明日の夜明け
この山に登り始めてから、もう40年になる。
私は、この山の頂から生まれたばかりの太陽を望むのが一番好きである。しかし、時間は、容赦なく私に襲い掛かる。
「今日は、少し……疲れた」
そう言いながら私は腰を下ろした。熱いコーヒーをカップに注ぎ、一息ついた。そして、今見ているこの風景を、生まれ来る太陽をずっと見ていたいと思った。
その感情は、いつしか涙となり、私の視界をくもらせていた。
---完---
読んでいただきありがとうございます。この話しは、次の日の太陽も必ず見たいという思いを込めて、短いですが書いてみました。