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魔法少女エンジェシカ

私は宮楽豊子世として生まれる前は

四束見守しずか・みまもという名前の女性でした

勉強も運動も普通に出来て

部活はテニス部

家でも学校でも、そして職場でもつらい思いをする事もなく

幸せに生きていました

そんな私が子供の頃見ていたアニメ

それこそが

【魔法少女エンジェシカ】だったのです


世界征服に乗り出したバイオレンスジャック

街を好き勝手に荒らすその一団を見て

安宅ひので、清瀧院亜友、森林芽々、吹舞木春風、日月みちるは

私達にも力が有れば、街を守れるのに

と、悔しく思っていました


そしてその思いは

ひので達5人の暮らす世界とは、また別の空間に有る虹の国

レインボシスに届いたのです


5人の思いを聞いたレイボシスの女王様は

城に収められている宝物である

炎、水、花、風、光の魔法を宿したエンジェルコンパクトを眠りから覚まし

ひので達の世界へと向かわせました


そしてバラバラではありましたが

炎のコンパクトはひので

水のコンパクトは亜友

花のコンパクトは芽々

風のコンパクトは春風

光のコンパクトはみちるの手に渡り

「爾は力を求めるか?」という問いを受け

それぞれ「はい」と答えてコンパクトと契約した5人はそれを使って

ファイアリス

ウォルタニーヌ

フラワネット

ウィングレイス

ライトゥミーナに変身

魔法少女エンジェシカとして

バイオレンスジャックの野望を阻止する為に立ち上がったのです

エンジェシカは戦う際、ステッキでそれぞれの司る力の魔法を操るだけでなく

ステッキを武器に変えて戦う実戦術も操りました

ファイアリスは剣

ウォルタニーヌは槍

フラワネットは弓

ウィングレイスはブーメラン

ライトゥミーナは盾にして戦いました


そうして戦い続ける事で身も心も強くなっていった5人は

学校でも一際輝きを見せる様になりましたが

それを面白く思っていない人が居ました

それこそが、今の私、宮楽豊子世みやらく・とこよだったのです


このアニメでの豊子世は、

我儘で傲慢、いつでも自分が一番でないと気が済まない

いわゆる悪役令嬢でした

それもこれも幼少期に

お母さんこと寿子さんの愛鞭を悪意のみで捉え

自分が遅い子である事から、溺愛しているお父さんこと鳳之輔さんに告げ口をして

お母さんは離婚こそされませんでしたが

遠くの別荘で別居させられる事になったのです

厳しくするお母さんが居なくなった事と

お父さんが自分を甘やかしている事で

豊子世はすっかり調子に乗ってしまい

お父さんの財力や権力を振りかざして

我儘放題し放題する様になり

周りからもあまり良い印象を持たれていませんでしたが、誰も逆らう事が出来ませんでした


しかし、ひので達5人がどんどん輝きをまして行く事で

周りの人間の心は、皆ひので達に向いてしまったので

豊子世は孤立する様になります

もう、権力をかざそうとお金をちらつかせようと

誰も見向きもしない事に豊子世は苛立ちました

そしてその中で

戦いを終えたエンジェシカが変身を解除した所を偶然見たのです


豊子世はマナー教育こそろくに受けませんでしたが財閥の令嬢

頭は良く、5人が輝きを増して来たのは魔法少女として戦って居るからなのだと悟り

更に5人を疎ましく感じる様になったのです


そうして自室のクローゼットの中で、物に八つ当たりしている最中

箱がひっくり返り、中から真っ黒なコンパクトが出てきて、その反動で開きました

そしてコンパクトは言ったのです

「そなたは力を求めるか?」と

それこそ、レインボシスの国に在するエンジェルコンパクトの中で唯一封印されていた物

闇の魔法を宿したコンパクトだったのです


エンジェルコンパクトは

「大切な物を守る為に戦う覚悟を決めた者に授けなさい」と、魔法を司る神様によって遥か昔のレインボシスに授けられました

しかし、どれも強大な力があった為に

その調整を取るためにも、影の力が必要でした

その為、闇のコンパクトは存在したのです

しかし闇という物は、黒く暗くおぞましく

いつの時代も避けられ、忌み嫌われ

悪意の象徴となっていた物

使えば心を乗っ取られ正しい事は出来なくなる

レインボシスでも古くからそう信じられており、

存在はしても誰にも使わせてはならないとして

城とはまた別の場所に隠され

女王様ですら、場所は知らされて居なかったのです


しかし、エンジェシカ達を強く疎んだ豊子世の気持ちと仲間外れにされ封印されていた闇のコンパクトの怨念が重なりあった事で

闇のコンパクトは豊子世の元に呼び寄せられたのです


コンパクトの問いを聞き

「私も力を得れば、あの目障りな5人を消せる

そして周りを私に従わせる事も出来るかもしれない」

そう考えた豊子世は、闇のエンジェルコンパクトと契約しました

自分の名誉や欲、それも言ってしまえば大切な物

悪しきながらも戦う理由に充分なりました

こうして豊子世は、闇の魔法少女ダークネリアになったのです


力を得た豊子世は、大人しくする振りをして

エンジェシカことひので達5人の行動を監視し

事あるごとにダークネリアとして現れ、襲撃したのです

闇の魔法を使い、視界を塞いだり、動きを封じたり

ステッキは鞭に変えられたので、滅多打ちにしたり、首を絞めたりと

陰湿かつエンジェシカ達をなぶる戦い方を好んで使用しました


バイオレンスジャックの戦いだけでも大変と言うのに

思わぬ強敵の登場に、ひので達エンジェシカも疲弊していました

でも、いつまでも下や後ろは見ていられない

ヒロインが持つ芯の強さを持って

エンジェシカ達も強くなる為戦い続け

遂に、ダークネリアを実質的な負けに追い込み

引き下がらせます


しかしダークネリアこと豊子世は諦めませんでした

エンジェシカを倒さんが為に

バイオレンスジャックと手を組み

実質一員となって

エンジェシカに再び戦いを挑み続けました

戦闘員を使う了承も貰ったので

前よりも強敵になっていました

激しい戦いが続き

そして遂にやって来たバイオレンスジャックとの最終決戦

ダークネリアは本気の闇魔法と鞭攻撃で

エンジェシカ5人に苦戦を強いて追い詰めましたが

戦闘力と団結力に磨きのかかっていたエンジェシカ達に一歩及ばず

ダークネリアは倒され、豊子世として正体を見せました

悪役令嬢とは言え、自分達に何度も牙を向いてきた魔法少女が、同じ学校の生徒だったなんてと、エンジェシカ達もショックを受けた物の

立ち止まっている時間は無いと

バイオレンスジャック首領との決着戦に向かい

大苦戦の末、勝利したのです


これで全て終わった

そう思われましたが

豊子世の執念は凄まじい物でした

倒され暫く動けずに居た後も、バイオレンスジャック首領敗北後、意地で立ち上がり

「私は負けない!こうなったら何かも壊してやる!!」

と叫んで、ダークネリアに変身すると

闇の魔法を使い、やられたバイオレンスジャックのメンバーを首領幹部まで残さず取り込み

自分の力にしたうえで

この世の物とは思えない恐ろしい姿に変身し

エンジェシカ達に襲い掛かりました


激戦を終えたエンジェシカ達には

それはあまりにも強敵過ぎて、全く歯が立ちません

ボロボロにされて、もう立ち上がる事も出来ないエンジェシカ達

でも、自分達が負けたら、ダークネリアが世界を破壊する

エンジェシカ達は最後の力を振り絞り

有りっ丈の力を込めてダークネリアにぶつかって行きました

それは、自分の命すら削る行為

エンジェシカの最後の攻撃により

ダークネリアは遂に完全敗北、エンジェシカ達を巻き込んで大爆発を起こしました

その際、闇を含めた6つのエンジェルコンパクトは

粉々に砕けちったのです


しかし、奇跡は起きていました

エンジェシカことひので達5人は、バイオレンスジャックが侵攻してくる前の日常まで戻されていたのです

魔法少女になった時の記憶、戦った記憶は全て消えており

初めから何も起きていないそんな日常がそこに有りました

エンジェシカ達のコンパクトが砕け散る前に

残りの魔力を使って全てを解決したのです


ただ、ダークネリアこと豊子世はそこに居ませんでした

寧ろ、宮楽豊子世という人間の存在は

この世から完全に消えていたのです

ダークネリアのエンジェルコンパクトは

他のコンパクトが消滅した事で封印され仲間外れにされた恨みは晴らされた

後はどうなろうと構わないとして

豊子世の事は見捨てて消滅しました

つまり豊子世はダークネリアとして、最後まで闇のエンジェルコンパクトの復讐の道具にされていたのでした

それを思うと、少しは可哀想な気もしますが

彼女の生き方を思えば、自業自得な終わり方です


そうして、エンジェシカであった

安宅ひので、清瀧院亜友、森林芽々、

吹舞木春風、日月みちるは

平和で幸せな日常へと戻って行きました


これが私が前世で見ていたアニメ

魔法少女エンジェシカの全てです


つまり今の私は、ダークネリアになる力を得てしまったので

破滅に方に舵を切ってしまった事になります……

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