあ 本来の力であれば”抜刀奥義”を使わずとも瞬殺出来たからだ。
相手の力量を考慮せず、過剰な攻撃で有利に立った。
それが”慢心”である事に気付けない程、気持ちだけが先走っていたのだ。
「小娘、なかなかやるじゃねぇか。
なら、大型鉄騎獣はどうだ?」
そう言いって、鉄騎将は大型の鉄騎獣(猛牛型3体、古代海亀型3体、マンモス型3体、ケルベロス型1体)10体をけしかける。
※海生生物ベースの鉄騎獣は地上でも活動が出来て、地上から2〜3メートルくらいの高さを泳いでいるかのように浮遊し、移動する。
「飛んでるカメって、なんかガ○ラっぽいんだよ。。」
そんな呟きを漏らしつつ、
「しゅうくん、ラビちゃんを入り口の大きな木の所で降ろして、バトルモードで戻って来るんだよ。
ラビちゃんは隠れてるんだよ。
でも、また空から来たらお願いなんだよ。」
小声で伝えた。
車内のミラビィーとAIにイヤホンマイクを通して ここあ の言葉が伝わる。
『リョウカイ、シマシタ。』
『わかったの。』
2つの返事がイヤホンから聞こえるや、車が突然、走り出した。
「なんだ?」
車が突然走り出した事で鉄騎将は戸惑いの言葉を漏らし、気勢を殺がれた鉄騎獣たちの動きが止まった。
入り口の大木の所まで走って行った車は助手席側が見えないように停車してミラビィーを降ろした。
そしてUターンして戻りながら”バトルハッシャー”に変形し、ここあ の左横に止まってしゃがみ込んだ。
背中のハッチが後方に開いて、シートが出てくる。
「その大型鉄騎獣も、直ぐに片付けちゃうんだよ。
でもって、テメッタルも倒しちゃうんだよ。」
ここあ は右手の人差し指を鉄騎将に突き付けて高らかに宣言した。
目にメラメラと燃える炎が見えるかのような眼力で睨みつけると、AIが足場になるよう配置した右手を踏み台にして軽やかにシートに滑り込んだ。
ここあ がシートに収まると同時に背中のハッチが閉じる。
操縦桿を握り、ペダルに微妙な力加減で負荷を掛けて、車ロボを立ち上がらせると、
「バトルハッシャー、スターティング!」
決めポーズと決め台詞をぶちかました。
『コノジョウキョウデモ、ソレハヤルノデスネ。
ソウイエバ、トコートサマモ、マイカイヤッテマシタネ。。』
AIが呆れ気味に聞こえる電子音声を発した。
そんなのは気にしないって感じで、
「当然なんだよ。
これは戦闘開始の儀式なんだよ!」
ここあ が鼻息荒く言い切った。
「マァ、ヨイノデスガ。。」
AIがやれやれ、とゆう雰囲気の電子音声を漏らした。
車ロボの変なポーズを見ていた鉄騎将は、
「そういやぁ、トコートもやってたな、それ。
スキだらけのこの動きに何の意味があるんだか。。」
呆れつつ、”行け!”と脳波で鉄騎獣に指示を出した。
「テキ、セッキン!」
鉄騎獣の動きを察知したAIの電子音声が響いた。
その電子音声に反応して ここあ が鉄騎獣に意識を向けようとした時、
ガン!
ガン!
ガン!
頭部に正面、右斜め後ろ、左斜め前の順に強い衝撃を受け、車体が激しく揺らされた。
っつぅ!
衝撃で呻き声が漏れた。
何とか建て直そうとするが絶え間なく衝撃が続いている。
正面のモニターに目を向けると鉄騎獣が突っ込んでくるのが見えた。
鉄騎獣は車ロボを倒さないように3方向から交代で体当たりしてきていた。
『カメ、速すぎ、なんだよ。』
予想外の素早さで体当たりしてくる鉄騎獣の衝撃に歯を食い縛って耐えている ここあ に、
「バッファロータイプ、マンモスタイプガ、ホウイスルヨウニ、ウゴイテイマス。」
AIが状況を報告した。
『このカメ、時間稼ぎって事、なんだよ。
移動しなきゃ、なんだよ。』
このままでは不利な状況になると判断した ここあ は、
「車輪移動!」
脚部の車輪を下ろし、高速移動モードにすると、鉄騎獣の正面からの衝撃を利用して一気に下がった。
「ココア、イリグチニチカヅクト、ミラビィーサマガ、キケンデス。
バリアヲ、セニスレバ、ユウリニナリマス。」
AIの的確な指示に、
「わかったんだよ。」
返事し、鉄騎獣の追撃を交わしながら防御壁の前に移動し、
「ホイールシールド!」
左腕の車輪から光の盾を展開し、防御の体制を整えた。
そして3体の鉄騎獣が正面から飛んでくるのを、
「ホイールカッター!」
右腕の車輪から丸く広がった光の魔力が薄く丸い鋸の形になり、回りだした車輪の回転に合わせて、鋸が高速で回転する。
その鋸を腕を振る勢いで飛ばした。
腕から離れた鋸は魔力の鎖で繋がっていて、腕を動かす事で自在に操れる。
ここあ は1番前を飛んでいた鉄騎獣を縦向きにした鋸で下から斬り上げた。
鋸は鉄騎獣の胴体を縦に真っ二つに斬り裂いたが甲羅は斬れず、鋸が刺さったままの状態になった。
のを利用して、近づいて来ていた鉄騎獣目掛けて振り回した。
避けきれずに接触し、勢いで鋸から外れた鉄騎獣と一緒になって地面に落ちて転がっていった。
ここあ は残った鉄騎獣目掛けて鋸を飛ばしたが、角度が悪く甲羅に弾かれてしまった。
一旦鋸を引き戻す。
その頃には鉄騎獣3体と鉄騎獣3体が半円状に包囲するように正面からじりじりと迫って来ていた。
そんな鉄騎獣たちを見据えながら、ゆっくりと1回深呼吸してから、
「それじゃ、仕切り直しなんだよ。
ここからが本番なんだよ。」
気合いを入れ直し、包囲網を破るべく正面の鉄騎獣に突っ込んで行った。
如何だったでしょうか?
まだまだ戦闘描写が上手く表現出来ていないなぁ。。
と思ったりしてます。
もっと表現の幅を広げられるよう頑張らねば。
次回は木~金曜に公開します。
多分、きっと大丈夫、のはず。
頑張りますので楽しみにして頂けたらと思います。
よろしくお願い致します。




