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第4話

少し遅くなりました(汗)

 紅連とカイが家を出て約3時間。

 2人は今岐阜区にいた。

 ちなみに尊が教えた中国への道筋には大阪区の国際空港から行くというものだった。

 しかし、如何せん2人は道筋を知らないため、ヒオリに付いていくしかなく、順調に目的地と逆の方へ進んでいった。


「ねぇ、ヒオリ。

 あとどれくらいかかるの?」


 すっかり懐かれたカイが聞いた。

 ヒオリは少し首をかしげる。


『あと少しです』


「…………そう」


 どこで聞いてもその返答しかしないヒオリに段々不安になってくる2人。

 また少し歩くと小さな街に着いた。

 今までも街は何回も通り過ぎたが、ヒオリは人に見えるため、あまり関わらずに過ぎてきた。

 閑静とした雰囲気。

 辺り一面に田んぼが広がっている。

 家は一軒一軒が小さいため、全ての茅葺きの屋根に太陽光が降り注いでいる。

 精霊と同盟を組んでから地球の大気は格段によくなった。

 その結果今紅連達の前に広がるような街が出来たのだ。

 精霊学園を卒業すると機械工学に進む者、精霊隊に入隊する者、色々いる中で農家で自給自足の生活という道も出来たのだ。


「ちゃっちゃと行くよ、紅連」


 カイは呆れ顔で、村のいたるものに興味を示している紅連に言った。

 今までも街を通る度にいつのまにかどこかに行きそうなことがあった。

 紅連は頬を膨らませ、


「いいじゃん、別に。

 急ぐ旅でもないんだし……」


「急ぐ旅なの!」


 カイはむくれる紅連をピシャッと抑えた。

 だが紅連はなおも抵抗する。

 紅連が、このまま行って本当に着くの? とか言っていると幼さの残る女性の声がかかった。


「何をしていらっしゃるんですか?」


 紅連とカイとヒオリは声の方を向いた。

 そこには紅連の半分ほどの身長をした少女がいた。

 あどけなさの残る顔。

 黒い髪を前でパッツンと切り、後髪は腰中ほどまで伸ばしている。

 そんな小学生のような子が首をかしげながら紅連達に話しかけてきたのだ。

 姿の見えないはずの紅連達に……。

 さすがに紅連達も呆気にとられていた。


「どうしたんですか?」


 再度首をかしげる少女。

 ぱっちりした目に潤いが目立っていた。


「え〜と……俺達が見えるの?」


 いち早く立ち直ったカイが聞いた。

 少女はクスッと笑い、


「何を言っていらっしゃるんですか。

 見えないわけないじゃないですか。

 それより……変わった服装ですね、どこから来たんです?」


 紅連とカイは互いに顔を見合わす。

 互いに信じられないといった顔だ。


「俺達が見えるのって尊だけじゃなかったんだ」


 紅連がつぶやいた。

 カイも顔をしかめて同意する。


「どうなさったんですか?」


 少女は不思議そうな目で2人を見比べていた。

 ヒオリはカイの後ろに隠れながらも少女を興味津々に見つめている。


「あ、ごめんね。

 え〜と……」


明葉(あけは)です。

 皆鳥明葉と言います」


 カイが詰まった理由を察知して、少女、明葉は名乗った。

 紅連達もつられて挨拶をかえす。


「紅連さんとカイさんですか。

 それとヒオリちゃん」


 明葉はヒオリに笑いかけた。

 ヒオリはすっかり警戒心をなくして明葉を観察していた。


「明葉ちゃんはこの村の子かい?」


 カイが聞いた。


「はい、今から竜神様にお参りにいくところなんです」


 紅連は竜神という言葉に反応した。


「竜神?」


「はい。

 この村の雨を降らせてくれている神様です。

 最近は全然雨降らなかったからこうやってお参りに行くんです」


 明葉はそう言ってお供え物をかかげた。

 紅連とカイは再び顔を見合わせた。

 2人の顔には懐疑と興味が入り混じっている。


「竜……ね。

 明葉ちゃん、俺達も一緒に言っていい?」


 明葉は一瞬目を丸くさせたが、すぐに笑顔になり、


「はい!

 竜神様もその方が喜んで下さると思います。

 村の人たちは竜神様の存在を信じてくれなくて……」


「なんで明葉ちゃんは信じるの?」


 紅連は疑問をぶつけた。


「私、竜神様にあったことがあるんです。

 今より小さい時に……」


************


 いつの間入ったのだろう。

 明葉は森の中に入っていた。

 普通の大人なら慌てることもない深さだが、小さな明葉にはまるで永久の迷宮に入ったかのように思われた。


「ここ、どこ?」


 迷ったことが把握できない明葉は弱々しい声でつぶやいた。

 辺りは静寂を保っていて、時折吹く風が緑の生い茂った樹木を揺らしていた。

 明葉はまるで世界から拒絶されたような疎外感を感じ、涙をこぼす。

 その時、明葉の頬に涙とは別の水滴が落ちてきた。

 葉と葉の間から見える空はすっかり黒に染まり、雨を降らしていた。

 やれることがなく呆然とその場に立ちながら濡れる明葉。

 すると雨の音に混じって風のうなるような音が聞こえてきた。


「ひっ」


 その音はまるで人の根源的な恐怖を煽るような音だ。


「何?」


 明葉は怯えながらも辺りを見回す。

 もう一度うなる音が聞こえたかと思うと、空を見上げる明葉の視界は白に染まった。

 蛇のような体躯。

 純白の鱗がびっしり生えていて、細長い顔には髭が伸びている。

 明葉が我を忘れて見ていると、それはギョロリと黄金色の目をこちらに向けた。

 それと同時に明葉の心に声が響く。


『矮小なる存在よ。

 我についてくるがよい』


 そう言うとその“白の存在”はまるで蛇が地を這うかのような動きで空を移動した。

 明葉は必死についていった。

 枝に顔をぶつけようが、転びそうになろうが……。


************


「……というわけで、私は助かったんです」


 黙って話を聞いていた紅連達は各々ため息をもらす。

 その表情は信じられないといった風情だ。

 しかし逆に目の前の少女が嘘を言っているとも思えなかった。


「少し話が長くなりましたね。

 行きましょう、竜神様の祠に。

 祠はすぐそこにあります」


 くるりと身を翻して歩き出した明葉に紅連達は後をついていった。


************


「う〜ん、今日は平和だったぁ」


 夕日も沈みだした時刻。

 尊は紅連達がいないので、久しぶりの1人を満喫していた。

 校内はもう部活をしている生徒しかいなく、尊も来週に控えたバレーの大会の助っ人のために軽く練習をしてきた。

 体育館から校門に向かう途中はコンクリートの床の廊下を通り、昇降口を出て少しした所にある。

 尊はまだ部活をしているサッカー部や野球部などをぼんやり眺めながら校門についた。


「すみません」


 校門を出てすぐに声がかかった。


「はい?」


 尊が声の方を見やると、1人の黒い衣をまとった男が立っていた。

 紫の髪を肩まで伸ばし、根元でくくられ、端正な顔立ちをしている。


「あなたが高神さんですか?」


「はい」


 尊は何もかもを見透かすかのような声に多少たじろぎながらも答えた。

 声の主はその答えを聞いて微笑んだ。


「よかった。

 あなたのお父様にお話があったんですが……家に誰もいなくて。

 で、娘さんがここだというので……ちなみに私こういうものです」


 尊は差し出された名刺を見た。

 名刺には“精霊隊京都支部長 縫島”と書かれていた。

 尊の目はこれでもかというくらいに開かれる。


(し、支部長〜!?

 ってことはお父さん達の上司だよね?)


「し、失礼しました。

 父もすぐに帰ると思いますので、どうぞ家にきてください。

 ぬ、ぬえしまさん?」

 尊はあまりの事実に我を忘れながらも答えた。


「はい、ぬえしまであってます」


 尊は安堵のため息を漏らしつつ、歩き出した。


************


「着きました、ここが竜神様の祠です」


 紅連達がたどり着いたのは森の奥にある洞穴だった。

 森は鬱蒼としていたが、その洞穴の周りだけまるで整備されたかのように開けていた。

 明葉は躊躇することなく中へ踏み込んで行く。

 紅連達もそれに従う。

 洞窟の中はじめじめとしていて、足場が悪く、容易には進めなかった。


「ここに竜神様が祭られています」


 洞窟の奥には竜の頭を模した石像が建っていた。

 カイの首から下げられた六角水晶が紫色に発光する。


「……!? 紅連」


「ああ」


 光った水晶を見た途端2人の表情が険しくなる。


「どうしたんですか?」


 それを見た明葉は小首を傾げた。

 カイは無理やり表情を作り直し、言う。


「なんでもないよ。

 なんでも……ね」


 明葉はまだ怪訝な表情をしていたが、気を取り直し、石像の前の台座に持ってきた供物を置いて、紅連達に向き直った。


「ありがとうございました。

 本音言うとここまで1人で来るのが怖かったんです」


 えへへ、とはにかむ明葉。


「いや、別にいいよ」


「これからどうなさるおつもりですか?」


 紅連とカイは顔を見合わせた。


「俺達はもう行くよ。

 急ぐ旅なんでね」


 紅連は明葉の頭にポンと手を置き言った。


「そうですか……森の抜け方は分かります?」


「ああ、大体分かるから帰っていいよ」


 明け葉はまだ釈然としていないようだが、一礼して歩を進めた。


「行くぞ、カイ」


 明葉が見えなくなった途端にさっきまでとは打って変わって厳しくなる紅連の表情。


「ああ……ヒオリ、ちょっとここで待っといてくれないか?」


 カイの表情も険しい。


「どこへ行くつもりですか?」


 そんな2人にかかる幼い声。

 そう、明葉だ。


「!?

 明葉ちゃん?

 帰ったんじゃ……」


「お2人が何か真剣な表情だったんで引き下がった真似をしただけです」


 紅連はかなわないなぁ、と苦笑いした。

 そして状況を説明する。


「このカイの首から下がってる水晶は……妖気を探知するんだ、かなり正確にね。

 それが今この石像に反応した……ってことは」


 紅連はペタペタと石像を探り始めた。

 すると首の周りの1枚の鱗を触った時、石像が音を立て、動いた。

 動いた先には下に降りる階段があった。

 明葉は驚いて声も出ないといった感じだ。


「やっぱり……。

 さて、明葉ちゃん、頼むからこれ以上は先には進ませないよ。

 ヒオリと待っといてくれないか?」


 明葉はコクンと頷いた。

 紅連はふっと微笑む。


「行くぞ、カイ」


「ああ、ヒオリ、一緒に待っててくれよ」


 カイはヒオリを明葉に預け、紅連に続いた。


「紅連、分かってるだろうけど、相手はおそらく中級の龍だ」


「中級?」


 紅連が聞き返した途端、カクンとこけそうになったカイ。


「はぁ。

 練介様がいなくてよかったね」


 紅連は口をとがらした。


「うっせぇな。

 なんで親父が出てくるんだよ」


 カイは人差し指を立てそうな勢いで説明した。


「いいかい?

 龍にも上、中、下級に分かれていて、主に伝承で出てくる龍は中級の姿なんだ。

 ちなみに下級は妖怪に似た姿で、上級は人間の姿をしているんだ」


 紅連はきょとんとして聞いていた。


「いつ教わったっけ?」


 カイはため息をついた。


「養成機関中に習っただろ?

 龍は絶対的な存在だから倒すのは相当難しいよ」


 そんな会話をしていると石段は終わり、再び足場の悪い洞窟になった。

 だがそれはすぐに終わった。

 通路の先には開けた空間になっていた。

 地底湖が広がり、その真ん中には白い龍が堂々ととぐろを巻いて寝ていた。


「あれが……竜神様か」


 紅連は手を口にあて、叫んだ。


「おい、竜神様!

 みんな雨が降らなくて困っているんだ!

 なんとかしてくれよ!」


 龍は重々しく首をあげた。


『……馬鹿な奴らだ』


 そう声を発した瞬間、紅連とカイの後ろから影が迫った。

 龍はほくそ笑む。


「馬鹿はあんただよ」


 紅連達は影がに当たるかと思った瞬間、上に飛び回避した。


『何!?』


 紅連とカイは影を見る。

 そこには白とは対照的な黒の龍がいた。


「俺のこの水晶は龍には反応しない。

 ってことは龍を支配できる力、つまり“邪龍”しかいないからな」


 黒い体表。

 瞳も黒くまがまがしいオーラがただよっている。


『くくくっ、ひと思いに楽にしてやろうと思ったが、そういう態度なら苦しませて殺してやろう』


 黒の瞳が怪しく揺れた。


「ほざくな。

 朧火」


 紅連のはなった火の玉は真っ直ぐに邪龍に飛んでいったが、目の前に出された尻尾によって遮断された。


「まだだ。

 疾れ稲妻」


 カイが剣に手をかざすと剣にバチバチと稲妻がはしった。

 カイはひとっ飛びで3階分はあろうかという龍の顔にいき、顔を横に切り裂いた。

 邪龍は苦しそうに呻き、尻尾をめちゃくちゃに振り回した。

 次々と洞窟内の岩が破壊される。

 紅連は崩れ落ちる岩に飛び移りながら龍の顔の前までたどり着いた。

 手をかざし叫ぶ。


「くらいな、業火」


 紅連の手から発せられた赤黒い炎はそのまま龍の顔に直撃した。

 龍はさらに悶え苦しむ。

 だが次の瞬間、紅連のつけた火傷も、カイのつけた斬撃跡も、みるみるうちに回復していった。


「あ、そう。

 そう簡単にはやらせてくれねぇか。

 カイ、“詠唱”にうつる。

 時間稼いでくれや」


 紅連は体の前で手を合わし、足を肩幅に広げ、言った。

 カイは黙ってうなずく。


「いくぜ。

 “総ての風よ、炎に還れ。

 総ての水よ、炎に還れ。

 総ての土よ、炎に還れ。

 総ての稲妻よ、炎に還れ……」


 カイは龍が紅連に注意を向かせないように、紅連とは反対側から攻撃した。

 案の定、龍の注意はカイに向く。

 カイは襲ってきた尻尾を跳んで避け、そのままの勢いで顔まで行く。

 だが今度は龍が眼前で噛みついてきた。


「くっ」


 カイは間一髪で避け、地面に降り立った。


「電光石火・極!」


 カイの姿は一瞬で消え、次の瞬間、龍の頬は切り裂かれていた。

 何度も何度も切り裂かれる龍の顔。

 だがそれは圧倒的な回復力で傷は消えていった。

 そしてついに龍は紅連の方を向いた。


「炎よ舞え、炎よ暴れよ、総てを飲み込み、喰らい尽くせ」


 龍はものすごい勢いで紅連に迫った。


 紅連は目を開け、笑い、叫んだ。


「総てを焼き尽くせ!

 焔弔(ほのおのとむらい)!!!!」


 激しい爆発音と共に紅連の手から炎が発せられた。

 発せられた炎は龍を包み球状になる。

 紅連は右手を前にかざし、握った。


『グキャアァアァ!!』


 握られた手に呼応するかのように、炎の球は龍を包んだまま小さくなった。

 龍の断末魔の悲鳴を残して。

 紅連が再び手を開くと、炎もはじけ、後には何も残らなかった。


「ふぅ」


 額にうっすらかいた汗を拭いため息をつく紅連。


「よくやったよ、紅連」


「なんでそんな上から目線なんだよ」


 2人は笑い、拳を合わせた。


『感謝するぞ。

 異彩の力を持つもの達よ』


 今度は白い龍が言葉を発した。

 その瞳は先ほどまでとは比べきれないくらい澄んでいる。


「あんたが竜神様か」


 紅連がぶっきらぼうに聞いた。


『いかにも。

 恥ずかしながら、邪龍に精神を支配されていたようだが』


 まるで地の底から語りかけてくるかのような声だ。


「へっ、まぁ相手が中級邪龍で助かったよ。

 支配されたあんたまで動いたんじゃしゃれになんねぇからな」


 白い龍はふっと微笑んだ。


「そんなことより雨を降らしてくれよ。

 みんな困っているから……そうだ、あんた、龍火草っての知ってるかい?」


『雨は降らせよう。

 龍火草ならここにある』


 白い龍が体を動かすとそこには一本の草が生えていた。

 毒々しい紫色に真っ赤な実がついている。


「……マジだ」


 紅連もカイも驚いて声も出ない。


『不思議なことではない。

 本来龍火草とは龍が長年育んだ命の源のことだ。

 良いぞ、食べて。

 お主達には世話になった』


「ほんとか?

 ……じゃあ」


 紅連は岩を伝い龍の所へ行き、龍火草を掴んだ。

 ごくりと生唾を飲む。


『しかし、本当に良いのか?

 下手をすれば死ぬぞ』


 それを聞いた紅連は不敵に笑った。


「当たって砕けろが俺の性分なんでね」


「砕けたら死ぬよ〜、紅連」


 端の方でのほほんとつっこむカイ。

 紅連は頬をピクッと動かした。


「……じゃあ、行くぞ」


 紅連は目を閉じて草を飲み込んだ。

 そのままぱたっと倒れる。


『しばらくはこの状態であろう。

 …………!?』


 カイはいきなり言葉を止めた龍をいぶかしんだが、すぐに己の胸元を見て事態を把握した。


『どうやら、招かれざる客のようだな』


 カイはすぐに入り口から離れた。

 そして剣を構える。

 空洞の空間に足を踏み入れたのは、


「や、夜叉……」


 白い着物に鬼の面をかぶった姿。

 腰には黒の鞘の剣を携えている。


「ふふふ、ようやく会えたわね、カイ」


 透き通るような声が空間に響いた。


「何をしにきた?

 ……いや、お前、入り口にいた明葉とヒオリはどうした!?」


 夜叉は怪しく微笑んだ。


「心配することはないよ。

 ただ眠らせてきただけ」


 カイは納得しない様子だ。


「ふふ、本当よ。

 ここにはただ1人を殺しにきただけ。

 カイ、あなたをね!」


 夜叉は一瞬でカイに迫った。

 その剣撃をかろうじて受け止めるカイ。

 白い龍も攻撃しようと動いが、


「あなたは邪魔。

 これと遊んでて」


 夜叉は懐から小さな箱を取り出し投げた。

 すると、箱は空中ではじけ、中から龍と同じくらいの大きさの物体が音をたて、着地した。

 灰色の体表にぎょろりとした目が4つ顔の横についている。

 肩から触手が4本生えていて、所々が苔むしていた。


「ふふ、さぁカイ。

 2人だけの時間を楽しみましょ」


 夜叉は怪しく微笑み、剣を振り上げた。

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