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「異世界からのSOS。参上、ダイハッシャー!」(12)

第12回を公開します。

しばらく説明含む日常パートになると思います。

たぶん、あと3、4回は。。

ミラビィーと共に家に戻ったここあが。。

楽しんで頂けたら嬉しいです。



(7)


「この街も鉄騎獣が現れた形跡はないですね。」


ストゥーリアはブンの工房に相棒フォレスブレイクあずけてから近隣の様子を見て回っていた。

ブンの工房がある街を含めて3つの街を回ったが、どこも鉄騎獣に襲撃された様子はなく、人々は平和に日々を過ごしていた。


「この様子だと襲撃はまだ始まっていない、と言う事でしょうか?」


ストゥーリアは見てきた街の様子から考えを巡らせた。

結論。


「今、動き出しているのは鉄騎将テメッタルだけでしたね。

 だとすれば警備の手薄な小さな街を襲っている、と考えた方が良いようですね。

 姑息こそくな彼が好みそうなやり方ですね。

 それなら、、。」


そう考え、少し離れた小さな街が点在する辺りの調査におもむこうとした時、鉄騎将テメッタルの見張りをしていた鳥が肩に下りてきた。

そしてさえずり、要件を伝えた。


「なんですって!?

 鉄騎将テメッタルが大型の鉄騎獣10体を何処かに向かわせたのですね。

 わかりました。

 あなたは監視に戻りなさい。」


ストゥーリアの指示に従い鳥が飛び立った。


「大型が10体、ですのね。

 まさか主要都市を。。

 いえ、そうではないでしょう。

 何か、嫌な胸騒ぎを感じますね。

 追いましょう。」


ひとり言ち、考えをまとめたストゥーリアは鳥の報告を元に向かっているであろう方向を予想し、


「こんな時、ミラッジノが居てくれましたら。。

 ダメですね。

 少し弱気になってしまっています。

 急ぎましょう。」


元仲間の能力に思いをせながら、風をまとい飛び上がった。


(8)


家に着いた ここあ は、


「しゅうくん自走出来るって言ってたんだよ。

 玄関の所まで来られるんだよ?」


AIしゅうくんに声を掛けた。


「ダイジョウ、デス。

 オマチクダサイ。」


そう答えるや、


ヒィィィィィィィィィィン!


と魔動エンジンの甲高い音を響かせながら玄関前まで来て、止まった。


「ちょっと待っててなんだよ。」


ここあ は待つよう声を掛け、ミラビィーを下ろしてポケットから出した収納板ストレージカードからバスタオルを1枚取り出した。

そして、


「ラビちゃん、起きるんだよ。」


っぺたを突つきながら声を掛けた。


「うにゅぅ。。」


変な声で返事をしながらミラビィーが目を覚ました。

目をしばしばさせ、意識がはっきりしてくると目の前に人が居るのに気付いた。

その人を見て、意識を失うように寝落ちる前に聞いた言葉が思い出された。


「ここねえや、なの?」


あの時に聞いた言葉が本当だったのか?

確かめるように恐る恐るたずねた。


「そうなんだよ。

 ラビちゃん、体は動くんだよ?」


ここあ の優しい声が懐かしく、心地よく、これが現実だと実感させた。

ミラビィーは体にちからを入れて、ゆっくり立ち上がり、


「だいじょうぶ、なの。

 ちからはいる、の。。」


答えたものの、


「うっ、、うっ、、うわぁぁぁぁぁん、ぇ、やぁぁぁ。。」


寂しさ、人恋しさ、安心感、いろんな感情がごちゃ混ぜにあふれ、ここあ に抱き付いて大泣きしてしまった。

そんなミラビィーを優しく受け止め、背中を撫でながら少しの間、泣かせてあげた。

少し落ち着いた頃合いで、


「いつまでも泣いてたらダメなんだよ。」


言いながらバスタオルかぶせ、涙をぬぐってやる。


「寒かったんだよね。

 いまからお風呂に入るから、それかぶってちょっと待ってるんだよ。

 あ、ドア開けといてほしいんだよ。」


言いながら ここあ はハッシャーに近付いた。


「わかったの。」


厚手のバスタオルの心地良さに、ほっとしながらミラビィーがドアを開くと、


「きれい、なの。

 あかるいの。。」


汚してしまいどうしようかと思っていた家の中が綺麗きれいに掃除され、点かなかった電気が点いていた。

呆然として見ているミラビィーに、


「入っていいんだよ。」


ハッシャー無限収納ストレージから買ってきたものを入れた大きな箱を出しながら声を掛けた。


「いい、の?」

「いいに決まってるんだよ。」


言いながら大きな箱を抱えて中に入っていく ここあ の後に付いてミラビィーも入っていった。

明るくなった玄関は前に来た時と変わっていなかった。


「ちょっと待ってるんだよ。」

「わかったの。」


返事をし、待っていると今度は大きな箱を2つ抱えて入ってきた。

箱を下ろし、中をごそごそ探って入浴と洗濯に必要な物を出した ここあ が、


「それじゃ、お風呂に入るんだよ。」


言って手を差し出した。


「おふろ、ひさしぶりなの。」


その手を握り嬉しそうに答えたミラビィーと連れ立って廊下を進み、脱衣・洗面所に入った。

ここあ はミラビィーのワンピースを脱がせて、


「ラビちゃん、持ってる服はこれだけなんだよ?」


たずねた。


「それだけ、なの。

 ぜんぶとられちゃった、の。。」


ミラビィーが暗い表情で答えた。


「それは大変だったんだよ。

 何があったのか後でお話するんだよ。

 この服は大事な物なんだよ?」

「じいやのおきにいり、だったの。

 にあってるよ、っていってくれたの。

 すごくだいじ、なの。。」


寂しげな声で話すミラビィーに、


「それじゃ綺麗きれいにするんだよ。」


言って、服を洗濯機に入れた。

そして汚れた下着を脱がせ、洗面台で軽く水洗いしてから洗濯機に入れた。

そんな ここあ の行動を顔を真っ赤にして恥ずかしそうに見ているミラビィーに、


「気にしたらダメなんだよ。

 誰にも言わない、2人だけの”秘密”なんだよ。

 だから胸の奥の方に隠しておくんだよ。」


語り掛け、優しく頭を撫でた。


「だれにもいわない、の?」

「言わないんだよ。絶対だよ。」

「わかったの。もうきにしないの。」


ミラビィーの返事に笑顔で返し、ここあ も着ていたものを全部脱いで洗濯機に入れた。


「洗濯、普通コース、開始!」


音声認識用マイク(各部屋に設置)に声を掛けると、洗濯機が動き始めた。

と思ったら、


「エラー。

 センザイガ、ハイッテイマセン。」


洗濯機がエラーメッセージを発した。


「忘れてたんだよ。」


慌ててタオル類と一緒に持ってきていた液体洗剤を適量、洗濯機に入れて、


「洗濯、再開。」


声を掛けた。

動き出した洗濯機が、


「フツウコースデ、センタクシマス。」


発したのを聞いてから、


「それじゃ、入るんだよ。」


ミラビィーに声を掛け、手を繋いで浴室へと入っていった。

如何だったでしょうか?

”秘密”を共有した2人は仲良くお風呂、は次回ですが絵がないので。。

そんな次回は土曜更新予定です。

楽しみにして頂けたら嬉しいです。

よろしくお願い致します。

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