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「異世界からのSOS。参上、ダイハッシャー!」(17)

第17回を公開します。

久しぶりのあの方も登場しつつ、ここあが!?

な感じになってます。

これからいよいよバトル展開に。

楽しんで頂けたら嬉しいです。

(3)


「半日でこれだけなのですわ!?」

アルテェスは魔力充填のあまりの遅さに愕然がくぜんとしていた。

鉄騎将テメッタルが動きだしたので、祖父アップロスから受け継いだ”ディブトレース”の休眠状態を解除し、魔力の注入が始まったのが ここあ の事を母に伝えた後だった。

それから半日。

魔力は全量の約5%程しか充填されていなかった。


「これではギリギリになってしまいますわ。」


苛立ちの混じった声でアルテェスつぶやいた。

”ディブトレース”はかなり大型の為、魔力が他の魔動乗物マジークルの10倍程必要で、充填完了フルチャージしないと動かせないとゆう厄介やっかい代物しろものだった。


地下の格納庫に状況を確認しに来ていたアルテェス作業員ドワーフが、


「姫様、緊急連絡だそうです。」


声を掛けながら、魔動電話マジカフォンを手渡した。

魔動電話マジカフォン=小型無線機のような感じ。この世界ではスマホを作るには特殊な魔法技術が必要な為、まだ普及に至っていない。

連絡してきたのは鉄騎将テメッタルの動向を監視させていた者からだった。

受け取り、


「ありがとうですわ。」


作業員ドワーフに礼を言ってから、


「アルテェスですわ。

 何があったのですわ?」


連絡者に話し掛けた。


「姫様、緊急事態です。

 鉄騎将テメッタルが大型の鉄騎獣10体を何処かに向かわせたので追跡させたのですが、トコート様の家に向かったとの連絡がありました。

 あそこは重要な拠点だとうかがっていましたので連絡させて頂きました。」


連絡者の報告を聞き、魔動電話マジカフォンを持つアルテェスの手が震えた。

今は使われていないはずのトコート邸に鉄騎獣を10体向かわせた。

それは、そこにそれだけの数の鉄騎獣を侵攻させる必要があるから。

その理由は明確だった。


「わかりましたわ。

 あなたは引き続き鉄騎将テメッタルの監視を、鉄騎獣の方もそのまま追跡調査をお願いしますわ。」

「了解しました。」


連絡者との通話を終えたが、アルテェス魔動電話マジカフォンを持ったまま動けなくなっていた。


「きっと、そこに ここちゃん が居るのですわ。」


つぶやきが漏れた。

鉄騎獣が向かった先がトコート邸であるなら、そこに ここあ が居るはずだ。

ここあ が狙われている。

その思いがアルテェスの心を乱したが、


『ここちゃんがトコート様のちからを受け継いだのでしたら、これくらい対処出来ますわ。

 いえ、出来ないようでは助けになりませんわ。

 ここちゃんなら絶対に大丈夫ですわ。』


そう思う事で何とか気持ちを落ち着かせた。


「ここちゃんは必ず来てくれますわ。」


自身に言い聞かせるようにつぶやき、大型鉄騎獣の襲来に備える為、仕事に戻っていった。


(4)


先に進んだが行き止まりだったので、走り戻りながら、


「あ~、解らないんだよ。

 えっと、、体を鍛きたえてるんだよ。」


とミラビィーが解りそうな言葉を選んで答えた。


『それしってるの。

 あたしもじいやと”とっくん”したのぉ。』


嬉しそうなミラビィーの声に解ってもらえた、と安堵していたら空に大きな5つの影が現れた。

それが鉄騎獣だと気付き、


「ラビちゃん、家から出たらダメなんだよ!」


慌てて屋外に出る事を制止した。

その時、


ドドーーーン!!!


と、大きな音をとどろかせて鉄騎獣が落ちてきた。

昨日倒した狼鉄騎獣とは比べ物にならない大きさの鉄騎獣が地上に5体、空に5体。

どうやら空を飛んでいる鉄騎獣が運んで来たようだ。

地上には通常の3倍くらいの大きさのグリズリーのようなのが3体、角が3倍くらいの長さになっている体躯たいくも3倍くらいあるサイのようなのが2体。

空には同じく3倍くらいの大きさのオオギワシのようなのが5体。

そのグリズリー達が昨日倒した鉄騎獣の死骸の所に集まっていた。

その時、


クアァァァ!


とワシ鉄騎獣の1体が鳴き声を発した。

それに反応して、地上の鉄騎獣5体が一斉に ここあ の方に目を向けた。


「見つかったんだよ。」


ここあ を認識したグリズリー鉄騎獣3体が木々をぎ倒しながらせまってくる。

収納板ストレージカードから短刀みるくを取り出し、身構えた ここあ は魔力を込めて先頭のグリズリー鉄騎獣を抜き斬りで横一閃にいだ。

が、外皮が硬く魔力剣で切り裂けず、横っ腹に少し食い込んだだけだった。


「硬すぎなんだよ。」


一度魔力を抜いて、魔力剣を消した。


「これは、かなりヤバいんだよ。」


あせり混じりのつぶやきが漏れる。

その時、


ヒィィィィィィィィィィン!


と甲高いエンジン音を響かせながらハッシャーが姿を現し、ここあ に向かって来た。

運転席側のドアが開いて、シートがスライドしドアの前に出てくる。

※ベース車の”スバル360”はドアが今の車と反対で後ろに向かって開きます。

ここあ はシートに背を向けるように立ち、小さく飛び上がった。

その場所に計ったようにハッシャーが接近し、ここあ をシートで受け止めた。

シートが戻り、ドアが閉まる。


「しゅうくん、サイドターンお願いなんだよ。」


運転技術の未熟な ここあ が制御をAIしゅうくんに任せた。


「リョウカイ、デス。」


答えたAIしゅうくんハッシャーの勢いを殺さないように半周させ、向きを変えた。

ここあ はハンドルを握り、アクセルを踏み込む。


「しゅうくん、あれやっちゃうんだよ。」


言いながら鉄騎獣に向かって突進して行く。


「ココア、ハッシャーデノジッセンハ、ハジメテデスガ、ダイジョウブ、デスカ?」


AIしゅうくんが心配そうな感じの電子音声こえで問い掛けた。


「大丈夫、とは言えないんだよ。

 でも、ラビちゃんを守らなきゃ、なんだよ。

 だから、めっちゃ頑張るんだよ!」


目の前の鉄騎獣を見据えながら、決意のこもった声でしっかりと答えた。

そのまま鉄騎獣をすり抜け、通り過ぎてから、


「チェーンジ、バトルハッシャー!」


人型形態に変形する為の音声命令コマンドを力強く叫んだ。

如何だったでしょうか?

久しぶりに姫も登場し、ここあはついにアレを、な展開になりました。

次回からバトルになります。

ここあがどんな戦闘を見せるのか。

そしてあの娘が!?

楽しみにして頂けたら嬉しいです。

次回は水曜更新予定です。

よろしくお願い致します。

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