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1章1話   始まり終わり

初投稿です。頑張って書きます!


僕はエルド。16歳。

何処にでもいるただの少年だ。

ここはグラコ村。シュベール王国の辺境にある村。


僕は、母親であるフィナと父親であるグリアの3人でリンゴを作りながら

慎ましく幸せに暮らしていた。ある時までは。


「村長!!」


「どうした!」


「フィナとグリアが!」


「落ち着けゾーイ、何があったか教えるんだ。」


「ふぅ。それが、ルティアからの帰りにフォコウルフに襲われて、、、」


「それは、、、それでフィナとグリアは!?」


「、、、」


「そうか。」


「何でここらなんかにフォコウルフが?」


「どうやら冒険者が連れてきてしまったらしい。」


「まあ、良い。それより、エルドには私から行っておこう。」


「エルドになんて言えばいいのか、、、」


「そうだな、、、」


ゾーイおじさんは間一髪のところで逃げて来たと言う。

別に憎んでいるわけではない。

おじさんが逃げて来なかったら父と母が死んだことすらわからなかったし。


「エルド。」


「ゾーイおじさん。」


「その、」


「ゾーイおじさんのせいじゃない。」


「そう言ってくれて助かるよ。それで、これからどうするんだい?」


「王都に行ってダンジョンに潜る。」


「やっぱりモンスターが?」


「別にそう言うわけじゃない。もともと夢だったんだ。ほら、おとぎ話にあるでしょ?」


「ああ、ラクーンの勇者だね?」


「うん。憧れてるんだ。」


「契約はどの精霊とするのか決まってるのかい?」


「まだ。だけど、そんなに大きいクランじゃない方がいいかな。」


「どうして?」


「人間関係もあるし、最初から上だとつまらないじゃん。」


「ははっ!確かにそうだな!当面のお金は私が工面しよう。ほら準備するものもあるだろうし。」


「ありがとう。おじさん。お言葉に甘えさせてもらうよ。」


「いつそんな言葉覚えたんだ?」


「おじさんと父さんが話しているのをみてね。」


「ははっ!賢い子だ。フィナ、グリア。お前達の子は強いぞ。安心して旅立て。」




---------------------------------------------------------------



それから二、三日した頃僕はリンゴ園の手入れをしていた。

あくまで売り物だし、このリンゴ園をほっとくのも嫌だし。

と、その時近くの池の方から叫び声が聞こえてきた。


僕は何も考えずに、収穫用のナイフを持って走り出していた。

池まで走る。走る。


「大丈夫ですか!?」


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


そこには興奮し口から炎を出しているフォコウルフと木を背に震えている人の姿があった。

そう。フォコウルフは僕の両親を殺したやつ。


しかも強い。こんなナイフじゃ勝てるはずがない。

だけど、助けを呼んでちゃあの人は絶対に死んでしまうだろう。僕は覚悟を決めた。


「うおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」


自分を鼓舞し、注意を引くために腹の底から咆哮する。

フォコウルフはこちらを向き鬱陶しそうに吠え返した。


「ガルルルルッ」


チロチロと口の周りに火の粉が散った。


僕は様子を見ながらゆっくりと近ずく。

この場合狙うのはただ一点。モンスターの共通した部位。魔石。


ただ一太刀でも刃が通れば全てのモンスターは倒せる。

しかし、こちらから仕掛けるのはやや不利。相手は反応速度も速い上に炎のブレスも吐ける。


こちらが持っているのは刃渡り15cmのナイフ一本。防具も何もない。一撃食らうだけで致命傷だろう。

だから、ただ回避と反撃のみに意識を集中させる。チャンスは一度のみ。



刹那時が止まった。


フォコウルフが溜めていた脚を解放し、一気に加速する。


見切った。右足の引っ掻き。僕の喉を狙っている。


僕はしゃがんで回避する。


再び時が止まった。


フォコウルフの鋭利な爪は僕の喉を捕らえていた。



な。どうして。見切りに失敗した。フォコウルフは最初から僕の胸めがけて腕をふるったのだ。

気が付いた時には遅かった。言葉にできない痛みが僕を襲った。


意識を手放せば楽になると体が叫ぶ。




だが、ここで気絶するわけには行かない。ここで僕が死ねば、あの人は助からない。

最後の力、命の雫を絞り出し、手に持っているナイフをフォコウルフの胸元へ、魔石へ。



フォコウルフは無様に腹から地面に衝突。魔石を失ったため、土に環える。

ドロップアイテムである右足の爪を残して。


これで、あの人は助かる。

僕は意識を手放した。



「っ! 大丈夫ですか!? 目を覚ましてください! 死なないで。」


先ほどまでフォコウルフに怯えていたとは思えない。

自分の命を救ってくれた恩人の命をつなぐために、彼女は決意する。


「私の血を流せば。助かる。」


彼女はエルドのナイフを掴み手首を掻っ切る。


「お願い。死なないで。」


エルドの体が薄く発光し、肉が盛り上がり傷を塞ぐ。



彼女は精霊。天空界から降りてきた人智を超える超越存在。

奇跡を起こすことも容易い。だが人間界では禁忌とされる。だから彼女は代償を払った。

精霊の血を。


彼女は血を流しすぎたか、緊張が解けたのか、意識が飛ぶ。






---------------------------------------------------------------


30分後彼らはグラコ村の村人によって見つけられ、ことなきをえた。


「「ありがとうございますっ!!!」」


「「え?」」


「フォコウルフにやられた僕を助けてくれたのはあなたでしょう?」


「そうですが、あなたがフォコウルフを倒してくれなければ、私は死んでいたでしょう。

 お礼を言うべきは、私の方です。」


「それじゃあ、お互いに感謝ってことにしませんか?」


「そうですね。そう言うことで。」


「しかし、フォコウルフの傷が綺麗さっぱりなくなっているんですが、何をしました?」


「私の血を使いました。私は精霊です。」


「っ!?精霊様!?そんな、精霊様の血なんて!何をして返せばいいか。。。

 そもそも返すものなんて。。。」


「お互いに感謝と言うことにしました。代償はいりません。態度も先ほどのままで。」


「いやでも。」


「いいんです。そうだ。あなたがそんなに言うのなら、一つお願いがあります。」


「何ですか。。。」


「私と契約してください。」


「え?」


「あなた冒険者か、駆け出しの冒険者と行ったところでしょう?」


「何でそれを??」


「精霊の感です。ウフフ」


「そんなものがあるんですね。。。」


「ところで私のクランはまだ誰も入ってないのです。」


「え?どうしてですか?」


「私実はあの時、天空界から降りてきたばかりだったのです。

 ちょっと手違いであそこに降りてきたのです。そしたら、

 目の前にフォコウルフが。」


「な、なるほど。」


「それで、いかがでしょうか?」


「っ!ぜひ!ぜひお願いします!!」


「そうですか。じゃあ、よろしくね?」


「は、はい!」


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そんなこんなで1月がたった。


リンゴ園、家の土地の売りつけや、装備の準備、王都への馬車の手配など

色々することがあった。



その間の費用はリンゴ園、家の土地の売却金やゾーイさんの支援でやりくりした。

今日は王都へ旅立つ日。

村の習慣で村を出て行く時には村長から銅の指輪をもらうことになっている。


「エルドよ。今日お前はこの村をたつ。この指輪は村のみんなで作り上げたものだ。

 この指輪をみて時にはこの村を思い出してくれ。

 また、精霊様。エルドと契約していただきありがとうございます。

 エルドはやることはやる男です。エルドにご指導ください。この村を代表してお願い申し上げます。」


僕は指輪を受け取ったと同時に涙が溢れてきた。


「みんな。ありがとう。また必ず帰ってくる。約束だ。」


「村長。あなたがたの願いを了解しました。

精霊アクロリオンの何かけてエルドを立派な冒険者にいたします。」


「感謝します。」


「それでは。行ってきます!」


「ああ!行ってこい!!」






「フィナ グリア お前らの息子は強い!心配せんでもいいぞ!」













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