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僕は君に『ありがとう』を伝えたい

作者: 棚ぼた

「今度星を見に行かない?」


「どこまで行くんだ?」


「ここより、ずっとずっと遠い場所」


2023年2月◾️◾️日時計は午前10時をさした。

僕は部屋の隅で座っていた。

僕はこうなる事はずっと分かっていた。


2月◾️◾️日 幼馴染が遠くのところに行った。


僕は彼女に何が出来たのだろう……あぁ昨日から寝てなくて眠いや…………






「あーそーぼー」


「いいよ。何して遊ぶ?」


「おままごとやろ」


「いいよ」


「じゃ、ろー君がお父さん役で私がお母さん役ね」


「うん!!」




懐かしいな。外で遊ぶ時には鬼ごっこや追いかけっこして、雨の日はおままごとをして遊んでいたな。この頃は毎日が楽しかった。






「今日から小学生だね!!」


「そうだね!!」


「ピンク色のランドセルかわいいね」


「ありがとう!!ろー君のも黒色かっこいいね」


「ありがとう」


「あのさあのさ。明日から一緒に学校に行こうよ」


「親に聞いてからでもいい?」


「うん」


「じゃね!!」


「また明日」




この頃はただ純粋で無邪気に毎日を過ごしたんだっけ、今思えば教室も6年間も一緒だったな、






「ねぇ久しぶりに一緒に登校しようよ」


「いやだ」


「なんでよ」


「俺は昔と違うんだよ」


「お願い……昔のように一緒に」


「俺は嫌だって言っているだろ」


「そっか……ごめんね……」


「そんなつもりは……」

中学に上がってからこの時はやさぐれていたな、他の男子から揶揄われて部活も始めた事もあり距離をとっていたな……

最後まで言葉にできなくて、初めて彼女を泣かしてしまったな。なんでもっと素直になれなかったんだろう……


「私、ろー君の事が好き。付き合ってほしい」


「今は、その今付き合うとか恋愛とか分からなくて、部活動も大事な大会前で……」


「そっか、ごめんね、急にこんなこと言われて迷惑だったよね、部活頑張って」


これは2年生の文化祭の時だ、部活ではキャプテンで2日後に県大会決勝で余裕が持てなかったんだよな……今になっては言い訳でしかなかった。もっと彼女を見てあげればよかった。もっと考えれば良かった。結局試合は3−0でボロ負けだった。


そして3年生になった。

初めてクラスが別々になった。クラスでしか関わることが無かったのにそれが離れて関わりがもっとなくなった。

7月になってから彼女の休みが急に多くなった。そして夏休みになってから彼女の親から衝撃の事実を聞いた。先天性の心臓疾患を患っていて最近になり容体が悪化し入院している事を。

それから、部活動でも空回りする事も増えてきた。そんな時に見舞いに行ってきたらどうだと親に言われ行くことにした。


コンコン

「はーい」


「久しぶり」


「え、なんで」


「ちょっとな」


「そっか」


「体はどうなんだ」


「今はだいぶ楽になったよ。部活動はどうなの?」


「最近はうまく行ってなくて」


「そっか、ねぇろー君って私のことどう思っているの?」


「幼馴染かな」


「ちゃんとそう思ってくれていたんだ、ありがとう」


「ごめんな、今まで素っ気ないような態度をとってしまって」


「いいよ、全然。君のそばに居れるだけで嬉しいから」


沈黙が続いた。


「ねぇ」


「どうした?」


「今度星を見に行かない?」


「どこまで行くんだ?」


「ここより、ずっとずっと遠い場所」


「なんだよそれ」


「いいじゃん」


「いいよ」


「意外と素直だね」


「悪いかよ」


「全然いいよ」


「見に行けるように早く元気になれよ」


今まで見たことない程眩しくて、嬉しそうな顔で言った。

「うん」


その後毎日病院に通って他愛ない話をしたり、宿題を一緒にした。


「来週退院できるようになったよ」


「やったじゃん!!」


「うん。今までありがとう」


「何言ってるんだよ、星を一緒に見るんだろ」


「そうだったね」


「何忘れてんだよ」


「ごめんごめん。ここ最近楽しかったからさ」


「本当にもう」


「あはは」


「じゃ二学期には間に合いそうだな」


「うん」


「一緒に学校行くか」

自分でもびっくりするほどあっさり出た。


「いいの?」


「うん。いいよ」


「やった!!」


「ほら大声出すなよ。個室とはいえ」


「そうだね」


彼女が退院して二学期の始業式の日を迎えた。


「久々だね」


「そうだな」


「3年振りだね〜」


「ごめん」


「全然良いよ。またこうやって一緒に登校出来ているのが嬉しいから」


「なんで俺なんだ?」


「なんでだろう〜やっぱりアレかなずっと一緒だったからのかな」


「だな、まぁ今は違うクラスになっちゃったけどな」


「だね〜。 あれ?もしかして私身長抜かされてる!?」


「今比べてみるか?」


「いや!!抜かされてたら凹む自信しかないよ」


「相変わらず負けず嫌いなんだな」


「そうかもね〜あのさ今日帰り一緒に帰れる?」


「ごめん部活ある」


「そうだったね、部活キャプテンだったよね?」


「うん、まぁそれらしいことは全然出来てないけどな」


「それでも凄いよ!!」


「ありがとう」


「今日さ見に行っても良い?」


「部活?」


「うん」


「……だめ……」


「なんで?」


「体が良くなったとは言えむっちゃをして悪くなったら嫌だから」


「そっか……」


「ごめん……」


「いや全然良いよ。私のこと思って言ってくれているんだから」


「そう言えば朝練とか大丈夫だった?」


「うん。どうせ軽いストレッチだけだから」


「ごめんね」


「いや良いよ、部活動よりこうやって一緒に登校するほうがずっと楽しいから」


「そんなこと言っても何も出ないよ」


「こうやって一緒にいるだけで幸せだから」


「ありがとう、大好き」


「ありがとうの後何て言った?」


「秘密」


「教えろよ」


「いや〜」


「どうやったら教えてくれる?」


「じゃハグしてくれたら」



「え、」


「ほら言えよ」


「本当にするとは思ってなかったよ……本当カッコ良すぎ、大好きだよ」


心が温かくなった。


「ありがとう」


「ほらそろそろ離れないと学校間に合わなくなるよ」


「今日さ2人で学校サボらないか?」


「ろー君が不良に目覚めた」


「ほら茶化すな」


「分かったって言うまで離さないつもりでしょ」


「よく分かってるじゃん」


「それは何年近くに居たと思ってるのよ」


「ずっとだな」


「じゃ一回家帰って服着替えよ、制服のままだったら学校に電話されるかもだし」


「だな」


来た道を2人で戻った。


「お待たせ」


「早かったな」


「親には程々にって言われちゃった」


「俺も言われたわ」


「それでどこにくの?」


「全く考えていなかったわ」


「じゃあさ先に服装どうにかしよっか」


「そんなにひどいか?」


「全身真っ黒なのはね」


「はい」


「じゃそうと決まれば行こうか」


「おう」


「手繋ごうよ」


「どうしたんだよ」


「昔はよく繋いでいたのに繋いでなかったからさ」


「特別な」


「ありがとう。手大きくなったね」


「そういうもんだろ」


「そうなのかな。カッコよくなったね、昔は泣き虫だったのに」


「昔のことを掘り返すな!!まぁそっちも可愛くなったな」


「言い返すようになってきたね〜」


「ほら早く行こうぜ」



学校をサボって遊んだのは後にも先にもこれが最後だった。



「進路どうするんだ?」


「ろー君はどうするの」


「まだ迷ってる」


「私はね看護師になりたい。私みたいな子を励ませる人になりたい」


「頑張れ」


「うん。ろー君は部活動頑張ってね」


「応援してくれよ」


その後は自分は部活動を頑張った。その努力が報われた。県大会決勝で2−1で勝ち、全国大会に駒を進めることができた。


「県大会優勝おめでとう」


「ありがとう」


「もう10月だね」


「早いな」


「ね」


「12月にさ星見に行かないか?」


「急にどうしたの?」


「約束したじゃん。それでさ近場でも綺麗に見えるとこ探したんだよ。そしたらさ12月が流星群が見えるらしいからどうかなって」


「じゃ約束一緒に観にいこう。約束ね」


11月になった。自体は急変した。


彼女がまた入院する事になった。


「大丈夫か!?」


「ごめんね心配かけて」


「そんなことは気にするな。今は自分の体のことを心配してくれ」


「ありがとう。でも大丈夫だよ。定期的な検査で少し以上な数値が出ただけだからさ、直ぐに退院できるから」


「なら早く元気になってまた遊びに行こうぜ」


「その前に勉強だよ、受験生なんだからさ」


「そうだな。じゃ一緒に勉強しようぜ」


「懐かしいね」


「夏の時か?」


「うん、あの時は驚いたけど嬉しかったよ。いつものように家族が見舞いに来たのかなって思っていたら君だったからさ、夢かと思ったよ」


「そんなにか?」


「そうだよ。中学校に上がってから素っ気なくなったな〜と思っていたら急に心配そうにやってきたんだから」


「そんなに泣くなよ」


「ごめんね」


「いやいいよ。今は泣いてスッキリしたらいいと思う」


「本当そう言うところは一丁前にカッコよくなったよね」


「そうか?」


「うん」


コンコン


「◾️さん、昼ごはんお持ちしました」


「俺はそろそろ帰るよ」


「ありがとう」


「退院するまで毎日通ってやるからそんな悲しそうな顔おするな」


「ありがとう」


「じゃな」


「うん。また明日」


こうして病室を出ると彼女の親がいた。


「お久しぶりです」


「久しぶりだね、ろう君。いつも娘がお世話になっているよ」


「いえいえ。こちらこそです」


「少し話したいことがあるだが、少し時間いいかな?」


「話ですか?」


「ああ、お昼も兼ねてどうかね。もちろんこちらが持つから」


「はい、大丈夫です」


「じゃ場所を移そうか」


病院の近くにあるファミリーレストランに行った。


「値段は気にしないで好きな物を頼んでくれていいよ」


「ありがとうございます」


それぞれお互いに注文を終えた。


「今日は娘の見舞いに来てくれてありがとう」


「いえいえ」


「娘とはどうなのかね。私は仕事が忙しくて娘に関わることが少なくて、普段のことを聞いても教えてくれなくてね」


「◾️とは一緒に登校したり休み時間はクラスは別ですけれどお互いにどっちかの教室に行く事が当たり前になっていますね」


「他の子達とはどうなのかね?」


「あまり詳しくはないですけれど誰に対しても分け隔てなく接していてクラスや先生から好印象を持たれていますね」


「そうなのか。勉強はどうなのかね?」


「学年でも上位の順位にいて凄いとしか言いようがないですね」


「ちゃんと過ごせていることを聞いて安心したよ」


「それはよかったです」


「君は娘に対してどう思っているのかな?」


「どうと言うのは?」


「友達としてとか恋愛感情とかなんでもいいのだよ」


「恋愛感情として好きなのかはわからないです。けれど一緒にいて楽しいとは思っています」


「そうか……」


このタイミングで料理が届いた。


「頂きます」

とりあえず今は目の前のご飯を食べる事に夢中になった。


「凄い食べるね」


「そうですね。部活動を始めてからはよくお腹が空くようになりましたね」


「いい事だよ」


「◾️は家にいる時はどんな感じなんですか?」


「最近だったらいつも家族の前だと元気だね」


「家族の前では?」


「うん。自室にいて夜になると1人で泣いていることが時々あるね」


「え、」

いつも元気な姿だった◾️からは考えられなかった。


「娘のことはどれくらい知っているのかな?」


「先天性の心臓疾患があることです」


「詳しくは?」


「知らないです」


「君にはこの先を知る権利が私はあると思うが君は知りたいかね」


「はい」


「ここから先は私から聞いたことは娘には内緒で頼みたい」


「分かりました」


「娘は心筋症しんきんしょうと呼ばれる病気なんだ。心臓が血流循環の役目をうまく果たせない状況なんだ。普段は運動制限と内服薬で症状を安定さしていた、だが夏に症状が悪化して入院する事になった。その時の検査は基準値を下回っていたんだよ。でもそんなある時奇跡みたいな事が起きたのだよ。症状が良くなってきて数値も回復し始めた。それが君が娘のところに来るようになってからだったよ」


「僕ですか」


「ああ。医師含め全員がびっくりした事だったんだよ。でもその奇跡は長続きはしなかった……最近になって数値が基準値を下回ってきたんだよ、一時的にしても体が無理をしてでも回復したからその分が今来たのだろう」


「◾️が助かる方法はないのですか?」


「心臓の移植手術だけらしい」


「後持ってどのくらいなのですか?」


「本人の体力次第で頑張って6ヶ月らしい」


「そんな」


「君にこんな事を頼むのは残酷なことだと思う。けれど言わしてほしい。どうか娘の近くにいてあげてもらえないだろうか」


「頼まれなくてもずっといますよ。◾️と約束したので、退院するまで毎日お見舞いに行くと」


「ありがとう」


「一つだけお願いしてもいいですか?」


「なんだろうか」


「12月に一回でいいんで◾️と一緒に星を見さしてほしいです」


「それはどうしてだい」


「約束したので」


「分かった。確約は出来ないけれど医者と話し合ってみよう」


「ありがとうございます」


「こちらこそ、娘の近くにいてくれて」


その後は毎日部活終わって直ぐに病院に行き時間ギリギリまで一緒に話したり勉強をした。


そして12月になった。


「今日も来てくれたんだ」


「当たり前だろ。毎日退院まで毎日来るって」


「そんな律儀に守らなくもいいのに」


「◾️は俺がしたいことをしているだけだから気にするな」


「…………で」


「どうした?」


「………なんでそこまでしてくれるの。約束したからだって理由だけじゃないよね」


「それは……」


「もしかして私のこと誰かから聞いたの?」


「……」


「そっか、もう来なくていいよ」


「なんでだよ?」


「もう嫌なの!!」

明らかな拒絶だった。


「もうこれ以上は……」


「◾️、今まで辛いよな、怖いよな」

そう言いながら彼女を抱きしめた。


「なんで……」


「わかんない。けどこうしたいから。辛いなら無理して笑う必要はないと思う。泣きたいなら泣いたらいいよ。俺は側にいてやるから」


2人きりの病室に◾️の感情が響いた。


「本当によく頑張ってるよ」


「うん……うん……」




コンコン

「父さんだ入っていいか?」


「いい?」


「俺はいいよ」


『いいよ』


「失礼する……よ」


「こんにちは」


「士郎君、今日もありがとう」


「いえいえ」


「でそれはどう言う状況なのかな?」


「「あ、」」


他の人から見れば抱きついている状況だと言うのをすっかり忘れていた。


「えっとそれは、」


「父さんこれはその……」


「だいたいの状況は理解したからいいよ。士郎君また娘が迷惑をかけたみたいだね」


「いえいえ。本当に大丈夫ですよ」


「それならよかった」


「俺は帰るよ」


「いやだ」


「え、でも」


「士郎君もし良ければいてやってくれないだろうか」


「居ても大丈夫なら」


「大丈夫だよ」


「そうだ士郎君、こないだ話してくれたことだけど、条件付きで許可でたよ」


「え?」


「本当ですか!?」


「ああ、行く日に体調が安定していて1時間だけと言う条件だけどね」


「どう言うこと?」


「先月に彼からお願いされたんだよ、星を一緒に見る約束したからどうにか出来ないか、ってね」


「ろー君……」


「やったな」


「因みに日付はいつかな?」


「12月14日がいいです」


「分かった。伝えておくよ」


「ありがとうございます」


「こちらこそだよ」


「星見に行けるの?」


「うん」


「もう一つお願いしてもいいですか」


「私にできることであれば」


「当日送迎お願いしてもいいですか」


「それはもちろんいいけど、どこまでかな?」


「この病院の裏側にある山でお願いします」


「それなら大丈夫だよ」


「ありがとうございます」

◾️の顔はさっきとは違いとても眩しかった。

この日も結局時間ギリギリまで彼女のそばにいた。


12月14日になった。


コンコン

「どうぞ」


「失礼します。今日はお願いします」


「いやいや、こちらこそだよ」


「ろー君楽しみだね」


「うん」


「じゃ、車に乗って行こうか」


「はーい」


「お願いします」


病室から出て廊下に出た時には◾️と自然と手を繋いでいた。


「安全運転で行くけれどシートベルトは2人とも締めてほしい。じゃないと警察にお金取られるかもだから」


「ちゃんと締めているから大丈夫だよ」


「よし。じゃ車出すな」


「そういえば最近部活動どうなの?」


「全国大会出上が決まったからいつもの練習プラスで希望で練習が追加される。まぁいつもの練習もキツくなっているけどね」


「へぇ〜」


「あれ、もしかして士郎君はサッカー部なのかな?」


「はい」


「監督の名前智哉ともや 哲平てっぺいさんでしょ」


「なんで知っているんですか?」


「それはね、僕の妻のお父さんだからね」


「それじゃ、◾️のおじいちゃんなんですか」


「そうだよ。おじいちゃんには幼馴染がサッカー部しか言ってないから、ろー君のこと分かってないだろうけどね」


「因みにポディションはどこなんだい?」


「センターフォワードです」


「凄いじゃないか」


「いえいえ、全然ですよ、去年も県大会で負けたので」


「それでも今年は全国じゃないか」


「そうですね」


「普段おじいちゃんどんな感じなの?」


「何かあったらひたすら走らせる」


「なんか想像できてしまう」


「あとは個人へのアドバイスが的確で凄いと思ってるよ」


「おじいちゃんは周りの事よく見ているからね」


「そういえば全国大会はいつなのかい?」


「17、18日で、勝つことができれば24日が決勝戦です」


「頑張ってね」


「頑張って買ってくるよ」




「もう少しで着くよ」


「それにしても周り暗いね」


「街灯が少ないし、少し高いところにあるからね」


「はい、ついたよ」


「ありがとうございました」


「楽しんでおいで、何かあったら直ぐに連絡すること」


「はい」


「娘を頼んだよ」


「分かりました」


「少し寒いね」


「これを羽織るといいよ」


「あったかい」


「ならよかった」


「それにしても凄い星の数だね」


「うん。普段は街灯などの灯りで星が見えずらいけど、ここにはあかりがほとんどないからすっごく見やすいんだよ」


「へぇ〜 あ、流れ星!!」


「今日は双子座の流星群が一番見えやすい日らしいよ」


「もしかして14日って言ったのはこの景色を一緒に見たかったから」


「きれだね」


「うん。」


「そういえば、さっきから自然と手を繋いでるね」


「いいだろ別に」


「うん。嬉しい」


「なぁ◾️って好きな人いるのか?」


「どうしたの?」


「一年前の文化祭の答え」


「え」


「今答えてもいいか?」


「うん」


「俺、桜のこと好きだ。俺と付き合ってくれないか」


「遅いよ……いつまで待たせるのよ……本当に、本当に私でいいの?」


「いいよ、違うな。桜がいい!!」


「……っ、本当に……その言い方は……卑怯だよ……っ、私もしろうのことが好き!!」


大量の流れ星が静かに夜空に流れた。




「ねぇしろう、」


「どうした」


「……こっち、……向いて」


「おう」

桜の方を向いた瞬間抱きつかれて唇に柔らかいものがふれた。


「桜!!」


「私の初めてだからね」





「今日は本当にありがとうございました」


「こちらこそだよ、でも本当に君はそれでよかったのかい」


「はい」


「そうか。なら娘を、幸せにしてやってくれ」


「はい。桜を幸せにします」


それからと言うもの病室を訪れるたびに指を絡めたり、握り合ったり、キスをした。


部活動の全国大会で、スタメン出場し決勝戦にハットトリックを決めて4−1で勝利した。


「電話でごめんな」


「気にしなくていいよ。優勝おめでとう〜」


「ありがとう」


「本当に凄いよ。テレビで見ていたけれどハットトリック決めて勝っちゃうんだもん」


「仲間のおかげだよ」


「そうかな?、5人ぐらいドリブルで抜いてゴール決めてたじゃん」


「あれはたまたまだよ」


「たまたまであんなプレーはできないよ」


「そうかな」


「そうだよ!!もっと自信持ってよ」


「そうだな」


「そうそう。しろうが頑張ったから勝てたんだよ」


「そうだな。明日はちゃんとそっちに行くよ」


「ほんと!!じゃ楽しみに待ってるね」


「あとお土産も持っていくよ」


「うん!!待ってる」


「楽しみにしとけよ、もう時間遅いから切るな」


「うん。電話してきてくれてありがとう」


「気にするな」


「また明日」


「また明日な」


そしてまた運命の歯車が動き始めた。


「年明けてもう直ぐ1週間、受験どうするの?」


「俺は地元の高校からスポーツ推薦が来ていたからそこにするよ」


「もっと凄い高校からも来ていたんでしょ」


「なんでそれを」


「そんなの決勝でハットトリック決めれる人なんだよ。おじいちゃんが言っていた。強豪校からもかなりいい条件で来ていたけど蹴った子がいて勿体無いことをしている子がいたって。これしろうだよね」


「それは」


「私のことは考えなくていいんだよ」


「それは出来ないよ」


「どうして、私が彼女だから、なら別れよ、私がしろうの足を引っ張るのは嫌だから」


「ふざけるな。俺は桜が好きなんだ。お前の側にずっといたいんだよ。学校なんかなければ朝からずっと一緒にいたいくらいなんだよ」


「しろう………」


「俺のことは心配するな、サッカーならサッカー部があるところに行けば出来る。無ければクラブチームのオーディションを受ければ良いだけだからさ」


「………ぅっ……」


「大丈夫か!?」


直ぐにナースコールを押した。医師と看護師が来て自分は部屋を出されて、桜はベットで連れて行かれた。


部屋の外にいると桜の父が来た。


「士郎君いつもすまないね」


「いえ」



「お仕事は大丈夫なんですか?」


「今は幸いにも忙しくなくて急な半休を取っても大丈夫だよ」


「そうだったんですか」


「君の方こそ受験は大丈夫なのかい?」


「はい。スポーツの方で推薦きているので」


「それはおめでとう」


「ありがとうございます」


「あれからも毎日のように見舞いにきてくれているようだね、ありがとう」


「僕がしたいようにしているだけなんで」


「それでもだよ。私が見舞いに行くと少し残念そうな顔をするくらいだよ」


「それは………その…」


「いや良いんだよ…それほど君のことが好きなんだろうね。娘にとって士郎君という存在は幼馴染以上に特別なんだと思う。話す事も君の事ばかりだよ………親としては不甲斐ない。けれども君が娘の拠り所になっているのがとてもありがたい。本当にありがとう」


「そうだったんですね」


「君に娘を任せて本当に良かった。これからもお願いしても良いかな」


「僕でよければ」


「ありがとう」


その後桜の容体は落ち着いたが1週間は面会できなかった。


「こないだは心配かけてごめんね」


「大丈夫だよ」


「ありがとう」


「気にするな」


「スポーツ推薦凄いね」


「そうでもないよ」


「でも高校は決まったんでしょ?」


「うんまぁ一回だけ面接と小論文はしないとダメなんだけどね」


「そっかぁ〜それいつなの?」


「2月13日かな」


「頑張ってね」


「別に頑張ることはないよ」


「しろうは面接で緊張してそうだからね」


「それはあり得るかも」


「でしょ」


「桜無理してないか?」


「ん、そうかな?」


「なんか元気ない気がしてさ。無理して元気出せと言うわけじゃないからな」


「少ししんどいのはあるけれど、大丈夫だよ」


「そっか」


「しんどい事とか辛いことは言ってくれよ、出来ることは少ないかもだけれどさ」


「ありがとう」


「俺はそろそろ時間だから帰るな」


「ん、じゃまた明日ね」


「おう」


次の日見舞いに行くと桜は寝ていた。時間ギリギリまで粘ってみたが起きることはなかった。そんな日が何日間かはあった。


「ごめんね最近起きれてなくて」


「気にするな」


「毎日ちゃんと来てくれてありがとう」


「どうしたんだ?」


「最近ね夢を見るんだ」


「夢?」


「うん。私がねしろう君と一緒に手を繋いでどこかに遊びに行ったりさ、一緒にご飯作って食べたり、一緒にベットで向かい合って寝たり。おかしいよね、私は病院のベットの上でしか入れないのに」


「何もおかしいことじゃないだろ、一緒に手を繋いで遊びに行ったり、ご飯を一緒に食べたことあるじゃん」


「そうだね、懐かしいな」


「どうしたんだよ」


「私……死にたくないよ……もっと生きていたいよ……せっかくしろう君と付き合えたのに……もっと一緒に色々なことしたいよ」


「何言ってんだよ、まだ死ぬって決まった訳じゃないんだから諦めるなよ」


「そうだよね」


「元気になったら色々なところ行こうぜ」


「うん」


運命の日がきた。

2月13日がきた。

今日は朝から桜から電話が来た。


「おはよう」


「おはよ、今日は朝から珍しいな」


「だって今日面接でしょ」


「おう」


「だから頑張れって言いたくて」


「ありがとう。元気出たわ」


「それなら良かった」


「ろー君頑張ってね」


「頑張ってくる」


「いってらっしゃい」


「行ってきます」


「大好きだよ」


「俺も大好きだよ桜」

この後受験会場に行きスマホの電源を落とした。


面接と小論文を受けて朝の電話から4時間が経った。

受験が終わりスマホの電源を入れると7件の着信履歴があった。

3件は親だった。4件は桜の親からだった。

嫌な予感がした。親からの連絡は基本メッセージアプリでやり取りが普通だった。桜の父とは時々連絡はとっていたがこんなにくることは無かった。直ぐに桜の父に折り返しの電話をした。


「もしもし」


「士郎君………っ今から病院に来る事はできますか?」


「はい」


「病院で待ってます」


明らかにおかしかった。直ぐに親に電話をかけた。


「急にごめんね」


「それでどうしたの」


「今から病院にう向かうのでしょ」


「うん」


「ロータリーで待ってるから電車に乗らずにこっちにきて」


「分かった」

その後本気で走り親の車を見つけた。


「シートベルト締めて」


「締めた」

その瞬間に車は走り出した。車はかなりのスピードで走り出した。

普通だったら30分かかるはずだが10分ちょっとで着いた。


スマホだけ持って車をでた。

病院の受付に行くと見知った看護師さんがいた。


「士郎君こっちにきて」

看護師さんの後を着いていった。

今までに乗ったことがないエレベーターに乗った。

ICUと書かれた部屋の前まで来た。

そこで手洗いをチェックを受けてマスクと帽子とエプロンと手袋を着用させられた。

奥に入ると桜の父と母がいた。


「やっと来たね」


「どうしたんですか」


「今日心臓が一時的に止まってね」


「え」


目の前を見ると色々な機械があり、そのもとを辿るとそこに寝ているように目を瞑っている桜がいた。


「どうか娘の近くに行ってあげてくれませんか?」


「僕なんですか?」


「ああ、私たちより君の方が喜ぶ。だから行ってあげてほしい。私からもお願いする」


「……」

何も言えなかった。怖かった。でもこうなることはあり得る話だった。

行くしかないと思った。今行かなければ後悔する。そんな感じがした。


「行っても良いですか?」


「ああ」


「お願いね」


「ではこちらになります」

看護師についていき中に入った。


桜のそばに行った。


「しろう……君……」


「桜」


「こんな姿……見られるの……恥ずかしいな……」


「恥ずかしくなんかないよ、むしろカッコいいよこんなにも頑張って生きようとしているんだからさ」


「ありがとう……話を……聞いて……くれないかな」


「いいよ、ずっと聞くから」


「はは……ずっとは喋れないよ……少し不思議な……夢を見たんだ」


「どんな夢だったんだ?」


「日本ではないような場所で……耳が……尖っていて……少し小さい……しろう君がいてさ……他にもね……かわいい……女の子がいて……旅を……してる夢だったんだ……おかしいよね……旅なんか……した事……ないのに」


「楽しかったか?」


「うん……すっ……ごく……楽しかった」


「なら良かったじゃん」


「そうだね…、最後に……一つ……お願い……しても……いいかな」


「最後だなんて言うなよ、別に桜の願いなら何個でも叶えてやるから」


「ありがとう……生まれ変わったらさ……私を探して見つけてよ」


「ああ、桜を見つけ出して、また好きになって幸せにしてやる」


「約束……だね」


「約束だ」


「手……握って」

桜の手を握った。


「すごく……気持ち……いい」


この瞬間に彼女と僕の時計は止まった……


このあとの事は何も覚えていなかった。ただ果てしない穴に落ちたようだった。


2023年2月15日 時計は午前10時をさした。

僕は部屋の隅で座っていた。

僕はこうなる事はずっと分かっていた。


2月14日 幼馴染が遠くのところに行った。


僕は彼女に何が出来たのだろう……あぁ昨日から寝てなくて眠いや…………


何時間寝ていたのだろう……

時計は5時を指していた。


時計の音ってこんなにもうるさかったけ?


黒い水の中を泳いでいる気分だった。


あれから何日経ったのだろうか、何をしていても何も感じられなかった。


「おはよう」


「おはよう」

ただ機械的に返していた。


「辛いのは分かるけれど、桜ちゃんに挨拶しておいで」


「うん」


心の奥が苦しくなった。けれどこの事から逃げるのも違うのも分かっていた。


「いつ行く?」

あまり先延ばしにしても良い事では無い事は分かっていた。こう言うのはすぐやるに越した事はなかった。


「今日行く」


「分かったわ。向こう側に連絡入れて置くわね」


ただ無言で頷くのに精一杯だった。


そのあとはゆっくり着替えた。足は重かった。ただ現実を受け入れなかった。自然と涙が出ていた。止められなかった。久々に声を上げて泣いた。


少しすっきりした。


けれど足は重かった。玄関に行くことはできても扉を開ける事はできなかった。家は隣で足、を伸ばせばすぐそこだと言うのに体が動かなかった。


いやこれはただの言い訳だ、ただ逃げているだけに過ぎない。桜はどんなに辛いことでも逃げずに戦った。なのに僕は逃げていいのだろうか。ダメだこれでは桜を探すことなんて夢のまた夢になる。自分に勇気を持って玄関を開けた。


少し寒かった。けれど今の自分にはちょうど良かった。


桜の家の前に来た。


自分の家の扉となんら変わりないはずなのに何か特別に感じた。


インターホンを押した。


すぐに返事が来た。


「いらっしゃい」


「遅くなってごめんなさい」


「いいんだよ。よくきたね」


家の中に優しく迎えられた。


「お邪魔します」


「おかえり!!」


この時彼女の声が聞こえた気がした。

明るくて元気だった声が。


胸の奥がまた締め付けられた。けれどさっきよりは苦しくはなかった。


「ここが娘の部屋だよ」


ただ整理整頓されていて綺麗だった。

その部屋の中に不自然な感じで机の上に何かが置かれていた。


近づいてみてみた。それは一冊のノートだった。


「中を見てごらん」


促されるままに最初のページを開いた。そこにはひらがなが多かった。


「しょうがくせいになった となりのともだちからランドセルかわいいていわれてうれしかった」


「はじめてのきゅうしょくおおかった」


少しページをめくった。


「今日から2年生になった。ろーくんとまたおなじクラスになれた」


「べんきょうがすこしむずかしくなってきた」


またすこしページをめくった。


「高学年になった。彼のことがすこし気になってきた」


「よく目が合うようになった。なんだろう胸の奥が不思議」


またすこしページをめくった。


「私彼のことが好きみたい、けれど最近喋ることが少なくなった」


またすこしページをめくった。


「中学生になった。彼と学校に行くことがなくなった、私何かしちゃったのかな?」


「病院に行ったら自分の病気が少し悪くなっているらしい、薬を飲まないといけなくなった」


「運動制限ができた。周りが楽しそう……」


また少しページをめくった。


「頑張って彼に告白した。けれどダメだった。けど部活動頑張ってほしい」


また少しページをめくった。


「3年生になった。はじめてクラスが別々になった。もう昔みたいに喋れないのかな……」


「病院で基準値を下回ったらしい、入院することになっちゃった」


「毎日検査でしんどいよ…… 最近病院内でライトノベルを読むことが増えた。異世界転生楽しそうだな……誰か助けてくれないかな」


「今日びっくりした!!彼がお見舞いに来た!!嬉しかった。けれど部活の方が上手くいってないみたいだ。でも彼ならすぐに立ち直れる筈!!ファイト!!」


「今日も来てくれた!!すごく嬉しい。手を伸ばせば届く距離に彼がいる!!」


「今日星を見にく約束できた!!すごく楽しみ!!見に行くために早く元気にならないと」


「今日お医者さんから退院できることを聞いた。夢なのかな?すごく嬉しかった」


「二学期が始まった。久しぶりに一緒に登校!!と思ったら2人で学校をサボった!!

しかも私身長抜かれていたな〜でもハグしてくれたのは嬉しかった!!」


「部活動で全国大会に出場おめでとう!!応援に行きたい!!」


また少しページをめくった。


「なんでなの、また入院することになった。なんでこんな時に……」


「ああ最近体がしんどくなってきた、薬の量もまた増えてきた」


「彼がまた来てくれた。けれど申し訳ないな」


「星を見に行く約束覚えてくれていた!!けれど行けるのかな……でも絶対に行きたい」


「星を見にいけた!!しかも告白もしてくれた!!キスもした!!嬉しかった。けれど彼には幸せになってほしいな……」


「最近起きている事もしんどくなってきた、それでも彼は来てくれる、凄く申し訳ないな」


「2月13日絶対に朝起きて応援の電話する!!」


「最近不思議な夢を見る事が増えてきたな……、まだ生きていたいよ、もっといっぱいしたい事増えてきたのに、なんで、なんでこうなるのかな、また元気になっていろんなところ行きたいよ」


これが最後に書かれていた事だった。

ノートを閉じて机の上に戻した。


「桜のところに連れて行ってくれませんか」


「こっちにおいで」


リビングに連れて行かれた。そこには自分が一番好きな人の写真が置かれていた。

ずっと一緒に居たいと思った人がそこにいた。


正座をして、手を合わせた。


『桜、遅くなってごめん。ずっと近くに居たのに全然気付いてあげられなかった、本当にごめんな……短い間だったけれど色々な事ができて楽しかった。幸せだったよ。本当にありがとう。次生まれ変わった時絶対に君に会って好きになって幸せにするから、それまで待っていてくれ』


「ありがとうございます」


「こちらこそ、最後まで娘を大事に思っていてくれて……ありがとう」


一瞬リビングを出て戻ってきた。


「良ければなんだがこのノートを君が持って行ってくれないか」


「でもそれは桜の……」


「だからこそさ、僕や妻が持っているより君が持っている方が娘も喜ぶと思う。だから持って行ってはくれないだろうか」


「……分かりました、大事に保管します」


「あと良かったら、これからも娘に会いに来てやってくれないか」


「はい」


「本当に今までありがとう」


「こちらこそ桜と色々と関わりを持して頂いてありがとうございました」


「お邪魔しました」


「またね」


最後に手を振って見送ってくれた彼女の姿が僕の目に見えた。




家に帰ってさっきのノートを開いて見ていた。

小学1年生から中学3年生の桜の生きていた記録が確かにここに残っていた。

最後になんの考えもせずにノートの最後のページを開いた。するとそこには文章が書かれていた。



中島 士郎さんへ


君がこれを読んでいるということは私は死んでいるのですね。

君の事だから少なからず後悔をしていると思います。けれど自分を責めないでください。

う〜んなんか敬語はおかしいな。うんやっぱりやめる。

士郎君、私は君の名前を上手く発音出来なくてろー君と呼んでいたよね、保育園にいた時は鬼ごっこやおままごと、とか色々遊んだよね、もしかしたら忘れちゃっているかもだけ、でも私は凄く凄く楽しかったんだよ。後はランドセルの色を可愛いって言ってくれた事も!!あとは一緒に小学校に通っていた事とかね。私は小学校5年生の時に初めて君に恋をしていたよ。その時は何か分かんなかったけれどね。中学校になってからな、君と話す事が一気に減った時に君が好きだと気づいたんだよね、まぁ結局1年も拗らせて後に振られちゃったけどね。でも3年生になってからは私と関係をまた持ってくれたのが凄く嬉しかったんだよ!!毎日病院に来て色々喋ってくれて、勉強も一緒にしてくれて本当に嬉しかったよ。退院した後も学校とか部活動の無い日は家に来て一緒にご飯を食べたり、色々な所に行ったのは全て私にとっては忘れられない宝物になったよ。ありがとう。

あとは2回目の入院の時に約束していた星を見に行った事!!これは私の中の一番の思い出だよ。出来る範囲は決められていたけれどそれでも君は全力で叶えてくれた。しかもそれ以上に告白をしてくれたことが一番幸せでした。勢いでキスもしちゃったけれどね。本当に君は私が求める回答に100%じゃなくて120%で行動してくれたのが驚いたし、びっくりしちゃったし、嬉しかった。


君に一つお願いがあるの。

私の事を忘れてほしい。って言っても君の事だから出来ないだろうな〜だから今から言う事?書く事?まぁこれから読む事をやってほしい。

私の分まで幸せになってください。

君には絶対に君を幸せにしてくれる人が絶対に出てくる!!だからその人の事を幸せにする事!!君を幸せにするのが私じゃ無いのが嫌だけれども、君が幸せにならないのが1番いやなの!!だからさ幸せになってね。私と本当に行きたかった星を見にいく所もその人と行ってね。とにもかくにも君の人生は長いから楽しんでね。


それとサッカーも頑張ってね。


これを最後に君に伝えたいです。


中島 士郎君 『大好き!!』




藤咲 桜



自分の中の時計が再び動き出した。

「おかしいな、さっきも泣いたのになんでまた」

ポツポツと雨が降り始めた。




あれから10年が経った。

外には桜が咲いていた。

「相変わらず彼女は出来てないけれど、今凄く毎日が充実してるんだ。今度海外でサッカーをプレーする事が決まったんだ。だから来年ここに来れるかは分からない。けれど空から応援してくれ。」


「遅くなったけれど。今まで『ありがとう』」

最後まで読んで頂きありがとうございました。

今回初めて短編を書いてみました。

もし興味を持って頂ければ他の作品も読んでいただけると幸いです。

それではありがとうございました。

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