皆を支える為に
闇のエンジェルコンパクトは家に置き
私は学友であるエンジェシカ5人へのサポートを更に強く行いました
ある日はひのでさんを我が家に招いて宿題を手伝い
「ひのでさん、この問題はこう置き換えると分かりやすくなるわ」
「わー、本当ですね!豊子世先輩はやっぱり教え方が上手ですね」
「あら、ひのでさんだって応用力が有るじゃない
聞いたわよ、この前の小テストでクラス5位だったんですって?私が教えた事ちゃんと覚えてくれたみたいね」
「はい!豊子世先輩のおかげです!今度お礼をさせてください!」
「そんなー、御礼だなんて、でもしてくれるなら
あなたのピアノが聴きたいわ」
「分かりました!じゃあ明日のお昼休み、学校で披露します」
「楽しみにしているわ」
『ひのでさんは昨日、買い物に行った時に、バイオレンスジャックの侵攻を目撃して、少しの間、1人で戦ったから
他の4人より疲れている筈だから、労いたかったの』
前世の記憶を思い出した事で、エンジェシカとバイオレンスジャックがアニメでどんな風に戦ったかも思い出した私は、それを気遣いの参考にしていたのです
またある日は、亜友さんを早く帰宅させる為に代行を申し出て
「亜友さん、こんを詰めすぎよ、後は私がやっておくから、今日はもうお帰りなさいね」
「でも、昨日も豊子世さんに任せてたから、2日連続でなんて」
「気にしないきにしない、生徒会長だって人なのよ
力を抜く時はぬかなきゃ、ねっ?」
「そう、わかったわ、じゃあお言葉に甘えるわね」
亜友さんはそう言って帰る支度を始めた
『これなら、怪人ガクレマンティスの戦いに間に合うし、今の状態なら充分勝てる
ガクレマンティスは、頭が良くて、ネチネチした作戦を仕掛けて来ていたから、生徒会の業務のし過ぎで頭も体も疲れていた亜友さんことウォルタニーヌも、本調子が出なくて押され気味になったのよね
彼女は参謀ポジションだから』
そんな事を考えながら、私は亜友さんの仕事を引き継ぎました
そのまたある日は、部活の合間に芽々さんの足ツボを圧してあげまして
「うっ、うーん、効くーー!」
「どう?頭が冴えてくるでしょ?」
私はそう言って圧を緩めました
「はい、頭がシャキーンってします、集中力が上がっていい演技が、宮ちゃん先輩って足ツボにも詳しかったんですね」
「ウフフ、興味本位だけど、ツボの本を読んでおいて良かったわ」
『今度戦う怪獣へのトドメは、フラワネットの弓が重要な働きをするから、集中力の上げ方を教えてあげたかったの、アニメの中では3発くらい外していたからね』
「じゃあ先輩!練習戻りましょう!」
「ええ、戻りましょう」
またまたある日は、倶楽部の集まりの帰り道で、春風さん欲しがっていたであろう可愛いグッズをプレゼントしてみたり
「えっ?!これ本当に貰って良いの!?」
「ええ、春風さんこういうの好きでしょ?誕生日プレゼントの前渡しって事でね」
私が春風さんにプレゼントしたのは、最新型のヘッドホン
メンダコデザインで、音楽に合わせて上部に付いている耳がパタパタするのです
『このヘッドホンが欲しくてほしくて、仕方ないのに魔法少女としての活動が忙しい余り買いに行けない事で、戦いで本領が出せなくて、遂には買いそびれてしまって、春風さんすっかり意気消沈してしまったのよね?
なんとか仲間の励ましも有って立ち直ったけど
これでもう心配要らないわ、何より…』
「ありがとう、トコちゃん!大切に使うね!!」
「喜んでもらえて私も嬉しいわ」
春風さんの無邪気な笑顔は、いつの日も良い物です
そしてまたある日は、みちるさんとプラネタリウムに出かけました
「やっぱりお星様は綺麗ねー」
「そうですね、宮楽先輩」
そうやってヒソヒソ声で話をする中で
私はみちるさんに切り出しました
「光って物は良い物だわ、どんなに小さくても、自分の行く道を示してくれる、そんな感じがするわ」
「えっ?そう思いますか?」
「ええ、どんなに絶望に落ちても、道に迷っても、ゴマ粒くらいでも良い、光が見えていれば希望を失わないないわ」
私がそう言うと、みちるさんはとても嬉しそうな顔をしていました
『みちるさんことライトゥミーナは、1番年下な上に最後に仲間入りしたから
他の4人よりに戦闘経験が無い事もあって、自信を強く持てずに居たのよね?
だから色々考えて、ここに誘って、光の重要性を込めた言葉をかけてあげようと思ったの
この感じだとうまく行ったかもしれない
そうそう、私の言葉が飽くまでも自然に出たって風にしないとね、それには…』
「あら?どうしたのみちるさん、そんな嬉しそうな顔して」
「えっ?えーと、あのー、そのー……」
みちるさんはすっかり赤くなってしまい
選ぶ言葉を間違えた気がした私は
「とりあえず、投影を楽しみましょう」
と、みちるさんに告げて、プラネタリウムを楽しみました
そのすぐ後
「先輩、ありがとうございます」
と、みちるさんが囁いた気がしましたが
真実は定かでは有りません
そんなこんなが有りまして
気付けば1か月が過ぎていました
ある日学校に行ってみると
「昨日もエンジェシカの活躍凄かったなー」
「私のお母さん、あの時近くに居たんだけど、バイオレンスジャックの流れ弾が飛んできた時、凄い速さでエンジェシカの弓矢が守ってくれたらしいの」
「この前も、なんだろうなー、水魔法を使える人が、凄い戦略を閃いたみたいで、目を見張ったっぜ」
と、同級生や後輩達の間ではエンジェシカの話題で持ちきりでした
これからもエンジェシカが活躍出来るようにサポートして行こう
と、誓った私でしたが
実はこの時、私のこの行動が結果的にエンジェシカの首を絞めていた事を思い知ったのです