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1章2話   初めての王都



「それにしても、どうしてあんなところに降りてきてしまったんですか?」


「いやちょっと、あまりにもあれなので、あの、それだけは、勘弁してください。」


「あ、はい。。。」


「ところでアクロリオンさま。」


「はい。何でしょう。」


「村のみんなには契約したって言ってましたけど、まだしてないですよね?」


「そうですね。私、初めて契約はある場所でしようと思ってるんですよ。」


「なるほど。それが王都にあるんですね?」


「その通りです。」


「王都まであとどのぐらいだろう。」


「日暮れ前にはつきますぜ。坊ちゃん。」


そう馬車の業者が教えてくれる。


「ありがとうございます。それなら宿も取れそうですね。」


「あ、」


「どうしました?アクロリオン様?」


「ホームが。」


「?」


「家がないぃぃぃぃ!!!」


「えぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」


「どうしよう。どうしよう。」


「あれ?精霊様は知らないんですかい?」


再び業者が口を開く


「へ?」


「王都では、降りたての精霊様には格安で土地と家が貸し出されてるんですよ。」


「本当ですか!?あーよかった。」


「本当によかったですね。そんな制度があるなんて!」


「ええ。これで野宿しなくてすみそうです。」


「いや!野宿なんて!させませんよ!絶対!」


「そうですか。エルドは優しいのですね。」


「いや、精霊様に野宿なんてさせたらバチが当たりますよ!」


「精霊様。坊ちゃん。つきましたぜ。」


業者がそう教えてくれ、僕らは代金を払って馬車から降りた。

王都は正方形でものすごい高い壁に覆われている。

僕らがついたのは、南の門。

門で、村で発行してもらった通行書と幾らかのお金を払って僕らは王都に入った。


「ここが王都か!」


王都は村とは違いとてもの賑やかで、活気にあふれていた。

果物や、ポーションを売っている商人が呼び込みをし、まだ明るいのに酒場からは

笑い声が聞こえる。


「まあまあそんなに興奮しちゃって。子供みたいですよ?」


「アクロリオン様。やめてください。。。」


「まずは役所に行きましょう?」


「そうですね。」


僕らは近くの店で道を聞き、中央街にある役所に向かった。

役所では、業者に教えてもらった通りに、格安で土地を借りることができた。

また、アクロリオン様の王都精霊契約というのもした。

これをすることによって、王都の公共施設が安く使えるようになるらしい。

僕はアクロリオン様とここで別れ、アクロリオン様には新しい家で待ってもらうことにした。


そして僕はそのままギルドへ向かった。

ギルドでは僕の冒険者登録、担当アドバイザーとの挨拶をした。

僕の担当アドバイザーは僕と同じヒューマンのエレスさんという人だった。



「エルド様。私があなたの担当アドバイザーとなりました。

 エレスと申します。よろしくお願いします。」


「よろしくお願いします。エルドです。」


「こちらに。」


僕はエレスさんについていった。

そこは見る限り客間のようだった。


「ここは?」


「ここは、面談ボックスと呼ばれています。ここでアドバイザーと面談します。

 さて、エルド様は、冒険者登録とのことですが、使用する武器などはお決まりでしょうか。」


「あ、はい。武器はナイフにしようと思っています。」


僕はあの戦いの時に使った、ナイフがいいと思っていた。

小回りのきく武器だし、重くないしね。


「わかりました。今、その武器はお持ちですか?」


「いえ、あくまで護身用と言えるものしか持ってません。」


「ご希望の購入先はございますか?」


「王都にきたのは初めてで、どこがいいのかすらわからなくて。」


「でしたらこちらのお店など、どうでしょうか?」


エレスさんが地図を見せて教えてくれる。


「こちらはギルド認定も出ているお店ですし、大きいお店です。

 私もこちらのお店をよく利用しています。」


「えっ、でも冒険者じゃないですよね??」


「ええ、鍋とか、フライパンとか修理に出すんです。あとは、包丁研ぎに出したり。

 とてもよく切れるんですよ。」


「ああ、なるほど。じゃあ、そこで買ってみます。」


「では、こちらの書類に必要事項をご記入ください。」


『     王都冒険者登録契約書


     名前:エルド

  

     種族:ヒューマン

 

  契約精霊名:アクロリオン様


     住所:シュベール王国 王都 北街 

        四丁目 3番地           』


僕は書いた紙をエレスさんに渡す。


「はい。確かに。エルドさんこれからあなたは王都所属冒険者となりました。」


「ありがとうございます。」


「それでこれからのご予定は?」


「まずは家のことをやってから数日後にダンジョンに潜って見ようかなと思っています。」


「わかりました。ギルドとダンジョンについてお話いた方か良いでしょうか?」


「そうですね。お願いします。」


エレスさんは色々教えてくれた。


モンスターは倒すと魔石と確率でドロップするドロップアイテムを残して灰になること。

ドロップアイテムや、魔石は基本ギルドで買い取っていること。

ギルド支店がダンジョンの近くにあってそこでも換金できること。

支店では、シャワールームや治療所が利用できること。

あとは、上層にでるモンスターの特徴。そこにはフォコウルフも出るということなど。


僕は説明を聞いて思い出した。


「そういえばこの魔石と爪って換金できますか?」


「これは、、フォコウルフの爪ですね。どうしてこれをお持ちに?」


「村にいた時倒したんです。」


「なるほど、すごいですね。契約していない状態でフォコウルフを倒すなんて。」


「それで、換金は?」


「ええ、もちろんできますよ。換金して行きますか?」


「じゃあ、そうします。」


そういって僕らはボックスを出て、メインロビーに来た。


「あちらが換金所です。」


「こちらの引き出しに魔石と、ドロップアイテムを入れると換金所のベテラン鑑定士が換金してくれます。」


僕は、フォコウルフの爪と、魔石を引き出しに入れた。

そうしたら、引き出しが引かれてしばらくしたあと、お金が出て来た。


「これで換金は終了です。何かご質問はありますか?」


「いえ、ないです。」


「では、今日はこれで。さようなら。」


「さようなら。」


僕は初めて自分で稼いだお金を握りしめてアクロリオン様のいる家へと向かった。




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