ワカイスープ
ねえ
どうして冷たくするの?
そんな眼差しで
私のハラワタえぐって
何がしたいの?
一方通行嫌悪
覚えのない憎しみ
腐肉の塊
抜かれた腹の中
詰め込まれる
巡るアンモニア臭
眩暈起こし
吐いた心
血まみれの床
ころころ転がり
あっという間に汚れる
ねえ
どうして意地悪するの?
そんな言葉で
私のコツズイ潰して
何がしたいの?
巧みなセッション
巧妙な悪意
身体中巻かれて
粉々の原形
香りづけは偽善
彩りは裏切り
すべての出汁は
自己防衛と身勝手な
妬み
無垢な思いは
生ゴミに捨てられた
たちこめる臭いに
そうか
あなたも目を背けるのか
汚ないその手で作り上げた私を
あなたは
食さないと言う
気に入らない
見たくもない
と
だが達人は
腐ったあなたを取り上げると
臭いたつその体
涙で洗い流し
愛と塩をふりかけ
優しさとオリーブ油塗りこみ
熱情の炎で
偽善を焼き焦がす
すると
妬みで発酵した身から
純白のホネが現れ
微かに芳しい香りがする
達人は
冷えて硬くなった私
解きほぐし
まな板の上に
怒りをのせて
忘却という名の刃を
入刀する
ぐつぐつ煮え立つ
真実の鍋の中
不純物のないあなた
と
腑抜けな私
香りづけは勇気
彩りは誠実
すべての出汁は
あなたと私の
謙遜さ
時間をかけて煮込めば
私もあなたも
美味しいスープになりました




