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「異世界からのSOS。参上、ダイハッシャー!」(25)

第25回を公開します。

何とか1日遅れで公開出来た。

金曜が休みだと書き進め難いんやな、と。

なんとかギリ1日遅れって事で。

ついに、ここあが、な今回。

楽しんで頂けたら嬉しいです。

(11)


ウウーーー!!!


商業都市”オンモイール”に突然、緊急事態を伝えるサイレンが鳴り響いた。

と、同時に街全体を覆うドーム状の防御壁バリアが発生した。


「何事だ!」


普段は"オンモイール"の巡回警備をしている、都市防衛隊シティガード(鉄騎城復活に際し大中規模都市を防衛する為に作られた魔法師集団)の隊長が声を荒げ、椅子を跳ね飛ばしながら立ち上がった。


「敵襲です。

 南門サウスゲートから鉄騎獣が多数襲来。

 防御壁バリア展開済。

 隊長とおぼしき者も居るとの事です。」


南門サウスゲートの監視員から受けた報告を隊員が伝えてきた。


「ついに、来たのか。。」


封印の効力が弱まり、鉄騎獣が復活し始めた。

そうゆう情報が入ってきていて、覚悟はしていた。

が、隊長とて鉄騎獣との交戦は初めてなので、恐怖感と緊張感で表情が強張こわばっていた。


けれど都市防衛を任されている以上、逃げ出す事は出来ない。

隊長は意を決すると、


「待機中の全隊員に通達。

 南門サウスゲートに現れた鉄騎獣を殲滅する。

 武装し、ただちに急行せよ。」


隊員に指示を出した。

指示を受けた隊員は聞いた内容をそのまま全館放送で伝えた。


隊長は自身の武装品ロッカーを開き、武装具を着装した。

どうやら敵には隊長、すなわち鉄騎将が居る。

まず勝てないだろう。

ならば、せめて"オンモイール(ここ)"に居る人々をにがさなければ。

そう決意し、決死の覚悟で南門サウスゲートおもむこうとした時、


「隊長、緊急連絡。

 アルテェス姫様からです。」


通信担当の隊員が声を掛けてきた。

差し出された魔動電話マジカフォンを受け取ると、


「替わりました。

 ちょっと取り込んでいますので手短にお願いします。」


少し苛立ち混じりの焦り声で応対した。


『状況は解っていますわ。

 鉄騎将と鉄騎獣ですわね。

 今、そちらに向かっていますわ。

 わたくしより先にトコート様の孫が着くので援護をお願いしますわ。』


その連絡で状況が変わったのを感じた。

アルテェスだけでなく、勇者トコートの孫も来る。

これで戦力はかなり増強される。


「了解しました。」


隊長の力の籠もった返答に、


まかせましたわ。』


簡潔に答え通話が途切れた。

この状況ならば自分達は守りを固め時間を稼げば良い。

それならば何とか出来るだろう。

負担が軽減した事で少し気持ちが楽になった。


「俺は南門サウスゲートに向かう。

 何かあったら連絡してくれ。」


そう言い残し、指令所を後にした。


(12)


「うう、なかなか進めないんだよ。。」


急ぎ”オンモイール”へと向かおうとしたハッシャーは街の近くで渋滞に巻き込まれていた。

”オンモイール”へ向かう方の道は少しづつしか動かず、反対の道は急いで遠ざかろうとしているようだった。


道路には車線を隔てるように中央に木々が植えられていて車線をまたぐ事が出来ないようになっている。

なので”オンモイール”で起きている爆発を見て、街の手前の木々の切れ目の所でUターンしているようだった。

少しづつしか進めない状況に苛立っていると、


「ねえや、かお、こわいの。。」


ミラビィーが悲しそうな声で呟いた。


『ああ、またやっちゃったんだよ。

 こんなだから未熟とか言われちゃうんだよ。』


ここあ は1度深呼吸をして気持ちを落ち着かせると、


「ラビちゃん、ごめんなんだよ。

 ちょっとあせっちゃってたんだよ。」


柔和にゅうわな表情を見せながら声を掛けた。

そんな ここあ の微笑ほほえみに安心したようで、


「じいやがいってたの。

 こわいかおしてると、からだがかたくなるの。」


昔、祖父から言われた言葉を口にした。


「あれ、その言葉って、、たしかおじいちゃんから同じような事を言われた気が。。」


ここあ がつぶやいているうちに前の車が残り1台になっており、その車もUターンを始めていた。

ここあ は門のように見える他の木々より高さのある2本の大木の間から街の中を目にした。

街中を複数の鉄騎獣がうろうろしながら、次々と防御壁バリヤに攻撃を仕掛けていた。

その時、1体のライオン鉄騎獣が防御壁バリアに体当たりし、爆散ばくさんした。

その衝撃で防御壁バリアが一瞬明滅(めいめつ)した。


同じ様にもう1体のライオン鉄騎獣が防御壁バリアに体当たりして爆散ばくさんした。

衝撃でさっきより明滅めいめつが激しくなる。

どうやら防御壁バリアの消耗が狙いのようだ。


その時、前の車が居なくなり、道が開けた。


「行くんだよ〜!」


ここあ はアクセルを踏み込み、猛スピードで"オンモイール"に突っ込んで行った。

街に入った瞬間にブレーキを踏みつけ、ハンドルを素早く左右に切ると、


キキーーーッ!


甲高いブレーキ音を響かせ、車体を横滑り(サイドスライド)させる。

勢いが止まるまでの間に2体のトラ鉄騎獣が跳ね飛ばされた。

そして運転席側を鉄騎将テメッタルに見せ付けるようにして停車した。

ハッシャーを目にして、


トコート(じじぃ)、久しぶりじゃねぇか。

 まだ生きてやがったのか。

 降りて顔見せたらどうだ。」


鉄騎将テメッタルは挑発めかした言葉を投げ掛けた。


その挑発を"受けた"とわんばかりに、ハッシャーの運転席側のドアがゆっくりと開き、ここあ が姿を現した。


「鉄騎将テメッタル、初めまして、なんだよ。」


ここあ は"ニヤリ"と不敵な笑みを浮かべながら、鉄騎将テメッタルに声を掛けた。


「小娘、だと。

 てめぇ、何者なにもんだ。」


いぶかしみながらも、横柄おうへいな物言いの鉄騎将テメッタルに、


あたしはトコートの孫、ここあ。

 あなたを倒すんだよ!」


ここあ の宣言が響き渡った。

如何だったでしょうか?

今回からバトル予定でしたが、開戦前までになってしまいました。

対峙したここあとテメッタル。

次回は、バトルです。

そんな次回は水曜公開予定です。

楽しみにして頂けたら嬉しいです。

よろしくお願い致します。

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