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「異世界からのSOS。参上、ダイハッシャー!」(13)

第13回を公開します。

今回は、ただの日常回、になってしまった。

ここあとミラビィーがほのぼのしているのを楽しんで頂けたら嬉しいです。

「やっぱり、無駄に広いんだよ。」


浴室に入って浴槽を見た ここあ が呆れ気味にこぼした。

20人は余裕で入れそうな浴槽は、温泉のようにゴツゴツした岩で装飾されていた。


「これ、絶対おじいちゃんの趣味なんだよ。」


つうやきながら浴槽に近付き、手桶で自分とミラビィーの体にお湯を掛けた。


「うぅ。。

 ちょっと、あつかったの。」


ミラビィーの冷えきった体には少し熱かったようだ。


「大丈夫なんだよ?」


ここあ の気遣きづかいに、


「へいき、なの。」


ちょっと涙目ながら、笑顔で答えた。

そんな姿を微笑ましく感じながら、


「先に頭と体を洗うんだよ。」


言って、ミラビィーの手を引いて銭湯のように壁際に5つ設置されているシャワーの方に移動した。

真ん中を選び、シャワーの前に置かれた風呂椅子バスチェアにミラビィーを座らせ、お湯をぬるめに設定して体に浴びせかけた。


「ぬくいのぉ。」


しばし体をあたためてから、


「頭にかけるんだよ。」


と声を掛けた。


「わ、わかったのっ。」


ミラビィーはぎゅっと目を閉じ、耳を押さえて体を固くした。

頭からお湯をかけられるのは苦手のようだ。

兎人とじん族のミラビィーは耳が頭の上に付いているのでお湯が入らないように気を付けないといけない。

気遣いながら髪を濡らして、シャンプー(体も洗えるのを買ってきた)で髪と耳を洗い、泡を流して、タオルで髪と耳の水分を丁寧に拭き取った。


「やっぱりこの耳、可愛いんだよ。」


言いながら、耳をふにふにすると、


「や、なのっ!」


小さく叫び、耳を手で押さえて隠してしまった。


「これは、だめなのぉ。。」


泣きそうな声で拒絶するミラビィーに、


「耳で嫌な事があったんだよ?

 で、も、あたしがその耳好きなの、忘れちゃったのかな、だよぉ!」


少しふざけ気味に声を掛けながら抱き付き、指先を駆使して体を撫でまわした。


「やめ、てぇ、()ぇ、やぁ、くしゅぐ、た、のぉ。。」


ここあ の攻撃くすぐりで笑顔が戻ったミラビィーを優しく抱き包み、


「あたしはラビちゃんがだ~い好き、なんだよ。

 その耳も、ぜ~んぶ、なんだよ。」


明るい声で宣言した。

昔、ミラビィーの耳は”特異”だと聞いた気がする。

でもそんな事は自分ここあには関係ない。

そんな思いが通じたのか、


「このみみ、やじゃないの?

 きみわるくないの?」


ミラビィーが恐る恐るたずねた。


「やじゃないし、気味悪くもないんだよ。」


ここあ は精一杯の愛情を込めた声で答えた。


「ここねえや、ありがとなの。

 あたしも、だいしゅき、なにょ、、、わぁ~ん!」


言いながら、また泣き出してしまった。


「ほらぁ、すぐに泣いたらダメなんだよ。」


ここあ は頭を撫でながら優しくさとし、涙で濡れた顔をタオルでぬぐってやり、


「じゃ、体洗っちゃうんだよ。」


声を掛けた。


ひゃい(はい)、にゃの。」


返事し、背筋を伸ばしてそなえたミラビィーをしっかり洗い流した。

つやつや綺麗きれいになったミラビィーに、


「先にお湯にかってるんだよ。」


うながした。


「は~い、なの。」


ここあ は元気に返事し、浴槽に向かったミラビィーが座っていた風呂椅子バスチェアに座ると、手早く髪と体を洗い流した。

お湯にかろうと振り向くと、ミラビィーが浴槽のふちに腕と頭を乗せてこちらを見て、いなかった。

また寝落ちていた。

慌てて起こし、むにゅむにゅしているミラビィーを脱衣所に連れ出し、体をいて、持ってきていた服を着せた。

ここあ はとりあえずバスタオルを巻いて、ミラビィーを抱き上げ、個室のベッドまで運んで寝かせた。

ベッドに入った時には完全に熟睡してしまっていた。


ここあ は風呂に戻ってあたたまってから、持ってきていたスウェットを着て、乾燥まで終わっていた洗濯物を取り出して畳んだ。

それを持って部屋に入り、ソファーに置いて、ミラビィーが寝ているベッドに近付いた。

ここあ は少し眠気を感じたので、


「しゅうくん、少し寝るんだよ。

 3時間したら起こして欲しいんだよ。」


AI(しゅうくん)に声を掛けた。


「リョウカシマシタ。

 ユックリ、ヤスンデクダサイ。」


了承の返事に、


「よろしくなんだよ。」


言いながらミラビィーの横に潜り込み、頭を優しく撫でて、


「おやすみ、なんだよ。」


声を掛けると、夢の世界に旅立っていった。


(9)


「ココア、ジカンデス。

 オキテクダサイ。」


天井に設置されているスピーカーからAI(しゅうくん)電子音声こえが響いた。

けれど、ここあ に起きる気配はなかった。


「ココア、オキテクダサイ。」


再度、少しボリュームを上げて電子音声こえを掛けたが起きる気配はなかった。


「オキナイヨウデスネ。

 デハ、キョウコウシュダンヲ、ジッコウシマス。」


一応、警告してから、壁に収納されている魔動掃除機ルムクリーパーを1台起動させた。

魔動掃除機ルムクリーパーは各部屋に1~5台設置されている。

壁から現れた魔動掃除機ルムクリーパーは、


ヒューン


とドローンくらいの速さで ここあ の上まで移動した。

空中浮揚ホバリング状態でとどまり、害虫駆除等に使う先が端子になった小型アームを伸ばし、


パリッ


ここあ の首筋に微弱な電流を流した。

突然の首の痛みに、


「いにゃぁ!」


ここあ が変な叫び声を上げ、一気に目を覚ました。

如何だったでしょか?

ただのお風呂できゃっきゃうふふな話しになってしまいました。

次回はかなり説明過多な話しになります。

水曜更新予定。

楽しみにして頂けたら嬉しいです。

よろしくお願い致します。

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