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本来の豊子世(かのじょ)と今の豊子世(わたし)

闇の魔法少女に変身する能力得た事

前世の記憶を思い出して破滅に一歩近付いた事を悟った事で

ショックを受け固まっていると

闇のエンジェルコンパクトが、また話しかけて来ました

「娘よ、礼を言うぞ、そなたが先に同輩達を迎えた娘達を助けたいという気持ちの強さが、封印された身の我に脱出路をくれた」

「同輩達?」

「エンジェシカの事だ、あの娘達は我が同輩達が力を与えて魔法少女にしているのだ」

前世の記憶が蘇った私はよく知っている事ですが

とりあえず知らない振りをしておきました

「そう、なんですね」

「私は訳あって封印されていたので、同輩達と共にこの世界に来る事は叶わなかった

しかし、そなたがエンジェシカと共に戦いたいと強く思ったから、我はその気持ちの導きの元

ここへ来る事が出来た

仲間外れされた事を恨んだ日もあるが、最後まで運命とは分からない物だな」

『あれ?これってもしかして?』

私はもしかすると、運命が好転しているのではないかと感じました

今の闇のエンジェルコンパクトには、怨念が感じられないのです


「まあとりあえずだ、娘よ

我が力、今よりそなたに貸し与える

使える技は皆、そなたの頭に送り込んでおいた

好きなように使うが良い」

そう言ってコンパクトの声は聞こえなくなりました

私はとりあえず念じて変身を解き

深呼吸して、コンパクトをジッと見つめました

『好きなように使って良いか

それってつまり、悪の道に走っても、文句は無いという事になるかしら?』

私はコンパクトをポケットにしまい

椅子に座って机に向かいました

「とりあえず、これからどう歩むかをよく考えないと

まずは、今の状況を整理してみよう」

私は新しいノートを手に取り、今日までの出来事を子供の頃から振り返ってみました


『4歳の時、私はお母様のマナー教育に嫌気がさして、お父様に言いつけようとした

でも、どういう訳か、それはやめようと思った

よく考えてみてみれば、私はアニメを見て感じたんだよね

もしお母さんを、いえお母様を追い出さなければ、豊子世は人に優しく出来たんじゃないかって?

マナー教育をお手柔らかにしてもらえばそれで良かったんだけど

お父さん、いえお父様がやり過ぎちゃうから

って、違うちがう!

人のせいにばかりする事は人として恥ずかしい事ってお母様が教えてくれたわ

お父様だって私を大切に思ってくれているから、ああ言う行動に出てくれた訳だし………

なんか不思議な感じ、自分の事を少し離れた目線で考えてみるなんて

でもまあ、前世でかなり深く考えて居たから

記憶が戻らなくても、心の何処かで覚えていて、ストッパーになってくれて居たのね』

私は自分の胸を撫でてみました

それは前世の私の気持ちを残していてくれて、最大のやらかしをやらない様に警鐘を鳴らしてくれた私の心に感謝を伝えたい、その一心だったのです

私は頬杖をついて振り返ってみました

『お母様が厳しくも優しく私に令嬢として、人間としての生き方を教えてくれたからこそ、私は道を誤らなかった

考えてみれば、今の私はエンジェシカの5人

ひのでさん、亜友さん、芽々さん、春風さん、みちるさんとも、今では良いお友達だけど

本来の私は、彼女達にもひどい事していた覚えがあるわ』

今の私と本来の私が、彼女達にした事を振り返りながら

ノートに書いてみました



安宅あたかひのでさん

私より1つ年下で、ピアノが上手い元気な女の子

私が幼稚園に入る前から入っていたピアノ教室に

彼女は幼稚園に上がってから入って来た

ひのでさんは私よりピアノを始めたのが遅いけど、才能が有ったみたいで、私が1か月かけて間違えずに弾けるようになった練習曲を2週間でマスターしていたし

子供ピアノコンテストでも優勝していた

私はそれが純粋に凄いと思えたけど、本来の私は

自分より習い始めたのが遅い一般人に負けるなんて事を認めたくなくて

子供ピアノコンテストに出た時も、審査員をお金で買収して、彼女を蹴落として居たんだった

そのせいでひのでさんは努力の虚しさを感じてピアノを辞めてしまった、でもエンジェシカとして活動する様になって、自分が如何にピアノが好きかを思い出して

またレッスンを始めたのよね

まあ私の知ってるひのでさんは、挫折する事なくピアノを習い続けていたから、ピアノの腕が洗練されていて心からピアノ愛している女の子よね

まあ、そのせいであまりお勉強には身が入ってないみたいだから、私が勉強見てあげたっけ?』

ひのでさんとの思い出を振り返って、私は次のページをめくりました


清瀧院亜友せいりゅういん・あゆさん

私の同級生で、穏やかな生徒会長

お父様と提携している会社の御令嬢で、学友であり幼馴染

よくお互いの家を行き来して、お茶を飲んだ物ね

いつも楽しくお喋りしたわ

本来の私は、お茶をする度に亜友さんに自慢話をしていたんだったわ

彼女はいつも静かに聞いていたけど、心の内ではうんざりしていて

生徒会長選挙でお互いに立候補した時も、本来の私は裏で手を回して生徒会長になって、亜友さんは副会長になったけど

その一件以来、私をお金で何でも解決できると思ってる可哀想な人として哀れんでいたとかで

そう思うと私も面目無いわ

そして生徒会長になっても威張ってばかりで、仕事もろくにしなかった私に代わって様々な仕事をしてくれていたけど

エンジェシカになった事で、心を強くして、周りの信頼を得て、遂に本来の私に生徒会長失格の烙印を押して副会長に降格にして、新しい生徒会長になったのよね

威張ってばかり居ればいずれそうなるわよね?我ながら恥ずかしいわ

私は小さい頃から、穏やかで優しい亜友さんの姿を見てきたから、是非生徒会長にと推薦したぐらいなのに

でもその時、「なら、副会長はあなたよ、じゃないと立候補しないわ」って言われたんだっけ?』

亜友さんとの思い出を振り返って、私はまた次のページをめくりました


『森林芽々(もりばやし・めめ)さん

私より1つ後輩で、新体操少女、ひのでさんとは幼馴染

曲がった事が大嫌いで友達思いな素敵な女の子

私も入っている新体操部でいつも誰よりも一生懸命練習していて、私達3年生が引退したら新キャプテンに推薦されているのよね

私のリボン演技が華麗で憧れるって言ってくれたっけ?

本来の私は、新体操部でも横柄な態度と家の権力を傘にして、支配していたけど

芽々さんだけは常に向かって来た

それもこれも、大切な幼馴染がピアノを辞める原因が私だと知っていたから

だから本来の私は、芽々さんの事は特に攻撃していたのよね?

でもどんなに嫌がらせをしても彼女は挫けなくて

エンジェシカとして活躍して精神に磨きをかけたら

とうとう周りの心を掴んで、私を新体操部から追放にした

本来の私は罰を受けたけど、私のした事を思うと申し訳無いの極みだわ

今、目を輝かせながら、私にリボン演技のコツを聞いている姿を思うと、本当びっくり』

芽々さんの思い出を振り返って、私はまたまた次のページをめくりました


吹舞木春風ふぶき・はるかさん

私の同級生で、人形愛好仲間

可愛い物とスポーツが大好きな女の子

小学校の時に、もうかなり大きいのに人形遊びをしているのをクラスの男の子達にからかわれて居たのがあまりにも可哀想だったから

その日の放課後、私の家に招待して、私が持っていた人形やぬいぐるみを見せてあげたら、凄く目を輝かせていたのが凄く可愛くて、それ見たさに何度も家に招待して遊ぶ様になる内に、春風さんも周りの声を全く気にしなくなったし、私も人形の事をもっと知りたくなって、町内の人形愛好倶楽部に一緒に入って

2週間に1回の集まりを楽しみにしあってるのよね

本来の私は、面白がって男の子一緒になってからかって居たから、女の子達まで春風さんをからかう様になって

彼女は気持ちを偽る様になって、クールで何処か冷たい子になってしまったのよね?

でもエンジェシカとして活躍する様になってからは、それによって自分は自分で良いんだと、気持ちを偽らなくなって

私を含めた誰に何を言われても気にしなくなったのよね?

今の春風さんには、クールのクの字も無いけど』

春風さんの思い出を振り返って、私は更に次のページをめくりました


日月ひづきみちるさん

私より1つ年下で、内気だけど優しい女の子

みちるさんと出会った日の事はよく覚えているわ

生徒会副会長として、校内の見回りをしていたら

ちょうど花瓶の水替えを終えたみちるさんとぶつかってしまって

花瓶は割れなかったけど、中の水の殆どがみちるさんにかかってしまったのよね

申し訳ない気持ちでいっぱいだった私は

とにかく彼女の濡れた制服を拭いてあげたんだっけ

それから流石に濡れた服で帰らせるのも悪いと感じて

ちょうど持っていた私のジャージを貸してあげて着替えてもらったわね

その次の日には洗濯乾燥して返しに来てくれて、本当に律儀な子だと思って、よく遊ぶ様になったのよね

本来の私は、亜友さんや芽々さんがやたらと意見して来る事にイライラしてる最中に、みちるさんとぶつかってしまって少し服が濡れたくらいでひどく食ってかかって困らせて

そこに騒ぎを聞きつけた、ひのでさんと春風さんが現れて、みちるさんを庇ったのよね

そこに先生まで来た物だから私は更にイライラしながら退散したんだったわ

それからみちるさんは私を恐がる様になって、ひのでさんや春風さん、そして事情を知った亜友さんや芽々さんが常に一緒にいるようになって、やがてはエンジェシカの一人になって多くの経験して強くなって

私にも物怖じをしなくなったんだったわ

今のみちるさんは、私を避けるどころか、毎朝挨拶しにクラスまで来て、律儀さに磨きがかかっているわ

気にしなくて良いって言ってるのに』

みちるさんの思い出を振り返って、私はノートを閉じました



「エンジェシカの正体であり、私の大切たいせつな学友に、こんなひどい事をして居たなんて

私がやった事じゃなくて私は自分が許せない…」

私は思わず頭を抱えて嘆きました

「でも嘆いていたって始まらないか、とりあえずこれからも皆のフォロー続けよう」

そう誓いを立てた私は、ポケットからコンパクトを出すと

机の一番手前の引き出しに入れました

「とりあえずこの力は使わないでおきましょう、第一闇の魔法なんて聞こえからして正義の力とは言えないし

でも、私がこのコンパクトを呼んでしまったのだから、責任はとらなきゃいけないわ

知らぬ存ぜぬみたいな事したら、コンパクトにも失礼だし、何よりお母様が怒るし悲しむわ

どうするかは、また考えましょう」

とりあえず今日の所は、この結論に至りました

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