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「異世界からのSOS。参上、ダイハッシャー!」(15)

第15回を公開します。

今回も説明回。

ミラビィーの事情説明で概ね世界観と経緯の説明は出来たかな?、と。

情報をそこそこ多めですが、楽しんで頂けたら嬉しいです。

ミラビィーはあたりをきょろきょろ見回し、ここあ を見つけると、


「ここねえや~!」


嬉しそうな声を上げながら、ベッドから ここあ に向かって、飛んだ。

ミラビィーを優しく受け止めた ここあ が、


「ラビちゃん、おはようだよ。

 よく眠れたんだよ?」


頭を撫でながら声を掛けた。


「すっごくねたのぉ。」


満面の笑顔で答えたミラビィーの、


くぅぅ


お腹が鳴った。


「おなか、すいたの。。」


表情を曇らせつぶやくミラビィーに、


「あたしも、お腹ぺこぺこなんだよ。

 ご飯、食べるんだよ。」


声を掛けた。


「たべるのぉ。」


もの凄く嬉しそうに返事したミラビィーの表情が、


「それじゃ、キッチンに行くんだよ。」


ここあ の言葉で一気に悲壮な表情に変わった。

言い辛そうにぽそぽそと、


「だめ、なの。

 いっぱい、よごしちゃったの。。」


消え入りそうな声で伝えた。

あの事だと気付いた ここあ が、


「どうして、あそこでしちゃったんだよ?」


頭を撫でながら、優しくたずねると、


「まっくらで、こわかったの。。

 あそこだけ、ちょっとあかるかったの。。」


ミラビィーはか細い声で答えた。

休眠モードの時は月1回の自動清掃以外、個室や洗面所、トイレは電気が点かないようになっている。

廊下は人の気配に反応して点灯する足元灯が、キッチンには小さな常夜灯が点いていたので、ミラビィーは暗さと怖さでキッチンの常夜灯の近くにしか居られなかった。

してしまった事が悪い事だと自覚していたので、


「ごめんなさい、なの。。」


謝罪した。

怒られるのを覚悟して緊張しているミラビィーの頭に拳をコツンと軽く当て、


「あそこは料理する所だから、もうしないんだよ。」


優しく注意した。

ここあ はちゃんと理由があり、反省しているのでこのくらいで良いと思った。


「もう、ぜったいしないの。」


ミラビィーは涙目になりながら、しっかり約束の言葉を発した。


「うん、約束なんだよ。

 それじゃ、ご飯なんだよぉ。」

「はい、なの。」


2人は連れ立って個室を出ると、キッチンに入って行った。


(10)


すでにちゃんと料理して食事する。

そんなのを待てる余裕はない、とお腹の悲鳴が催促してきていたので ここあ が買ってきていた”冷凍チャーハン”を食べる事にした。

※冷凍食品は箱に入れたまま玄関に放置されていたのをAIしゅうくんが気付き、魔動掃除機ルムクリーパーを動員して箱を居間に移動させ、冷凍冷蔵物は冷蔵庫の適所に入れてくれていた。

AIしゅうくん魔動掃除機ルムクリーパーGJグッジョブ


レンジで解凍しながら、


「ラビちゃんは何か食べられない物あるんだよ?」


ここあ が問い掛けた。


「ん~とぉ、からいのだめ、なの。」


ミラビィーが少し考えて答えた。


「そっかぁ、ならカレーとかはダメっぽいんだよ。」

「かれー、ってどんなたべものなの?」

「お肉や野菜をドロッとした辛い汁で煮るんだよ。」

「それは、だめそう、なの。。」


そんな事を話している内に解凍が終わり、お皿に盛り付け、テーブルに並べると椅子に腰を下ろした。

スプーンを持った手を合わせ、


「いただきます、なんだよ。」

「いただきます、なの。」


始めの言葉を発し、、あっという間に食べてしまった。

よほど空腹だったようだ。


「おいしかったのぉ!」


お茶を飲み、いい具合にお腹が満たされたミラビィーが嬉々として感想を述べた。

この所ずっと果物ばかりだったのと、誰かと食べたのとで、より美味しく感じられたようだ。


「それは良かったんだよ。

 それじゃ、デザート食べるんだよ。」

「でざーと、ってなんなの?」

「あま~い、食べ物なんだよ。」

「あまいの、すきなのぉ!」

「それじゃ、用意するんだよ。」


ミラビィーの満面の笑みを満足げに受け止め、買ってきていた”冷凍たいやき”を解凍し、ほうじ茶パックでお茶をれた。

食べながら、


「ラビちゃん、ここに来るまでの事、聞いていいんだよ?」


ここあ が切り出した。

ミラビィーは”たいやき”を食べきり、お茶を飲んで、


こくん


うなづいて話してくれた。


・ミラッジノが2週間前くらいに亡くなった事。

・新しい族長に村から出て行くよう言われた事。

・荷物とお金(ミラッジノが残してくれていたカード)を持って村を出て、街に行った事。

・街で買い物をしていたら、優しそうなおじさんに声を掛けられた事。

・付いて行ったら怖い人がいっぱい居て、荷物とカードを取り上げられた事。

・捕まって売られそうになったが、必死で逃げ出した事。

・森の果物を食べながら、ここまで歩いて来た事。

・着いたのが2日前で扉は開いたが電気が点かなかった事。

・暗くて怖くてキッチンの常夜灯の所にうずくまって寝ていた事。


話を聞いた ここあ は涙ぐみながら、


「ラビちゃん、ほんとに大変だったんだよ。

 無事に来られて良かったんだよ。

 これからはあたしが一緒なんだよ。」


優しく言葉を掛けた。

話ながら泣いていたミラビィーも、


「ここねえや、ありがとなの。

 もう、さびしいのやなの。

 ずっといっしょにいてほしいの。」


思いを言葉にした。

ここあ はミラビィーに近付いて、ぎゅっと抱きしめ、


「これから一緒に居るんだよ。

 だから安心するんだよ。」


優しく言葉を掛けた。


「ずっといっしょなの。」


ミラビィーは ここあ の温かさに安心感を感じ、もう1度思いを口にした。

それから2人は食器を片付け、もう1度ゆっくりお風呂に入ってから、一緒にベッドでいろんな話をした。

そして、いつしか眠りについていた。

如何だったでしょうか?

情報を全部会話にすると膨大なテキストになるので、箇条書きにしてみたのですが。

楽しんで頂けていたら嬉しいです。

次回は水曜更新予定。

いよいよあれと衝突します。

そして近々あれが。。

楽しみにして頂けると嬉しいです。

よろしくお願い致します。

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