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第40話【情報共有】

 説明回。

 どうしてもこの手の話は、間の文を入れる関係で長くなってしまいます。

 サクッと進める方法が無いか模索してますが、どうにも納得できないので結局長くなります。

 とはいっても、いままでのに比べたら、という量ですけどね(^ ^;



 本気になった守鎖之(すさの)は、こころより圧倒的に強い。それは厳然たる事実だ。


 【心合】によって霊と同調しようとも、地力を元に用意されたこころのシールドビットの限界性能は、守鎖之の両刃剣よりも劣る。

 また、同調していても、ビットを操るのはこころ自身。(くしび)の【心力】と思考を共有するだけ。

 霊は守鎖之の超高速斬撃【鷹落とし】を、初見で見切っているが、こころは違う。剣戟やその振り方、果ては守鎖之の狙い所など、霊を通して理解しているだけだ。


―――見切ってはいない。でも理解はしている。この違いは大きい―――


 霊は、守鎖之がビットを全て叩き落とし、無力化しようとしている事を察している。


 こころの技量では、まだ守鎖之の【鷹落とし】を攻略できない。狙われたら、確実にビットを撃墜される。


 それが分かっている。【鷹落とし】が超高速の斬撃であること、確実に撃墜されること。


―――ビットは9機残ってる。大丈夫。いけるよ―――


 だから、撃墜されることを逆手に取る。


 守鎖之の武器は一つ。対してこころは、9機。これが、勝機となる。


「―――行きますっ!」


 9機のビットが、一斉に守鎖之に殺到。

 包囲し、砲撃。砲口から青い【心力弾】が、たて続けに放たれる。


「まずは……そこだっ!」


 巧みな剣捌きを見せ、時には回避して見せる守鎖之。開始直後に比べれば、ビットの数は約半数になっている。だからこそ、守鎖之は対処できた。


 そして放たれる、超高速斬撃【鷹落とし】。


 白い斬線が、ビットの一つを捉え、重なり、二つに割る。


―――狙い通り。同じ事を続けてやってくれるのは、ありがたいね―――


 1機撃墜されたのは、霊の想定の範囲内。だからこころは動揺しない。

 むしろ、ここからが勝負。


「―――今っ!!」


 声をあげて気合を入れる。


 1機撃墜の直後、守鎖之は一瞬の間、硬直する。隙ができるのだ。

 超高速の斬撃は、裏を返せば一撃必殺。二の手は無い。そこが狙い目。


 隙あり、とばかりに、動きの止まった守鎖之に、8機のビットが砲撃を叩きこむ。それも、ただ叩きこむだけじゃない。


 絶対に避けられないタイミングは、霊が見切っている。それをもとに、こころがビットに対し、最高のタイミングで砲撃を加えるよう指令を出す。

 しかも一点集中。

 守鎖之の目の前に、8機のビットを集め、火線を一つに絞る。


「なっ―――」


 さすが、というべきか、守鎖之は動けないながらも、両刃剣を盾にして、8つの集中砲火を受け止めた。


―――大丈夫。押し切って―――

「はいっ!!」


 砲撃に捉えられた守鎖之に、脱出する術は無い。


 確かに【心器】の性能差は辛い。出力できる最大値が違う。

 しかし、両刃剣が1つに対し、ビットは8機。1機だけでは両刃剣に及ぶべくもないが、8機あれば質を量で補える。


「ぐぐぐっ……」


 白い両刃剣に、亀裂が奔る。

 過負荷を掛けられ、守鎖之の【心器】は崩壊寸前。


「バカ、なっ……くっ!!」


 破壊される。つまり……負ける。


 最悪の結末が、守鎖之の脳裏を過ぎったとき、新たな影が現れた。



「ダリぃけど~~~! そこまでだ~~~!!」



 守鎖之の前に現れ、ビットの砲撃を受けと止めた人物。

 それは、1年1組の担当教官にして、閃羽のNo.2ナイトクラス、篤情竹馬(あつじょう ちくば)


 小太刀二刀の【心器】を交差させ、ビットの砲撃を受け止めている。


「あ、篤情(あつじょう)教官?! ど、どうして?!」

―――とりあえず、戦闘中止かな―――


 霊の冷静な思考により、こころはすぐにビットを停止させる。


 砲撃の止んだビットはすぐに離れるも、しかし守鎖之を包囲したまま。こころは警戒を解いていなかった。


「おいおい純愛(じゅんない)。オレが来たんだから、そう警戒しなさんなよダリィなぁ」

「……」


 警戒心を剥き出しにするこころに、竹馬は苦笑。

 警戒されているのは自分ではなく、背後に守鎖之であることが丸わかりだったから。


「篤情教官!! なぜここに?! というか、邪魔をするなっ!!」

「おいおい。危ないところを助けてやったのにそれはダリぃぞ大和(おおわ)。あのままだったら大怪我じゃ済まなかったかもしれないんだぞ?

 というかな、さすがにあれほどの【心力】は危険だ。この戦闘は中止だ中止」


「ば、バカなことを! 勝手に終わらすな!!」

「っていうか、この戦闘の目的は、御神が訓練した奴らの成果を見るためのものだろうが。結果は十分出てる。見ろ」


 そういって、守鎖之の背後を指さす竹馬。


 その先には、守鎖之にとって信じ難い光景が広がっていた。


「ば、バカな……全滅、だと……」


 守鎖之が視線を向けた時、第1チーム【最後の生き残り】が、第7チームの針村槍姫のランスによって、気絶させられたところだった。


「ま、言いたい事は多々あるだろうが、まずは自分のチームとしっかり反省会をしてからだな。

 それとな大和、お前、ナイトクラス権限の機密、外でベラベラしゃべくってんじゃねぇぞ? その点についての話も、後日行うからそのつもりでな?」


 呆然としている守鎖之をそのままに、竹馬は霊とこころに視線を向ける。


「ところで御神。おまえは手出ししないって約束だろ? ルール違反だダリぃな」

「そういえばそうでしたね。といっても、直接手は出してませんよ?」


「理事長が【心合】を知っていた。純愛はおまえの【心力】も使って戦闘しただろ?」

「でも手は出してませんよ。強いて言うなら、【(こころ)】を出しました」


「上手い事言ってもダメなものはダメ。戦闘は中止。ほれ解散解散。さっさとしろよダリぃなぁ~」


 パンパンっ、と手を叩いて解散を促す竹馬。


 霊とこころは、素直に従う。

 離れた場所で、第1チームを退けた槍姫(そうき)(ほがら)も事態に気付き、合流。戦闘中止となったことを伝え、訓練場の外へ出て行った。


「はぁ……しっかし……これ、どうすんだよ」


 心底困ったような溜息を吐きながら、竹馬は己の小太刀二刀を見る。


 完全にガタが来ていた。

 守鎖之の両刃剣ですら壊れかけた、8機分の【心力弾】。それを受け止めた小太刀は、見た目には損傷が無い。


 が、使い手としては不安が残るほどのダメージを受けた、と直感。というか、【心器】に使われている【CMPコア】や【心経回路】がヤバそうだと分かった。


「これは必要経費だけじゃ賄えねぇぞ……くうぅぅぅ、今月の酒、節約しねぇとなぁ。それと、つまみのあんみつ……はダメだ。あれだけは譲れねぇっ」


 ナイトクラス専用【心器】は、生産コストが高い。ある程度は軍からの経費で修理可能だが……どう見てもオーバーホール並みの整備が必要そうだ。ここまでくると、自腹を切らないといけないレベル。


 ぼさぼさな髪を掻き毟りながら、酒よりもあんみつを優先するという竹馬。

 普通は逆だろ。というかつまみにあんみつは違うだろう。


 と、聞いているものがいたら確実につっこまれるような決心が、彼の心に刻まれた瞬間だった。




◆ ◆ ■ ◆ ◆




 野外訓練場を出た霊たちは、観戦していた(がい)たち一行に声を掛けられ、合流した。


「おう御神。それと3人娘よ。なかなか面白いものを見せてもらったぞ!」

(がい)先輩……なんで、ここにいるんですか? 今は授業のはずじゃ?」


 霊の疑問はもっともで、普通の生徒は午前中、座学の授業を受けているはず。休み時間でもないのに、ここにいるのは不自然だった。


「ふんっ。身に入らんようなつまらん授業より、貴様たちの見物をしていた方がよほどためになる。それで、駄教師を黙らせてここに来てやったのだ!」

「黙らせたって……いえ、それより、なんでぼく達が、ここにいる事を?」


「それはだな、俺様のチームメイトである、こ奴が情報源でな」

火村瀬名(ひむら せな)という。君たちの事は輝角(きかど)から聞いている。よろしく」


 自己紹介の後、霊に手を差し出してくる瀬名。

 その手を握り、霊も挨拶を返す。


「はあ、ええと……よろしくお願いします」

「火村はな、理事長の孫であってな。その関係で今回の件を知ったそうだ」


「そう、なんですか?」

「ああ、実はそうなんだ。それに、刀型の【心器】を使える数少ない使い手ということで、興味を持っていた。時間があれば、いずれ手合わせ願いたいな」

「火村も刀型【心器】を使える奴でな。探索部にスカウトしたいのだが、なかなか色良い返事をくれないのだ」


 刀型【心器】を使える人……正確には、【心力】を纏わせられる使い手は少ない。だから凱が探索部に欲しているのも頷けた。


「むむ! そうだ御神! 火村を負かせて、探索部にブチ込んでしまえ!!」

「ふっ……輝角もしつこいな」


「何を言うか! こちらは三顧の礼をもって誘っているというのに、(ことごと)く袖にしおって……」

「だからこちらも、三顧の礼に報いるよう、丁重にお断りしているだろう?」


 ぎゃあぎゃあ詰め寄る凱に対し、涼しげな様子で対応する瀬名。

 そこに険悪な雰囲気はなく、ただじゃれあっているように感じるのは、この2人がお互いを認め合っているからだろう。


「今日はいい物を見せてもらった。いずれ、君とはゆっくり話をしたいものだ。では、私はこれで失礼する」


 ひとしきり言い合ったあと、瀬名は霊に向けて言葉を告げ、颯爽とその場を後にした。

 向かう先は校舎ではなく、校門の方向。どうやら、これから先の授業はボイコットするようだ。


 穏やかで賢そうに見えて、いい性格をしているようだ。さすがに凱とチームを組んでいるだけはある。


「ところでよぉ、霊。テメェと純愛、いいコンビじゃねぇかよ? 【心合(こころあわせ)】……これで【殺神器】がありゃあ―――」

「うるさいよ昂」


 冷たく、鋭い声だった。

 場の雰囲気が、一気に重くなる。


「【心合】が使えるから、なに? だから? 使えるからどうするの?」


「けっ。決まってんだろ? 【沖ノ大鳥島】が落ちたってことは、事態は急変したってことだ。【能天使】を倒しても、奴らは戦略的な動きが出来てるってことだろ? 十中八九、【沖ノ大鳥島】を落としたのは、ジェネラルクラス……それも、エレメントタイプ。【リン】や【ババア】がここに居ない以上、オレ達じゃあ相性が悪すぎる。

 そこで、だ……【心合】でおまえと同調した純愛の【感応者】としての才能があれば、閃羽に大きな被害を出さずに、この島国で仕留められんだろうが」


「……必要無いね」


 キッパリと言い切る霊の声音は、冷たくなる一方。


「エレメントタイプだろうと、ジェネラルクラスなら対応は可能だよ。それに、まだ戦略的な動きが出来ると断定するのは早計だ。戦術単位で動いた結果、たまたま【沖ノ大鳥島】に行き着いて、落とせただけかもしれない。

 これは、想定の範囲内だし、おじいちゃんも生前、そのことについては言及していたでしょ? 【能天使】を倒しても、各地の防衛の要所が落とされる可能性は、ゼロではないと」


「本気で言ってんのか? 純愛を戦わせたくないから、そんな甘っちょろいこと言ってんじゃねぇだろうなゴラァ」

「……なに? ジェネラル相手にビビった? その程度の気持ちで神を殺そうとか……そっちこそ、本気で言ってる?」

「ア? んだテメェ? 舐めたこと言ってんじゃねぇぞゴラァ……」


 霊と昂。二人の間に、緊迫した空気が漂い始める。


「ちょちょ、ちょっと待ってよ2人とも! 私達には全然分からない話だよ!?」

「そうだぞ。さっきも【沖ノ大鳥島】なる単語が出て来たが、私達には知らない事だらけだ。それについて説明してくれるという約束だっただろう? 説明する前に話を進めて、喧嘩腰になるのは如何なるものかと思うぞ?」


 割って入ったのは、朗と槍姫。

 正直、2人に暴れられると、被害が甚大になる。何より、こんな険悪な状態で人外大戦なんか勃発したら、昂が乱入してきたとき以上の被害が出るのは確実。


 事態を飲み込むためにも、必死で宥めすかす。


「……そうだね。説明はするって約束したし……知っておいてもらった方が、もしものとき、助けになるかもしれないね」


 霊は少しの間、考える素振りを見せ、こころに言った。


「こころ。誠さんに連絡取れるかな? 本当はちゃんと時間を取って話し合いたいんだけど、今すぐ、【心衛軍】の代表者全員に、話しておきたいことがあるんだ」

「あ、はい。ビットを使えば、すぐにでも連絡が取れると思います。でも、あの……霊くん、その話し合いには、私達は……?」

「大丈夫。言ったでしょ? 知っておいてもらった方が、もしものとき助けになるって」


 除け者にされるのかと不安がるこころに、霊は困ったように笑って安心するよう諭した。




◆ ◆ ■ ◆ ◆




「現在、公式に認められているナイトクラスは5人。純愛誠(じゅんない まこと)大佐、篤情竹馬《あつじょう ちくば》少佐。針村槍守はりむら そうじゅ大尉、(わたくし)こと冴澄理知子(さえずみ りちこ)中尉、そして大和守鎖之(おおわ すさの)くん。

 非公式は2人。御神霊(みかみ くしび)くんと憤激昂(ふんげき こう)くんですね。

 初顔合わせの面々がいらっしゃいますので、簡単に説明させていただきました」


 【心衛軍】の上級幹部が使う会議室に、霊たちは通され、そこで各々の紹介を簡潔にされた。


 霊と昂は非公式ながら、閃羽政府からナイトクラスとしての権限を与えられている。

 だが2人とも、今までまともに、こういった会議に参加したことはない。

 特に、昂は全くと言っていいほど、守鎖之を除くナイトクラスの面々と顔を合わせたことがない。


「さて、霊くんがこうしてナイトクラスに招集をかけてくれたのは幸いだった。いくつか報告しておきたいことが、こちらにもあったのでな……。

 しかし、ナイトクラス以外の人間……部外者を連れている理由は、聞かせてくれるのだろうな?」


 ナイトクラスによる会議であるはずなのに、学生がいる事を問い詰める誠。

 第7チームの面々に、凱までもいるのだから当然だろう。特に、自分の娘がいるのだから、心中穏やかではない。


 射抜くような視線だったが、霊は意に反さず、淀みなく答える。


「はい。一つは、彼らは実戦に耐えうる程の実力を持ちはじめています。

 次に、情報の共有。多数に与えてしまえば混乱してしまう人も出るでしょう。しかし、要となる少数に予め備えてもらえれば、ぼくらとしても動きやすい。有事の際には、ぼくらの手の届かない範囲を任せるつもりです」


 霊といえど万能ではない。手が足りなくなることもあるだろう。だからこそ、ロードクラスの資質を持つ準や凱を見つけても、第7チームの3人娘に訓練を施し、鍛え上げた。


 正直にいえば、誠は霊と昂以外には席を外して欲しかったのだが……霊に実力行使はできないため、取り敢えずの許しを出す。


「ふむ……まあ、君がそう言うのであれば、信じよう。さて……どちらからの報告を聞くかね?」

「では、ぼくらの……【殺神者】からの情報を提供します」


 霊はメモリースティックを取りだし、会議室の壁際にあるスクリーンに情報を呼び出した。


「旧時代において、日本と呼ばれていたこの島国の南には、【沖ノ鳥島】という小島が存在していました。しかし大地震による地殻変動によって、海底からマグマが噴出。【沖ノ鳥島】に隣接する形で大きな島が出来上がり、そこは日本が管轄する事になりました。

 それが、【沖ノ大鳥島】です。

 面積も十分にあったため、当時の最新型遠心分離機を用いて、農耕等が出来るように土壌改良したあと、人が住むようになりました。

 その直後、です。【心蝕獣】が現れたのは。【沖ノ大鳥島】は【心蝕獣】に対する南方の要塞として改造され、世界中の情報が断絶されたなかでも、独立して生き残っていました」


 スクリーンに地図が映り、件に上った【沖ノ大鳥島】のある位置を指す。


「その【沖ノ大鳥島】が……【心蝕獣】によって落とされました」


 スクリーンから目を話、会議室全体を見回しながら続ける。


「要塞化された【沖ノ大鳥島】は、閃羽以上の堅牢な防衛能力を持っていたはずです。それこそ、数体のナイトクラスの【心蝕獣】に攻められても大丈夫なほど……。

 なにより、海に囲まれているため、飛行能力を持つポーンクラスしか攻めようがありませんでしたし」


 飛行能力を持つ【心蝕獣】は最下級のポーンアイズのみが確認されている。だから上空からの奇襲を防ぐために、バリアシールドが閃羽の上空を覆っている。

 これは、人類に残された数少ない有利な条件であり、ルーククラス以上の【心蝕獣】が飛行能力を持っていた場合、人類はすでに滅んでいただろうと云われている。


「数の力で潰されたのとは、違うのけぇ?」

「可能性としてはあります。ただ、それにはポーンアイズが数万体は必要でしょうが」


 槍姫の父親である槍守からの質問に、可能性はあるとしながらもキッパリと霊は否定。


「では、他に理由があるという事ですか?」


 理知子が結論を求め、霊を見つめる。


「はい。海を渡れる……飛行能力を持つ【心蝕獣】は、ポーンアイズの他にはロードクラスが考えられます。ジェネラルクラス……先月に襲ってきた群れの司令塔、ジェネラルゴーレムは、まず海を渡れません。ジェネラル・メーカーが、同じく先月に潜り込んで来た商人達のように持ち込まれれば、もしかしたら有り得るかもしれません。

 しかし、ぼく達【殺神者】の見解は、今言ったどれにも当てはまらないというものです」


 【沖ノ大鳥島】に辿りつけるのは、実質的にはポーンアイズかロードクラス。しかしどちらも可能性は低いという。


 霊の説明を受けて、誠が問う。


「では、何が原因だと?」

「ジェネラルクラスは、大別して3種類に分けられます。

 もっとも数の多い巨人型……ゴーレムタイプ。

 【心蝕獣】を生み出す機関型……メーカータイプ。

 そして最後の一つ……エレメントタイプです」


 聞き慣れない【心蝕獣】のタイプに、昂以外の全員が眉根を寄せた。


「定形ではなく不定形。結論を言ってしまえば、【心蝕獣】そのものが自然現象……炎や風、雷、水といった形を取るのが、エレメントタイプと呼ばれています」


 霊は再びスクリーン上に映る【沖ノ大鳥島】の位置を指差した。


「【沖ノ大鳥島】を落としたのも、このエレメントタイプではないかと考えています」


「ふむ……だが霊くん。なぜ、ロードクラスではないと?」


「わざわざ海を渡って侵攻しようとする……言い換えれば、世界規模での動きをさせる司令塔は、現在の【心蝕獣】にはいないはずなんです」


「おいおい待てよ御神。それじゃあまるで、【心蝕獣】に戦略目標があるみたいな言い方じゃないか? あいつらが知的生命体とでもいうのかよ?」


「はい。とはいっても一部の種だけですけど」


「マジかよ……。ダリぃなぁ……」


 ただ強力な獣なら、知恵のある人類にも勝機はあると、竹馬は思っていた。しかし、霊の話を……【心蝕獣】にも知恵があると聞いて、ゲンナリした様子を見せた。


 そんな竹馬を置いて、誠が再度問うた。


「今は居ないはずと言ったな? どういう事だ?」


「【心蝕獣】の頂点は【ゴッド】ですが、全体の動きを統率していたのは、【能天使エクスィア】。序列6位のロードクラス。エクスィアは神から【心蝕獣】全体の指揮・統率権を与えられ、瞬く間に5大陸の主要都市を殲滅しました」

「まあ、4年前にオレ等がぶっ殺したけどなっ」


 鼻で笑いながら、昂が間を入れる。短い間だったので、霊は構わずに話を続けた。


「エクスィアは、世界中の【心蝕獣】の動きを把握する能力を有し、組織的な行動を可能にさせていました。

 よって、【殺神者】の第一目標は、【心蝕獣】の組織的行動の弱体化……エクスィアの抹殺でした」


 【心蝕獣】の猛攻を止める鍵となる存在……それが、【能天使エクスィア】だった。


「エクスィアを倒したことにより、【心蝕獣】は組織的な行動を制限され、個体ごと、または群れ単位での戦術的な動きしか出来なくなったはずなんです」


「はず、ということは……確定ではないと?」


「いえ、戦略的な行動が出来なくなったのは事実です。5大陸での【心蝕獣】の侵攻は鎮静・弱体化し、人類の敗退に歯止めが掛かったのが確認されています。

 大陸から隔絶されたこの島国では、実感するほど影響がないんですけどね……」


 【心蝕獣】は大陸を中心に襲っていた。だから海に囲まれた島国は、大陸ほど悲惨な結果が出ている訳ではない。とはいっても、【心蝕獣】の被害は島国であっても甚大で、閃羽以外に人類が拠点としている場所は、2ケタもないだろう。


 余談だが、閃羽が確認している都市は2か所だけ。その2か所と僅かながらの交易が行われていた。


「それで、エクスィアを倒して戦略的な弱体化を図れても、戦術単位での行動で、各地の要所が落とされる可能性は否定できない……おじいちゃんが、生前そんな警告をしていました」


 エクスィアを倒しても、【心蝕獣】の侵攻は弱まっても、止まらないかもしれない……それが、弦斎の予測だった。


「戦術単位での統率をするジェネラルで【沖ノ大鳥島】を落とせる……それはジェネラルエレメントしか考えられないんです。ロードクラスは、エクスィア以外は単独で行動するものですからね。【殺神者】が最後に【沖ノ大鳥島】の情報を把握していた段階では、【心蝕獣】は数百単位で居たそうです。飛行能力を持たない【心蝕獣】を運ぶ役目を兼ねた、戦術単位の頭……ジェネラルタイプのなかでもエレメントタイプならば可能というわけです」


 ポーンアイズは自力で海を渡れる。

 では、それ以外の【心蝕獣】はというと……ジェネラルクラスのエレメントタイプに運ばれ、海を超えて来た……というのが、【殺神者】の見解だった。


「【沖ノ大鳥島】が落とされたという事は、この島国は南方の海……旧時代で太平洋と呼ばれた海からの、ポーンアイズの侵攻を食い止める場所が無くなった事を意味します」


「これまで以上に、【心蝕獣】の襲来が起きる……と、いうことだな?」


「ええ。目下のところ、【沖ノ大鳥島】を落とした集団が、この島国に向かっていることが予想されます。至急、迎撃態勢を整えて欲しいんです」


「と言ってもよ、御神……ジェネラルクラスなら、おまえたちロードクラスで対処できるんだろ?」


「……確実にとは、言えません」


 竹馬の問いに、霊は言葉を若干濁らせた。


「相性の問題があんだよ。エレメントタイプはロードクラスほどの力は無くても厄介な存在だ。核となる心臓部をブチ抜けば、それで終いだけどよ、そいつを見つけ出すのに苦労すんだよ」


「例えば、炎のジェネラルであれば、その炎の中に核があります。炎といっても、山火事に匹敵するほどの大規模なものです。その中から核を見つけるのは至難の業。

 この場合、核を見つけるには、すべての炎を消すか、【感応者】による索敵で、核を見つけてもらうしかありません」


「そこで純愛……おっと、そういえば2人いるんだよな? そこで純愛こころの出番って、オレが言ってる訳だゴラァ」


 口の端を釣り上げなら言う昂。


 娘の名前を出された誠は、鋭い声で聞き返す。


「どういうことだ?」

「霊との【心合】で同調強化された【心力】なら、ジェネラルクラスにも対抗出来んだろうよ。さっき見たけどよ、アレならいけるとオレは思うぜぇ?」


 【心合】。その言葉に、誠は過剰とも言える驚きを示した。


「なっ……【心合】だと?! 本当か、こころ?!」

「えっ……は、はい、お父さん」

「あ~……純愛大佐? オレもさっき確認したんスよ。御神と大佐の娘さん、【心合】をやってました」


 先刻の、第1チームと第7チームの戦闘中に起きた、霊とこころの【心合】について、竹馬が概要を説明する。


 その説明を聞いた誠は、驚きを残しながらも、妙に納得した気分で背もたれに寄りかかった。


(ゆずる)麗那(れいな)が出来ていたのだから、その息子である霊くんもとは、思っていたが……まさか、こころと……か……」


 誠は、霊の両親である譲ると麗那の親友であり戦友。【心合】のことは当然知っていた。


「ちょっと待って! こころが、Fランクと同調?! ありえないっ!! こころはSランクだぞ?! ゴミと心を合わせるなど、不可能なはずだっ!!」


 だが、【心合】の概要を聞いて憤慨したのが、守鎖之だった。


 Sランクのこころと、Fランクの霊の心が一つになる。そんな事を、Fランクを卑下している守鎖之は、断じて認めるわけにはいかなかった。


「けっ。実際、さっきテメェは、霊と純愛の【心合】にやられそうになったじゃねぇか? 自分で体験して分かっただろゴラァ」


「黙れ!! オレはまだ負けて無かった!! そもそも、ゴミと心を合わせたなど、こころを侮辱しているのか?!」


「あ? 【心合】にランクなんか関係無ぇよ。互いの心が通じ合えば発動すんだよ。……といっても、思考を共有できるほどじゃないと、滅多に発動しない幻の現象なんだけどよ」


「静まれ大和。それより、【心合】が発動できれば、そのエレメントタイプの核を見つけ出すことは、できるんだな?」


「難易度は段違いに下がるぜ? なあ、霊よぉ?」


 水を向けられた霊は、しかし同意を示さない。代わりに……。


「……エレメントタイプの索敵に、こころは参加させない」


 冷たく、硬い声。場の雰囲気が、重々しくなった。


「霊くん……?」

「エレメントタイプは、【感応者】の【心力】に干渉してくる事がある。そうなれば危険は避けられない」


「じゃあ黙って殺されるってか? 冗談じゃねぇぞゴラァ。確実に殺せる手段があんのに、使わねぇってのかよ?」

「虱潰しに探せばいいだけでしょ? 【糸刀】の出力本数は増えて来たし、ローラー作戦でぼくが見つけ出すよ」


「ざけんな。そもそも【殺神器】に比べれば糸の数が全然足りてねぇ……。もう一度言うぞ? 純愛を使え。さもなくば力尽くでやらせんぞゴラァ?」

「……やってみなよ。【序列5位の力天使(りょくてんし)】が、調子に乗るなよ?」


 霊と昂が、椅子から立ち上がって互いを睨みつける。

 体から【心力】が溢れ、一色即発の状態になった。


 そんな2人を、誠が慌てながらも厳かな声で静止する。


「待て2人とも。ここで争っている場合ではない。南方への偵察部隊の数を増やし、早期発見を心がける。それで多少、核を見つけるための時間が稼げるし、事態は好転するのだろう?」


「……」

「……」


 無言で、互いに矛を収めて座った。


 どうやら、人外大戦は避けられたようだ……。


「はぁ……頼むから君たちは自重してくれ。寿命が縮む」

「……努力はします。【殺神者】からの情報は、以上です」


 むすっとした声で、これ以上話を進めるつもりはないと、言外で霊は告げた。


「オッホン。では次に、我々の掴んでいる情報だ。冴澄中尉」

「はい」


 今度は理知子がスクリーンのデータを操作し、閃羽周辺の地図を映し出した。


「御神くんと大和くん、お二人のチームが旧鉱山に行った際、出現したという【心蝕獣】。陽の光の無い暗闇でも活動するという、今までの【心蝕獣】とは違うタイプとの事ですね?」


 霊の【心器】を改良するため、質の良い素材を求めて採掘しにいった時、陽の光の無い洞窟内で襲ってきたポーンアイズがいた。

 それは閃羽に帰還した際にすぐ報告され、旧鉱山に部隊が定期的に派遣されていたのだそうだ。


「へぇ……更新された個体かよ? オールナイト(徹夜)で【心蝕獣】をぶっ殺しまくれる日も、近いかもなぁ?」

「な、なんで憤激くんは喜んでるのよっ」


 嬉々として笑う昂に、朗が突っ込みを入れる。


 陽の光の無いところで動ける敵が現れた。それは、完全に安全な場所が無くなったことを意味する。だから朗や他の者達は、これからさきの【心蝕獣】との戦いに、少なくない不安を抱えていた。


「続けます。報告を受けて偵察隊を送り込んだ結果、ポーンアイズ3体を確認。撃破しました。しかし旧鉱山は複雑に入り組んでおり、生き残りがいるかの確認は不可能と判断。入り口の封鎖、並びに監視警戒体制を築きました」


 スクリーンに映し出される、ポーンアイズの残骸。続けて、封鎖された旧鉱山の入り口の画像が表れた。


 しかしすぐに別の画像に切り替わり、同時に理知子の説明も続く。


「旧鉱山の麓に築かれた、旧時代の廃工場……製錬工場だった所ですが、その近くに簡単な拠点を築き、24時間体制で監視しています」


 荒廃した廃工場。

 その内部だろうか。瓦礫などが簡単にだが退かされ、キャンプが張られている映像が流される。


「このように、各地に拠点を置く事で【心蝕獣】に対する偵察部隊を増員しているところです。旧時代の廃屋等を有効利用することで、長期の滞在は無理でも、交代制による短期的な滞在は可能と判断。

 先程、南方への偵察という話が出てきましたが、今述べた方法で、徐々に距離を伸ばし、早期警戒体制の強化をする案が、政府からも承認されました」


「この前の群れの一件で、上層部も相当肝を冷やしたようでな。予算も下りた。拠点は簡易のものだから、危険と判断すれば即放棄することも、許可してある」


 実は、前々からこのような案はあったが、使い捨てになる可能性が高い拠点の構築に、政府は乗り気ではなかったらしい。

 だが、先月の群れの襲撃直後、政府は慌てて早期警戒網の構築を承認。今は拠点とするのに最適な隠れ家を探している最中だそうだ。


「この場で提供された情報を鑑み、南方への偵察・進出を最優先にしようと思う。異議のある者は?」


 ある程度の情報を開示したあと、この場にいるナイトクラス達に採決を求める。


 異議は上がらなかった。


「そうか。では次に―――」


 突如、緊急の呼び出し音が鳴った。


 誠はそれに応答。向こうから緊迫した声が響いた。


「何事かね?」

『旧鉱山の偵察部隊から、救援要請が! しかしすぐに通信が途絶し、消息不明になりました!』


 たった今話に上った偵察隊との通信途絶。


 各々の顔が、緊張に走る。

 霊と昂は、対して気にしてないようすだったが……。


「で、通信時に状況は伝えられなかったのか?」

『最後の通信では、【赤く燃え盛るナイトクラスが】というものでした!!』


 不可解な状況説明。聞いた事の無い【心蝕獣】のタイプ。


 誠はすぐに、霊に訪ねた。


「霊くん、心当たりはあるかね?」


「……ありませんね。昂は?」

「オレもねえな。【赤く燃え盛るナイトクラス】なんざ、聞いた事ねえぞゴラァ」


「先程行っていた、エレメントタイプという可能性はあるか?」


「ナイトクラスの形をしているエレメント、というのであれば、違うとは思います。エレメントタイプは不定形ですし……また更新された個体、なのかもしれません……」


 とはいうものの、霊は自分の推測が違うものだろうと踏んでいた。


 いままでの更新と言えば、新しい戦い方や攻撃方法、生存権の拡大に関するもの。

 だが今回のこれは、どこか違う気がする。とにかく、情報が足りない。


 しばらくして、また新たな呼び出し音が鳴った。


「今度はなんだ?」

『第3先行偵察隊より報告! 北西にポーンアイズの集団を確認! 数は最低でも100以上! このままの方向に進めば、閃羽に到達するとのことです!』

「なんだと? 他のクラスは?」

『現在のところ、確認はされていません! 至急、迎撃態勢を!!』


 拠点を確保のための偵察部隊が、北西方向……閃羽から見て、旧鉱山とは逆方向に、ポーンアイズの群れを確認したという報告だった。


 誠は、しばし逡巡する。

 群れの迎撃を優先するか、正体不明の【心蝕獣】を優先すべきか……。


「昂。多い方は、任せるよ?」

「更新されたっぽい方にも興味あんだけどよぉ……まあ、ぶっ殺せる数が多い方がいいしなぁ?」


 霊と昂の、短いやり取り。

 昂は席を立ち、この部屋から出て行こうと歩き出す。


 それを、誠が慌てて止めた。


「一人で行く気か?!」

「付いてくんなよ? 巻き添えにされても良いってんなら、構わねえけどよぉ?」

「昂一人に任せる事をお勧めします。本当に巻き添えを喰らいますよ?」


 涼しい顔でそんな事をいう2人に、誠は最早諦めモードだった。


 人外な2人に敵うはずもなく、ここは忠告を受けるべきだろうと判断。


「わかった……だが、念のため迎撃態勢を構築しておく。それ以外は、旧鉱山への救援に向かう。霊くん、悪いが付いてきてもらえるかね?」

「もちろんです」


 だが、常に最悪の事態を想定するのが軍人であり、誠の責務でもある。すべてを言う通りにするという訳にもいかない。次善策を用意し、己の成すべき事を決めていく。


「あ、あのっ! 私も連れて行ってください!!」

「こころ?」

「私が役に立つかどうか、エレメントタイプに対抗できるかどうか、霊くんが、その目で確かめてください!!」


 こころは、焦っていた。

 霊が、こころを邪魔に思っていないというのは分かる。だが役に立てないと思われているのは、耐えられない。

 二度と霊と離れないために、こころは、霊に安心して背中を任せてもらえるようになりたかった。


「でも……」

「君は言ったな? 霊くん」


 真剣なこころの訴えに悩む霊。そんな彼に声をかけて来たのは、誠だった。


「君のチームメンバーは、実戦に耐え得ると。君の言に納得していない者達もいる。だから連れて行って、証明してもらえないか?」


 霊たちFランクが、ナイトクラスの権限を与えられている事を知る者は、まだ一部だ。


 実力があろうと、低ランク者であれば、それは何かの間違いだとしたがるのが、一般人だ。

 特に守鎖之は、未だに反発している。


 彼らを納得させるためには、不動の現実を突き付けなければならない。霊が、自分達以上の強者であり、【心蝕獣】に対抗できる大きな戦力である事を。


「……更新された個体の場合、万全な対処は出来ないかもしれませんよ?」

「父としての立場では、娘を危険に晒したくは無い。だが、娘が動く事で、被害を食い止められるのであれば、軍人としては、その可能性を潰したくは無い」


 本音では、娘であるこころには、安全な場所に居てもらいたい。


 だが軍人として、私的な理由で戦力扱いしないのは、彼の矜持が許さない。

 この辺だけを言えば、完全に私的な理由で動いている霊と違い、誠の方が大人で理性的な対応をしていると言えよう。


「旧鉱山へは私も行く。篤情少佐!」

「へ~い」


 相変わらず、やる気の無い返事を返す、No.2ナイトクラス、篤情竹馬少佐。


「迎撃の指揮構築を頼む。冴澄中尉は閃羽に留まり、北西・閃羽・旧鉱山の通信網を維持してくれ」

「正直ダリぃんですけどねぇ……了解しましたよ」

「お任せ下さい」


 立ちあがり、それぞれの与えられた役割をこなすために、会議室を後にする竹馬と理知子。


「オレと大和はどうするけぇ?」

「針村大尉は、有事に備えて陣頭指揮を。篤情少佐の補佐に回ってくれ。

 大和、おまえは私と一緒に旧鉱山へ。私の指揮下に入ってもらう。今回は、独断専行は断じて許可せんから、そのつもりでいろ。霊くんとこころも、形式上は私の指揮下に入ってもらう。いいな?」


「了解しました……」

「了解です」

「わかりました」


 未知の敵。

 霊にとっては慣れた事態だが、どうにも嫌な予感が拭えなかった。


御神霊(みかみ くしび)―――――主人公。Fランクの落ち零れとされているが、膨大な【心力】を有する謎の少年。

純愛(じゅんない)こころ―――霊の美少女幼馴染。数少ない【感応者】。

憤激昂(ふんげき こう)―――――霊を連れ戻しにやってきた男。イケメンだが口が悪い。

照討準(てらうち じゅん)―――――小柄で気弱な男子。孤児院の皆を何よりも大切にしている。

戯陽朗(あじゃらび ほがら)――――いつも元気で明るい少女。こころの親友。

針村槍姫(はりむら そうき)――――背の高いクールな少女。こころの親友。


輝角凱(きかど がい)―――――戦闘学科の3年生。野生児的でトラブルメーカー。

火村瀬名(ひむら せな)――――3年生。戸籍上は穏宮理事長の孫。凱と同じチーム。


純愛誠(じゅんない まこと)―――――閃羽のNo.1ナイトクラス。こころの父親。

篤情竹馬(あつじょう ちくば)――――霊たちの担当教官。ズボラな性格だが閃羽のNo.2ナイトクラス。

針村槍守(はりむら そうじゅ)――――Cランクにして閃羽のNo.3ナイトクラス。槍姫の父親。

冴澄理知子(さえずみ りちこ)―――閃羽のNo.4ナイトクラス。秘書然としたメガネの女性。

大和守鎖之(おおわ すさの)―――Sランクにして最年少ナイトクラスの少年。こころの幼馴染。


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