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ep.9 男3人組の学習事情

フィオーリの青年・ミミルが導いた運命の相手。

虹己の相手の少女の名前が分かった一同は・・・?

雲一つない、真っ青な空が広がっている。

授業終わりのチャイムを聞きながら、僕はのんきに外の方を眺めていた。


四月も中旬。申請書を出していく人が、増えてきた気がする。

今まで授業をしてくれた担任である秋山先生に、たくさんの生徒がお願いしますと駆け寄っているのが何よりの証拠だ。


僕のように先輩とって人もいるし、中には女性同士とか男性同士とかいう人もいるらしい。

校則とはいえ、お互いにカップルだと思っていれば性別は関係ないらしい。

だったら満君とでいいじゃんって、虹己君は言ってたけど……そんなうまくいかないだろうなあ。


「満く~ん、わかんないと思うけど問5がどうしてこうなんのか教えて~」


噂をすればなんとやら。

すぐ隣にはいつのまにか虹己君がいた。

数学と書かれた教科書を手に持ちながら、なんともバカにしているような表情を浮かべている気がする。


「分かんないと思うけどって、そう思うなら聞かないでよ……ひどいなあ」


「じゃあ分かるわけ?」


「……わかんないけど、虹己君だって一緒でしょ?」


「オレはとうの昔にあきらめてるの」


まるで開き直ったように、ドヤ顔さえしてみせる。

何のとりえもない僕が唯一彼に勝てること、それは成績だ。

頭がいい恭弥君に対し、虹己君は下から数えた方が早いと言われるほどの実力である。


そのせいか本人はあきらめが早く、宿題などをまじめにやっているそぶりがあまり見えない。

中学の時から留年しちゃうんじゃないかって、はらはらしっぱなしだったなあ。


「確かにここ難しかったし……恭弥君に聞いた方が、早いんじゃない?」


「でもさー恭弥君に聞くと、説教入ってくんじゃん? 授業聞いていたのか~って。ほんとおかんだよね~」


「まあまあ……恭弥君は僕達のことを思って言ってくれてるんだし……」


「わかってるって~んじゃちょっと探すかー」


しぶしぶながら、ほら早くと虹己君は教室の外へと歩き出す。

慌てて僕も、彼の後を追った。

昼休みに入ってすぐなのにいないのは、きっと次の授業の資料を取りに行ったんだろう。

恭弥君はしっかりしてるから、うちのクラスじゃクラス委員長に大抜擢されている。

せっかくだからお手伝いをしないとなと、そう思いながら廊下をのぞくとー


「あっ」


隣のクラスに割と近い方、そこに彼はいた。

予想通り、手には資料のようなものを抱えている。

早く呼んで僕もついでに教えてもらおうと、彼のところへ行こうとすると……


「恭弥くー」


「待って、満君。一旦ストップ」


前に行こうとしていたからだが、グイッと後ろに引き寄せられる。

思わず変な声を漏らしながら、顔を上にあげる。

僕を止めたのは、もちろん虹己君だ。

彼はしっと人差し指を口にやり、そうっと廊下をのぞいて見せた。


「ど、どうしたの? 虹己君」


「どうもこうも……よく見てみなよ」


そう言われ、そうっと頭を外へと出していく。

するとそこにいたのは!!


「お、女の人!!?」


恭弥君一人だと思われた彼の隣には、なんと女の人がいたのだ!


(つづく!!)

徐々に色々な設定が明らかになっていく、

という流れは定番ですが

この三人の設定は意外とゆっくり明かされていきます。

それでもちゃんと物語に沿ってるため、

どんなことが好きなんだろうと

妄想を広げてくれれば幸いです。


次回は28日更新。

恭弥と一緒にいる女性とは一体・・・?

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