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もう1人の転移者

9章 もう1人の転移者


俺達は今、街で手に入れた地図を片手に荒野をさまよっていた。


なんせこの荒野は目印が何一つ無く地図があっても何の役にも立たなかったのだ。


俺は喉が乾きイリーに教えてもらった実用的な魔法、

ポウルウォーターを使いコップに水をそそぎ、

それをパーティーメンバー全員に配り終わり。


そろそろ夜なのでテントを立て、寝る準備をしていた。


もちろん使うテントは、

この前同様、一定量魔力をつぎ込むと温度調節を自動でしてくれる魔道具のテントを使用した。


夜の荒野は冷えるため、みんなは、すぐにテントの中へと吸い込まれていき、

俺も今まで使っていた調理器具やら机やらを片付け、すぐさまテントへと入り寝ていた。


その時だった。


俺は寝ている最中、少しの胸騒ぎを覚え目を覚ますと、

その場所は、先程まで寝ていた荒野ではなく、見知らぬ石作りの廊下で俺一人が倒倒れ込んでいた。


俺は、起き上がり周りを見てみるも、やはりルナやイリー、アルミヤの姿はなく声を出して呼んでみても応答はなかった。


俺は後ろを振り返って見ると、外の様子の見える出口を見つけて出てみると、


外の景色は、下はどこまでも続きそうな奈落の底、上は雲にも届く程のタワーだった。


思わず

「たけーな」と、言いつつも、あまりこの状況に驚きを感じなかった。


どうやら異世界転移してから数日でいろんなことが起こりすぎて耐性がついたらしい。


そう思っていると、どこからか女性らしき声が聞こえてきた。


「あなたには今から、この迷宮に挑戦し頂上にいる姫を助けてもらいますわよ。」


俺はその時、そうかここは迷宮なのか。と、真面目に思っているわけなく、また面倒事に巻き込まれた、と、思いつつ早くここから出て寝たいので、情報収集もかねて


「おーい、お前がこの迷宮の持ち主なのかーどうやったら早くここから出してくれるんだ〜?」


そう聞いて見るも返答は無く、

だが、ただ止まっていても仕方なく、

この迷宮さえクリアーすればここから出してくれそうな気がしたので仕方なく、迷宮攻略が始まった。


とは言っても、この迷宮、外に高さ半分までは窓が付いているため、そこまではルナの教えてくれた炎属性魔法を少し改良した、

手のひらで一瞬だけ魔法を放ち小爆発させ、その勢いで空を飛ぶ、と言う魔法を使い一瞬にして半分まで到達することが出来た。


すると、またどこからか女性らしき声が聞こえてきた。


「そんなのずるいわよ!反則よ、反則!」


迷宮攻略に反則も何も無いだろ。そう思いつつ、


確かにこの迷宮を作ったのが、今話しかけて来た人ならそう言っても仕方ないんだろうが、と、真面目にツッコミつつ、


「俺にも事情があるんだ!早く帰りたいんだ!」


そう叫んだ。まぁ理由はただ単に寝たいだけだが。


その後俺は、少しの睡魔と共に順調に迷宮攻略をして行ったのだが、どうもこの迷宮には何かが足りないと思い始め、上にいるはずの迷宮の持ち主へと向かって


「おーい、なんでこの迷宮にはモンスターが1匹もいない罠だけの迷宮なんだぁ〜」


「なんでその事をあなたに教えないといけないんですかぁ〜?」

「まぁここまで辿りつくことが出来れば教えてあげてもいいけど。」


そう、一派置いて答えてくれた。何故答えるのを迷ったのかは分からないが。


俺は、その後も惜しみなく魔法を使い、引っかかった罠を魔法で破壊しつつ進み、あっという間に頂上へとついてしまった。


「意外と短かったなぁ」


と、感想を漏らしていると。


「よくぞここまで辿り着いたわね」


と、聞こえ、正面にあるステージのような場所の上に不自然に置いてある椅子を見ると、

そこには声の主であろう幼い中学生ぐらいの少女がいた。


「それで、姫を助けてもらいますわよ。そう言っていたけど貴方が姫かな?」


「そうよ私が、貴方が助けに来てくれた姫よ、そして貴方が王子様、つまり貴方と私は結ばれるのよ」


「はぁっ えっ おおお俺は今 お前にプププロポーズされているのかぁ?」


「そうよ、あなたを一目見て惚れたのよ。私も一応転移者なんだし、気軽に話せると思ったから。」


それを聞いた瞬間、俺は質問攻めをし始めていた。


「ひとまずプロポーズの件は置いといて、今お前私も一応転移者と、言ったがそれは本当か?あと何故、俺が転移者だと見抜けた。」


「まず私は本当に転移者わよ。この迷宮を作ったのも私のユニーク魔法、生物以外なら何でも作る事が出来る創造魔法のおかげで作れたのよ。

そしてあなたを転移者と見抜けたのは、貴方も、どんな魔法でも使うことが出来るというユニーク魔法を持っていたからわよ。まぁ多分私のユニーク魔法、までは使えないと思うけどね。」


そう言われ試して見ると、確かに創造魔法は使えなかった。


つま俺のユニーク魔法は、ほかのユニーク魔法までは使うことが出来ないということだ。


そう思っていると、質問に付け足しを加えてきた。


「あと、なんで初対面なのに貴方を知っているかは、ただ単に街で見かけてそこで惚れて、その後ずっと付けてたからわよ。

そして夜になった所を狙って貴方をこの迷宮にさらったのよ。貴方の実力も見たかったし。」


「こうして聞くとただのストーカーとしか聞こえないのだがお前はこの後どうしたいんだ?」


そう聞くと、なんだか分からんが最近多い爆弾発言をして来た。

「貴方のパーティーメンバーに入りたい!!」


そう目を輝かせて言って来たのだ。実際はちょっと予想していたけど。


だがまぁ、結局パーティーメンバーに入れないと、俺はここから出してもらえそうにないため、

「いいだろう。たがお前の夫にはならないからな。」


何とかこの条件で納得してもらい、俺は晴れて無事に、元の世界へと帰る事が出来た。


外はもう明るくなっていたため、寝るのは諦め目を開けると、テントの中で迷宮の持ち主が俺に抱きついて寝ていたのだった。


俺は、みんなに見られる前にすぐさま離さないと、そう思い肩を掴み引き剥がそうとすると、外から


「マサ〜そろそろ朝食出来るから早く起きてぇ〜」


そう言いながらテントをめくるルナと目が合い、修羅場が始まった。


そこからは、俺達は正座させられ、ものすごい勢いでみんなから説教が始まった。


その誤解をやっとの思いで、何とかして解き、夜にあった出来事を説明すると


「つまりこの子は、マサと同じ転移者でパーティーメンバーに入りたいと、そう言うことなの?」


「まぁそういう事だ。(プロポーズされたのは、伏せてある。)それでこいつをパーティーメンバーの中に入れてもいいよな?ついでに俺と一緒に故郷へ帰る事が出来るかもしれないし。」


「まぁそういうことなら仕方ないわね。えぇっと名前そう言えばなんだっけ?」


「ユキです。」


「それじゃあユキ、これからよろしくね。」

「よろしく」

「よろしく」


こうして俺達はまた新しいパーティーメンバーを加え、

今日が始まった。

ぜひ感想待っています。

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