荒野のヌシ
10章 荒野のヌシ
出発して程なくした時、俺は
「べチョ」
と、音と共に足に、なにかが触れたのを感じ向いて見ると、粘液みたいな液体が足に触れ靴を溶かしていた。
「うわぁっ なんだこりゃ!!」
生足にとどく前に、靴をすぐに脱ぎ捨てて様子を見ると、
みるみるうちに溶けてなくなっていった。
「みんな いったいさっきのなんだったんだ?」
俺はそう聞いてみるも、全員が首を傾げ、わからない様子でいた。
靴が片方なくなったため、すぐにユキの創造魔法で靴を作ってもらい、それを履いている時だった。
「ゴォゴォゴォゴォゴォッ………」
と、音と共に、正面の土が段々膨らんできて…
とうとう、その膨らみの正体が地面から現れた。
俺は、すぐさま戦闘態勢へと入るように指示し、現れたモンスターの行動を見極めていた。
何故、俺達がこんなにも警戒するのかは、
以前、街を出る際に領主さんから
「荒野を通る際は、ミューケスドラーと、言う荒野のヌシがおり、体から粘液を出して相手の体を徐々に溶かしていく、
顔の潰れた大きな蛇の様な体をしたモンスターがいますのでそのヌシだけは、注意して置いて下さい。」
との事だった。
そして、そのヌシが今まさに俺達の目の前に現れたのだ。
俺は、すぐさま魔法を放ち撃退しようとするも、
放った魔法は全て体の粘液により滑り、ダメージを与える事が出来なかった。
「あれ、どうやって倒せばいいんだよ。」
そう言いつつ、魔法を何度も放ってみるも、やはり結果は同じで全てダメージを与えることが出来なかった。
俺は、とりあえず弱点を探すため
「みんな、俺が弱点を探すから、その間あいつを魔法で引き付けておいてくれ。
魔法は、俺の供給魔法を使うからどんどん放っていいぞ。始め!!」
俺の合図と共に、俺達は二手に別れて作戦を実行し始めた。
作戦を始めて数分後の時だった。
水属性魔法を一点に集中して放ち続けていた結果、魔法を放った部分だけが一瞬だけ粘液を削ぎ落としたのだ。
それを見た瞬間、すぐに俺は、これが弱点だと思いみんなに向かって
「イリー、すぐに俺の所まで来てくれー。
それとルナ、俺が指示を出したあとすぐに俺の所まで来てくれー」
そう伝えると
「分かったわ。なにか弱点を見つけたのね。」
と、言い終わってすぐに、俺の所までイリーが来てくれ、すぐさま作戦とモンスターの弱点の内容を伝えた。
イリーに教えた作戦と弱点の内容は、このようなものだった。
まず最初に、先程見つけた、水属性魔法を一点に集中して放ち粘液を削ぎ落とす作業をイリーと一緒にして、一気に削ぎ落とし、範囲を広げ、その後ルナを呼び、削ぎ落とされた場所に向かって一気に炎属性魔法を放つ、と、いう作戦だった。
俺とイリーが作戦を実行に移して数十分の時だった。
やっとの思いで、ヌシの粘液の約2割を削ぎ落とすことに成功し、このまま魔法を当て続けつつ、
「ルナーそろそろ来てくれ。ほかのみんなもあと少しだ頑張ってくれ。」
そう言いって、ルナを呼び作戦と今の状況を説明して
すぐさまルナと同時に、炎属性魔法を放ち続けた。
数分後、ヌシは怯んだのか、鳴き声をあげ土の中へと逃げ帰って行った。
俺は念の為穴を覗き込み確認するも、どうやら本当に逃げ帰って行ったようだった。
だが、一安心をするのもつかの間、彼女達の方へ振り向いて見ると、そこには
服が粘液により溶けて、哀れもない姿になっている光景があったのだ。
俺はすぐさま後ろ向き
「俺は何も見てないぞ。」
と、主張するも
「何が、何も見てないぞ。わよ、そんな反応する時点で私達の哀れもない姿を見て興奮しているんじゃない。」
と、ユキが言ってくるので
「そんな興奮なんてしてないぞ!」
と、言い返すため振り向くと、既に彼女達の服はユキの創造魔法により、作り直されていた。
俺はちょっとの期待をしていなくもなかったので、その光景を見て、安堵と共にちょっぴり残念さを感じてしまい、ため息をつくと
「ほらやっぱり、マサは、私達のポロリに期待していたんでしょ。」
そう、図星の発言をしてきたので、誤魔化すため
「そっ そんな訳ないだろ。パッパッパーティーメンバーにそんな感情を抱くわけないだろ。」
と、動揺しつつ弁解すると
「まっ、今回はマサの作戦のおかげでヌシを撃退させる事が出来たので、今日の所は、そういうことにしといてあげるわよ。みんなもそれでいいわよね?」
そう、イリーが言ってくれたおかげで何とか、俺が変態扱いされるのを防ぐことが出来た。
こうして俺達は、1時間に及ぶ、ヌシ&彼女達の変態扱いに終止符を打ったのだった。
それからこよなくして夕方時、とうとう次の街、約8割を土がしめるソイルシティーが見えてきたのだった。
見てくださりありがとうございます。感想待っています。




