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空を制すは火の翼  作者: カルネアデス日本支部
13/19

Ep13 超音速のプラとアルミ

 グリペンはというか現代の戦闘機は鉄で作られているわけではありません。グリペンも基本アルミ合金でプラスチックも多用しています。炭素繊維強化プラスチックとかいろいろ。


 わかる方ならすぐわかると思いますが、筆者はエンジンスタートの方法知りません。頑張ってそれっぽくしてみただけです。


今回は最後だけちょっとグロいです。

 作戦開始およそ30分前。月は雲の向こう側で光っており、辺りは真っ暗だった……

 迷彩ネットをかけられた何かがおかれていたそこに何者かが6人歩いて来た。


「暗くて見えないだろうがあそこにあるのが今回私達が乗る乗り物だ。空を飛んでいる間は訓練通りの呼吸を維持しろ。最悪飛んでるだけで死ぬからな」


 やって来たのはハイグレイ02、08、11、そして彼らが護衛する天使3人だ。


「着陸したらすぐにシールドの無力化に勤める事。周りなんて気にするな。私達はお前達を死守する。だから信じてただシールドの事だけを考えていろ」


 作戦の第1段階は全てこの6人の成果にかかっている。勿論着陸したら防衛兵器を多数展開するが。


「こちらハイグレイ11。出撃ポイントに到着、これより出撃準備に移ります」


 11は他に聞こえないように無線を使い、08はどこからか持ってきた箱を地面に置くと、中から服を取り出した。


「コンバットエッジだ。今から全員これを着る。これは空を飛んでいる間私達の事を少し守ってくれる。息もかなり苦しくなると思う。重要なのは吐き出すことだ。しかも全身痛くなるだろうが、死ぬよりかはましだ。文句は言わずに着ろ」


 コンバットエッジは発展型の耐Gスーツで、機構技術庁の支援を受け独自開発した。加圧呼吸器を用いてあらゆる高度でより良い酸素供給を実現するが、呼吸自体が苦しくなってしまう。天使達の翼の部分はナイフとミシンで無理やり何とかした。


 全員がコンバットエッジを着用すると、08が迷彩ネットを取り払い11がタラップを付けてキャノピーを開ける。そう、そこにあったのは軽戦闘機のJAS-39(グリペン)だ。

 タラップは梯子(ハシゴ)でキャノピーは操縦席(コックピット)風防(透明な部分)だ。


「よし、後ろの椅子に座れ」


 天使達はそれぞれ相方に手を引かれコックピットに座らされる。そしてベルトを締められ、スーツや呼吸器の準備をする。

 02と11も座席に座り、08がタラップを外して自身はそのまま飛び乗った。


「バッテリーオン、ヒーター通電、インバーターオン。ヒューエルポンプアクティベーション、スタンバイ。APUスタート」


 主に機体を起動する為のエンジンが動き出す音がする。


「な、何ですかこの音は!?」


 聞いたことのない音が聞こえるのに加え、警告灯等コックピットの各種表示器が点灯するものだから驚いていた。


「黙ってろ。生命の息吹の音だよ」


 お弁当の名前みたいだ。


「スロットルアンロック、エンジンスタート、スタンバイ」


 ターボファンエンジンの回転が始まり音は一気に大きくなり、コンピューターも立ち上がる。

 本来ハイグレイズの無人兵器の多くは戦闘中に空中から展開されることが前提である為、初期状態では2秒以内に戦闘可能な状態にまで移行できるようになっているが、今回の場合はネットの下に隠す為に1度動力を落としていた為起動には少々時間がかかる。

 後部座席に座っている天使達からすれば、前に座っている魔法使いが何かよく分からない呪文を唱えている様に見える。


「音が、どんどん大きくなっていきます!」


「魔獣が目を覚ます音だ、静かにしていろ。HUMSランニングナウ。スタンバイ」


 今回の作戦は有人機を用いて行う。戦闘中に予備を利用するなどできず替えが効かない為エラーを見過ごすことは厳しい。

 因みに魔獣というのはグリペンの事だ。


「ラダーチェック、エアブレーキノーマー、エレボンオーケー、フラップノーマー。カナードオーケー、フライバイワイヤノーマー」


 3機は翼をパタパタ動かして異常が無い事を確認する。


「IRシーカーリンク、ノーマー。HUMSランニングコンプリート、ノープラーボー」


「ディスイズ08、クリアフォーテイクオフ」


「ディスイズ11、クリアフォーテイクオフ」


「02ラージャー。HQ、HQ、ディスイズアルファスコードロン。アイムレディ」


「了解したアルファスコードロン。現在チャーリースコードロンは予定通り離陸中。ブラボースコードロンも現在のところ概ね順調。予定に狂いはない。離陸を許可する」


「02ラージャーHQ。アルファスコードロン、ナーウテイクオフ」


 あまり整備されていない滑走路、どころではなく何もされていない場所からの離陸の為、外付けのJATO(シャトー)、つまりロケットブースターを用いて離陸する。ハイグレイズの御得意だ。


「頭を後にしろ、飛ぶぞ。アルファスコードロンエアボーン」


 3機はスロットルを一気に押し倒し、JATOに点火する。その加速度は旅客機の比ではなく、クルーの体には後方に強い加速度がかかる。


「ウウッ!」


 声を漏らしたのは天使だけではない。11も普段はフライトシミュレーターで訓練を受けているだけであり、今回も機体制御には編隊飛行データリンクの情報を元に多くの操作はコンピューターが行う。11が何もしなければAIが勝手に戦ってくれるが、11が操作に介入すればAIはそれを支援する。

 JATOを切り捨てた頃には既に3機は離陸しており、前縁フラップを上げ、速度を上げながら緩やかに上昇する。そしてある程度速度が出てきたら更に機首を上げ急上昇を開始する。


「08、カルムダウン(落ち着け)


 雲を突き抜けたところで02が08に無線を入れた。元々ハーピーである08だが飛行機を飛ばすのも大好きで興奮している。自力では成し得ない飛行ができるからだ。

 エンジンから見える炎のリングの様なものは疑似衝撃波構造と呼び、アフターバーナー(推力増強装置(オーグメンター))を使用している時にのみ見ることができる。これを使用した場合推力はおおよそ1.5倍になるが、燃費はガタ落ちしてしまう。その為離陸時や戦闘時以外は使用しない。

 軽戦闘機であり燃料搭載量の少ないグリペンだが、E/F型以降は大型化や機構の改善により燃料搭載量も増え、エンジンの変更によってアフターバーナー無しでの超音速巡航が可能となっている。スーパークルーズだ。





「ディスイズアルファスコードロン。アイルインベイショントゥーコンバットエリア」


 時間に合わせる為高度5000[m]付近で練習を兼ねて少々遊んでいた3機だが、時間になるので所定の進路について巡航していた。


「こちらHQ、時間だ。作戦を開始せよ」


「アルファスコードロンラージャー。オペレーションスタート」


 3機は再びフルスロットルで加速する。


火器安全装置解除(マスターアームオン)、マスターアームオン」


 3機はそれぞれ短射程空対空ミサイルであるAIM-9を10発と胴体に自己開発した赤外線下方警戒装置と、そして増槽(ドロップタンク)を1つ装備していたが、今そのドロップタンクも切り離される。


「目標到達まで凡そ60秒。ターゲットロックオン」


 ミサイルのシーカーはまだ十分に目標を捉えられていないが、母機や既に展開されている早期警戒機達とのデータリンクで十分に誘導可能だ。


「アルファ1フォックス2」

「アルファ2フォックス2」


 ”The() smart(スマート) fighterファイター”。グリペンのキャッチコピーだ。

 ハイグレイズならMiG-21でもアビオニクスを丸々取り替えて同レベルのハイテクを実現させるのだろうが、JAS-39(グリペン)ならそんな魔改造がなくとも十分スマートだ。データリンクされた機体は自分が何に何で攻撃するのかを伝えることができる。これにより無駄弾を撃つ事なく素早く効率的に敵を殲滅できる。

(※アビオニクス:航空機に使用される電子機器の事。)

 (ただ)でさえ超音速で飛行していたグリペン達から打ち出されたミサイルは更に自身の固形燃料(ロケットモーター)で加速し、あっという間に何も気づいていない悪魔に突き刺さり大量のポロニウム210を散布した。

 体を貫かれただけでも大問題だが、超強力なα線を放つポロニウムは血液に乗って素早く全身の細胞を破壊し、悪魔を絶命させた。

グリペンE(F)のハードポイントは翼端からステーション1 2 3 4が2つづつで、5が(R)中央(C)(L)となっています。

今回の3機はステーション1両方ににAIM-9を各1発、両方のステーション2ステーション3にAIM-9を2発ずつ懸架させ、ステーション5R 5Lに赤外線警戒装置を装着、ステーション5Cにドロップタンクの装備です。

((L) (R) 中央(C)

それとも

(R) (L) 中央(C)?)


ところでIRのレンズは何でできているのか筆者気になっているのですが、どなたかご存じありませんか?

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読んでくれて\(・ω・)/感謝なのです

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