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【1章第1話】アイスマジック ロット妄想エッセイ編

作者: tanakatakusi
掲載日:2026/05/10

「どうか、母さんをヴィアを助けてください‥‥」


同刻、北極と南極を拠点にアイス家が世界を握った瞬間だった――。


       ◇


「せーのっ!!!」


ドサッ!


「ロット、洗濯物ほしといてね!」


母さんがいつも通り、暖炉の前に運んできたようだ。


「分かってるよ!」


「あら、今日はごきげんね。」


「だって、今日は肉の日だ!」


いつも月に一度だけ、肉が食える!


「・・フフそうね。終わったら、お布団お願い!」


「げっ、人使いが荒いなぁ。」


雪に覆われた村だから、どこにも行けない。


この家で毎日スープを飲んで、家事を手伝って、本を読んで、それだけですごく幸せだ!


「僕も外に出てみたい―」


「ダメよ、危ないもの。」


「ちぇっ、つまんない!」


いつのまにか、空の向きが変わって、部屋中が暖かい匂いに包まれた。


「母さん!村には、何があるの?」


「そうね、建物がいっぱいあって、人がいて、私たちみたいに、仲良く暮らしてるわ。」


「僕たち以外にも・・・、人がいるんだ」


「えぇ、いつも白い雪が積もっていて、とっても冷たいの。」


「それは、知ってるよ!!!」


いいなぁ、いつか村に行ってみたいけど、母さんがいれば、それでいいや!



「僕、父さんの代わりになるんだ。母さんを守りたい―」


「騎士みたいになりたい!」


母さんがいつも読んでくれた、アーサー王伝説と書かれた絵本だ。


「・・フフ、ロットならきっと慣れるわ。」


「ねぇ、母さんのこと、ヴィアって呼んでいい?」


「もう!ロットは、おませさんね!」


ほっぺを小突かれた!


       ◇


次の日、目覚めるとそこに母さんはいなかった。


「おかしいなぁ・・・」


母さんが昼になっても、帰ってこない。いつも朝ごはんを作って起こし来るのに。


「言いつけ、破っちゃえ!」

ほんの出来心だった、―母さんを探す理由にもなるし!


「わぁっ・・・・」


外はこんなに、きれいなのか。これが太陽?まぶしくて前が見えなくなる。


「いっけね!母さんを探さないと!」


「これが木、なんかわかんない物もいっぱいある!」


下に降りてみよう!!


「すげー!!!、家がいっぱい立ってる!!!」


初めて見た!めっちゃきれいじゃん!雪のせいじゃない、世界が輝いてる!!


「―なんだろう?人が集まってる。」


何してるんだ?


がやがや


「おい、どっから来た?ガキ」


「――ガキって?僕の事?」


見知らぬおじさんの後ろで、人が、母さんが――


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


今、目の前で起きてる、光景が理解できない。


「うわぁあああっああぁぁぁ・・・・・・・・」


腰を抜かし、立つことができない!何か、こいつら何をしてるんだっ!母さんを助けないとっ!!!


「おい、まて。小僧」


別の奴に捕まってしまったっ・・・はなせっ!!


「ふんっ」


ゴス・・・


「こりゃ、ふくろだな」


「・・・・・・・・・・ぐっ」


「おい、ガキ。俺たちも悪じゃねえ。お前が謝れば、許してやるよ。」


「・・・僕は、どうなってもいい・・・。」


「どうか、母さんをヴィアを助けてください・・・」


「邪魔なガキだ、さっさと縛って川に捨ててこい」


「なん、だよ・・・。」


頭とお腹が揺れ、再び視界が反転し、僕の意識が深く沈む。



ドボーン。


がっ

あア?

あぅあっアガぁア

あィあぐごボヴぉボボ――



引きずられながら、沈みながら、口の中に石の味が広がった。腹の中が重たくなる、息もできない。上か下かさえ、とうにわからなかった。


また、何かにぶつかった。イタイ・・・


苦しい・・・。苦しいよ・・・。タスケテ・・・


「かっ・・・あさん・・・」


声にならない。そうだよ、もう一度戻るんだ、あきらめるな。母さんの元へ・・・!


「!!」


足に、何か巻き付いてる・・・!こいつを外す!!ぐっが、硬いっ・・・!!!


「なっ・・・」


一瞬で肺の中が空っぽになった。生まれて初めて下りた先で見た、地獄が続いていた。なにかっ、足に。


母さんの青い髪が巻き付いてる。


「っうぁ‥‥」


いつからだ。一緒に捨てられたのか‥‥!?


水中では、もがくだけ声にならない。ゴン、と鈍い音が身体中に響いた。



1年後――。


(ここは...なんて暗い世界なんだ。)


ゴポッ...


(意識が戻ってから、何も見えず。微かに人の声だけが伝わる。)


耳は聞こえない、目も見えない。しかし、水中にもかかわらず、確かに声を聞いていた。俺は誰なんだ、ここはどこなんだ。



さらに、3年後――。


徐々に目が慣れてきた、だが見えないフリをしている。その理由が・・・俺は、研究所とやらに捕まったらしい。


「ケケケ・・・」


「ついに、完成した!!!まだ、不安定だが人に使える!!!」


男は後ろに控えている部下に目くばせする。


「・・・承知しました。」


―また声が増えたようだ。


「ハハハ!!!完成祝いだ、気分がいい。貴様にはそうだな・・・!!!」


一人の男は、豪快に答える。


「最高の名前をくれてやろうッ!!!」



「モルグだ!!!」


「――ハハハッ!!!どうせ聞こえないだろうがな・・・!!!実験動物に相応しい名だ!」


こいつらは、嫌な奴らだ―。



さらに5年後――。


「今日、リカバリーを使え!!!」


リカバリーってのは、こいつらが作った薬のことだ。


「アイツにかい・・・。」


老婆は尋ねる。


「俺にだ」


こいつらは、ずっと俺を使って実験をしてやがった!おかげでずいぶん、身体が動くようになった。


もうここには、いたくない。


「ん・・・?なんだッ!今‥‥」


ググッ・・・と背伸びをする。


「おい、動いたぞ!モルグがッ!!!」


両手の平に力を籠め、水を掴むように握りしめる。初めてなのに、自然と身体が動いた。


構えて、そして、弾く!!!


バリン!!!


盛大な音と共に、一気に液体が流れ落ちる。


「今まで世話になったな、お前らは俺をオモチャにした――。」


「そんな、バカなッ・・・!!!」


ゴキッ、と鈍い音が研究室に響いた。


「ひっ……」


一人が逃げ出した、続けてもう一人。

俺は動じない。ここでの9年間、積み上げた怒りは、大義に昇華した。


「主犯はこいつだ。あとはどうでもいい。」


そうだ俺は、ロット。


____母さんを




「ヴィアを見つけ出す。」

https://ncode.syosetu.com/n5071ma/2/


本編アイスマジックは、アーサー王伝説をベースにキャラをリンクさせ、箱庭ミステリに超アレンジした作品です!1章のあなたの選択次第でヒロインが変わり、2~6章にルート分岐します!6姉妹が出てくるので6ルート分!


▼読者の皆様へ

少しでも、

「面白い!」

「続きが気になる!」

「更新がんばれ、応援してる!」

と思っていただけましたら、

【★★★★★】とレビューで応援してくださると嬉しいです!

キャラクター画像紹介

https://kakuyomu.jp/my/news/2912051598780329431

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