「異世界からのSOS。参上、ダイハッシャー!」(24)
第24回を公開します。
また1日遅れてしまいました。
なかなか予定通りに公開出来ず申し訳ありません。
今回は嵐の前の日常な感じです。
会話多めですが、二組の空気感の違いを感じて頂けたらと思います。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
(8)
ここあ とミラビィーは車に乗ると、
「それじゃ、出発なんだよ〜!」
「しゅっぱつ、なの〜!」
テンション高く言葉を掛け合った。
ここあ は車を玄関前から異世界 に来た時に使った道を戻る方向に向かって少し走ってから停車し、シフトレバーを"パーキング"に入れてからサイドブレーキを掛けた。
この辺りにはトコートの家しかなく、向かって来る車や人は居ないので転移門を開くのに障害はなかった。
ここあ はナビのパネルを操作し、転移門の一覧を表示させた。
そして"オンモイール"の側の転移門を選択しようとして、
「しゅうくん、”オンモイール”の所の転移門が選択出来ないようになってるんだよ。」
選択不可状態になっているのに気付いた。
「ダレカガ、シヨウシテイルゲートハ、シバラクツカエナクナリマス。
フクスウガ、オナジゲートヲツカウト、デグチデジコニ、ナルノデ。」
「なるほど、たしかにそうなんだよ。
それじゃ、どうするんだよ?」
「シヨウチュウノゲートハ、カイホウサレルマデ、スコシジカンガ、カカリマス。
コノマママツカ、チカクニアル、ベツノゲートカラ、ドウロヲツカッテ、イドウスルカ、ニナリマス。」
「なら、せっかくだし車でドライブしたいんだよ。
最寄りの転移門はどこになるんだよ?」
「”ナーコン”ガ、”オンモイール”ノ、イチバンチカクデス。
イドウジカンハ、20プンテイド、デス。」
「じゃ、そこにするんだよ。」
ここあ は一覧から”ナーコン”の側の転移門が使用出来るか確認した。
選択可だったのでクリックすると、ヘッドライトが点灯し、数メートル前方に魔方陣が描かれ、転移門が出現した。
「なんかでたの!?」
出現した転移門を見て、ミラビィーが驚きの声を上げた。
「あの門を通ると遠い所にも直ぐに行けるんだよ。」
ここあ の説明に、
「すごいの~!」
ミラビィーが少し興奮気味に答えた。
「それじゃ、行っくよ~!」
「いっくの~!」
2人のハイテンションな声が重なる。
ここあ はシフトレバーを”ドライブ”に入れ、サイドブレーキを外して、アクセルを軽く踏み込んだ。
魔動エンジンが甲高い駆動音を響かせ、車は少しづつスピードを上げながら転移門へと突入して行った。
(9)
「準備は出来ていますわね?」
駐車場についたアルテェスは自身の専用車の運転手・リチェオに声を掛けた。
「整っております。」
2ヶ月前に父から引き継いでアルテェスの専属運転手になった青年、リチェオが緊張気味に返答した。
引き継いでから今回が3回目の送迎で、未だ不馴れではあるものの運転技術は優れているので、アルテェスから高い信頼を得ていた。
「ドクターが来たら”オンモイール”に向かうので、転移門の準備を頼みますわ。」
「了解致しました。」
たどたどしく返事した運転手がナビに転移門の一覧を表示していると、
「姫様、何事ですかな?」
城の専属医・リカラワーフが声を掛けてきた。
随伴してきた看護師長のネモドーレが軽く会釈をしている。
「緊急事態なのですわ。
早急に”オンモイール”に、、。」
「姫様、大変です!」
アルテェスの話を切迫した声で運転手が遮った。
「どうしたのですわ?」
アルテェスの問い掛けに、
「”オンモイール”の側の転移門が使えなくなっています。
その近くの”ナーコン”もダメです。」
運転手が早口で説明した。
「タイミングが悪いですわ。。」
アルテェスは呟くと、直ぐに切り替えて、
「その次に近い転移門は何処なのですわ?」
問い掛けた。
「”イズカン”は、使えます。」
「そこからだとどれくらい掛かるのですわ?」
「普通に走ったら50分くらいですが、飛ばして30分くらいまで縮めてみせます。」
運転手の返答に、
『”オンモイール”の転移門を使ったのは鉄騎将ですわ。
なら”ナーコン”の転移門を使ったのは ここちゃん ですわ。
それならまだなんとかなるかも、ですわ。』
考えを巡らせたアルテェスは、
「それでお願いしますわ。
ドクター乗って下さい、移動中に説明しますわ。」
運転手に指示し、ドクターに声を掛けると車に乗り込んだ。
ドクターと看護師長も急ぎ乗り込む。
3人が乗ったのを確認した運転手は駐車場から車を移動させ、道路に乗り入れて停車した。
転移門を出現させると、速度を上げながら突入して行った。
(10)
「あれが、”オンモイール”なんだよ!」
”ナーコン”の転移門を出てからゆったりドライブしてきた ここあ の目に商業都市”オンモイール”の外観が見えてきた。
周りを木々で囲まれた森の中の都市といった風情の”オンモイール”の景観は北欧風の建築物と相まって、お伽の国のような雰囲気を醸し出していた。
「きれいなの~!」
ミラビィーも目をキラキラさせて、”オンモイール”の景観に見とれていた。
その時、
ドドーン!
と”オンモイール”の方から爆音が轟き、黒煙が立ち上った。
よく見ると薄くなった黒煙が数ヵ所立ち上っているのに気付いた。
「ホウコクシマス。
”オンモイール”カラ、20タイノテッキジュウハンノウ。
ソレカラ、鉄騎将ノ、ハンノウガアリマス。」
AIの報告に、
「テ、鉄騎将が居るんだよ!?」
ここあ が驚きの声を上げた。
ここあ はアニメで見た鉄騎将の事を思い出し、目を輝かせた。
「ねえや、てめったるってだれなの?」
ミラビィーの問い掛けに、
「鉄騎大王の部下で、鉄騎獣を作れる悪い奴なんだよ。」
ここあ が完結に説明した。
「ここで鉄騎将を倒せば、ストゥーリアさんも認めてくれるんだよ。」
ここあ はストゥーリアに未熟と言われた事で冷静さを欠いていた。
ここで自身の力を証明すれば未熟とは言われくなる。
異世界を救う助けにもなるだろう。
すでに思考が自身を認めさせる事に偏ってしまっていた。
「ねえや、だいじょうぶなの?」
心配そうに声を掛けてくるミラビィーに、
「大丈夫なんだよ。
私の本気、見せちゃうんだよ!」
ここあ は力強く返した。
「しゅうくん、突撃なんだよ!」
「リョウカイデス、ココア。」
テンションが上がりきっている ここあ はアクセルを踏み込み、猛スピードで"オンモイール"に突っ込んで行った。
如何だったでしょうか?
いよいよ舞台は商業都市へ。
次回はついに、ここあが!?
次回、次々回あたりはバトル多めになりそうです。
近々姫の能力も出せるかな。
次回は土曜公開予定。
楽しみにして頂けると嬉しいです。
よろしくお願い致します。




