第3話
おずおずと入ってくる、ユウカが言う、私の彼氏
…なんかではない!!!!
サラサラな髪の毛を中分けにした髪型
頭は良さそうだけど、いかにも気の優しそうな、虫も殺せない様な風貌
背は…私よりはるかに小さい
確か…小学4年生だったかしら?
齢10歳の男の子が、私の彼氏な訳がない
10歳の男の子とラブラブだったら、完全なショタコンじゃないのよ…
「どったの?コタロー君」
名前はコタロー
小向コタローという少年だ
「あ…いや…お菓子…買いに来たんだ…」
「お菓子はついでで、ホントはサツキ目当てかしらん?」
「ちょっと…アンタからかうのよしなさいよ…」
現に、言われた本人は顔が真っ赤だ
でも、コタローは話題を変えるのが上手いのか
「あ、おねーちゃん…これさ…」
差し出して来たのは、飛行機のオモチャ
駄菓子屋で安く買える、紙で作るって飛ばせる飛行機だ
「ん?どうしたの?壊れたの?」
「いや…もっと遠くに飛ばせないかなぁと思って…」
ふむふむ
ちょっとした改造を施したいわけね
「なら…えーっと…あ、ばーちゃんハサミ貸して?」
「はいよ」
ばーちゃんからハサミを受け取り、コタローから受け取った飛行機の翼に切れ込みを入れる
両翼に小さな切れ込みを入れて、折り曲げる
「これでどうかしら?飛ばしてみ?」
「…うん!」
コタローは私から返してもらった飛行機を手に持ち外に出る
私とユウカもコタローの後を追う
…男の子なのねぇ…あんなナリでも
飛行機のオモチャではしゃぐコタローの姿を見て、私は思った
ふと、私はコタローとの出会いを思い出す