「異世界からのSOS。参上、ダイハッシャー!」(10)
第10回を公開します。
ちょっと長くなりそうなので切りのいいとこまで。
やっとバトル物っぽくなってきます。
まだロボは出ませんが。。
もうちょっとしたら出ます、きっと。
今回はここあが頑張ります。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
短刀を抜刀し、警戒している ここあ に、
「ゲンザイナカニ、ココアイガイノ、セイメイハンノウハ、アリマセン。」
AIが家の中の走査結果を伝えた。
「そうなんだよぉ。。」
安堵し、短刀を収納板に仕舞い、
「それじゃ、この足跡は誰のなんだよ?」
AIに尋ねながら、土足のままで廊下の奥に向かった。
廊下には左右に2つづつドアがある。
右側は個室が2室、左側はトイレとお風呂だったな、そんな事を思いだしつつ歩を進める。
突き当たり、LDK入り口のドアは開いていた。
入っていくと、
「なんだか、ちょっと臭うんだよ。」
微かに汚物の臭いのような臭気が感じられた。
けれど、ここも足跡が点在するだけだった。
その足跡がキッチンの方に多く付いているように見えたので近付いてみた。
「なんでこんな物が、だよ。。」
流しに量は少なかったが、人が排泄したと思われる便があった。
それが臭気を発している事に気付き、
「これって少し前まで誰か居た、って事だよね?」
問い掛けた。
「イマゲンカンノ、カンシカメラノエイゾウヲ、カクニンシマシタ。
2日マエカラ、コドモガデイリ、シテイマス。
ガイトウスルノハ、”ミラッジノ”サマノマゴ、”ミラビィー”サマデス。」
AIの報告に、
「その子って、あの時の。。」
ここあ が何か思い出しかけた時、
「キンキュウケイホウ!
ココア、マエノモリデ、テッキジュウ3体ノケハイヲカクニン。
コドモガ、セッキンシテイマス。」
周辺の警戒をしていたAIが警告を発した。
聞いて直ぐに ここあ が玄関から飛び出して行った。
「しゅうくん、その子もしかして、だよ。」
走りながら尋ねてきた ここあ に、
「セイタイジョウホウヲ、カクニンシマシタ。
ミラビィーサマデス。」
調査結果を報告した。
「やっぱり、だよ。
しゅうくん、部屋の掃除って出来るんだよね?」
ここあ の問い掛けに、
「ルームクリーナーヲ、キドウシマシタ。
モドラレルコロニハ、オワッテイマス。」
AIが答えた。
「ありがとだよ。
それじゃ、助けに行ってくるんだよ。」
伝えながら家の前の道を森に沿って走り、木々の隙間から森の中を注視していると、
『あれなんだよ。』
3匹の狼のような獣が少女に襲い掛かろうとしているのが見えた。
『間に合ったんだよ。』
走りながら取り出していた短刀を抜刀し、木の間を突っ切って森に突入した。
狼鉄騎獣が1匹、額のドリル角を回しながら少女に向かって飛び出す。
「いやぁぁぁぁぁ!」
響き渡る悲鳴。
と同時に少女と狼鉄騎獣の間に割り込み、ドリル角を短刀で受け止めた。
「もう、大丈夫だよ。」
背後の少女を安心させるように優しく声を掛けた。
「すぐ終わらせるんだよ。
安心して待ってるんだよ。」
言いながら短刀の刃の向きを変え、斜めに滑らせて、斬った。
ギャウン
悲痛な叫び声を上げて狼鉄騎獣が退いた。
3匹が様子を伺うように唸りながら敵意を向けてくる。
ここあ は負けないよう睨み付けながら納刀し、左手に持った短刀を左腰に添え、右手で柄を握ると少し腰を落とした体制をとった。
所謂居合いの構えになり、ゆっくり1つ呼吸し、左親指で柄を押し出し、握る右手に力を込める。
胸の奥にある何かが右腕を通り、手の平から柄に流れ込んでいくのが感じられた。
その時、自分が生き物を殺めるのだと意識してしまった。
その躊躇いが伝わったのか3匹が一斉に飛び掛かってきた。
殺らないと、殺られる。
覚悟を決め、
やっ!
抜刀し、刀身を横に薙いだ。
刀身から伸びた光の刃が狼鉄騎獣の体をすり抜け、消えた。
そして、
スン
と小さな擦過音と共に、刀身が鞘に収められた。
それが合図になったと思わせるように、3匹の狼鉄騎獣の体が分断され、倒れた。
ここあ は、
ふぅ
と小さく息を吐いて振り返り、
「終わったんだよ。」
優しい笑顔で声を掛けた。
如何だったでしょうか?
拳銃好きだけど、刀も好きなんです。
ってか良く考えたら武器好きっぽいです。
ここあには扱いやすいように短刀にしてます。
そんなここあの初戦闘どうだったですか?
居合の抜刀から納刀の一連の動きってめっちゃ好きなんですよ。
・・・もっと上手く表現出来るよう頑張らねば。
第11回は明日公開します。
ここあの前で少女が!?
楽しみにして頂けたら嬉しいです。
よろしくお願い致します。




