↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
57/60

ep.57 Dream with two us

バレンタイン直前。

春夜は恭弥と付き合うきっかけとなった約束が

叶うことに不安を感じていた。


そんな不安を知った満は

雲雀や結愛と共に励まし、

とうとうバレンタインを迎えるー……

☆恭弥Side☆


お正月商品だったものは終わった直後、あっという間にバレンタインへと様変わりされてゆく。

通り過ぎる度に聞こえてくる人々の声はいつも楽しそうで、ワクワクしていて……見ているこっちまで幸せを分けてもらっているような、そんな気分になれた。


「はい、きょうちゃん。ハッピーバレンタイ〜ン!カレカノになって初ってことで、初めてチョコ作りました〜〜春夜ちゃん頑張りましたよぉ〜」


三年前の今頃、春夜は俺にとチョコレートを持ってきてくれた。

市販で買ったチョコの箱を可愛らしく自分で包装したらしく、自信満々でニコニコしながら渡してくれた。

それが俺には、嬉しかった。


「春夜、よかったら来年もチョコレートをくれないか? お返しは、ちゃんとするから」


「もちのろ〜ん。来年も再来年も、ずっとずぅっと差し上げますよ〜」


彼女は常に笑顔で、優しくて、俺にとっては癒しでもあった。

部活で彼女がいるだけで成績が良くなったり、練習を頑張ろうって思えたり……

恋をする、というのは単純だ。

この高校に入って彼女といれる時間が増え、さらに愛しさが増した気がする。

彼女となら、どんなことでも乗り越えられる。これから先も、ずっと二人でいれたらいい。

そう、思っていた。


「きょうちゃ〜んすごいね〜今日も皆中じゃあん。絶好調すぎて先生大興奮だよぉ〜これなら、今年の総体も大丈夫だね〜」


あの日ー彼女の作ったような笑顔を、見るまでは。




ちょうど、今日はバレンタインだった。

毎年俺と彼女はその日は一緒に過ごそうと、連絡を取り合う。

今年は彼女からの連絡はなく、俺から入れた時にしばらくして返事が来た。

そんなことがあったからか、彼女に何かあったことは、なおさらすぐに感じ取れた。

毎日の勉強も、部活の練習も、頑張れば頑張るほど彼女は作った笑顔をみせる。

だから、支えてやらなければ。彼氏としても、一人の男としても。


「そう言えば、今日はバレンタインだな。春夜」


隣にいる彼女に、あえて声をかける。

彼女ー春夜はいつもの様子で、あちゃ〜と声を上げて笑みを浮かべた。


「あ〜そうだっけ〜? 最近三年生への準備とかで忙しくって忘れてたよ〜」


「珍しいな、毎年用意してくれてたのに」


「ごめんごめん〜買ってあげるから、好きなの探してきなよ〜」


春夜もあっちみるね〜と言って、少し離れたポップの所へ行く。

やはり、まだ笑顔がぎごちない。

無理に聞くのはよそう、と思いつつもどこか踏ん切りがつけにくく、彼女の背中を見送れずにいると……


「なぁぁんちゃって」


ふいに彼女が振り返る。

次の瞬間、視界が真っ暗になってー


「えへへ〜ごめんね〜びっくりした?」


気がつくと、俺は春夜の胸の中に抱き寄せられていた。

いつもと同じで暖かく、とても優しい温もりが肌を通して伝わってゆく。


「は、春夜? 急に、どうし……」


「ねえ、きょうちゃん。きょうちゃんは、約束してくれたよね。春夜の夢、一緒に叶えるって」


急に何を言い出すのか、そう思った。

俺達のきっかけはそもそも、彼女が叶えられなかった夢を俺が背負うこと。

だがなぜ急にそんなこと……今年が最後の大会だっていうことと、関係あるのか……?


「ああ、言ったな。それがどうした?」


「その夢が叶ったら、春夜はもう用済み?」


「……え」


「きょうちゃんは、どこにも行ったりしない?」


彼女の顔が、あまり見えない。

それでも抱き寄せている手が、少し震えているのがわかった。


初めて感じた、彼女の不安。

今まで聞いた事も、見た事もなかった。

一緒にいるが故俺は、大事なものすら見落としていたのかもしれないな……


「約束なんて、きっかけにすぎない。俺は春夜が好きだ。だからお前との約束を果たしても、果たさなくてもお前と一緒にいる」


「きょうちゃん……」


「だったら、もう一つここで約束をしてみるのはどうだか? 俺はお前以外の女と付き合わない。来年も、その先の未来も二人で過ごすことを」


彼女の背中をそっと自分に、抱き寄せてみせる。

これは俺自身への賭けと、未来への賭けだ。

彼女を不安にさせてしまうこと自体、彼氏として失格だ。

そのことに気づけなかった、悔しくて、悔しくて仕方ない。

だからこれからは不安にさせないよう、どんな時も、どんな時でも彼女と共に……


「そっか……ふふっ、やっぱり満ちんの言うとおりだったなぁ。春夜が言うより先に約束するなんて、ずるいよ……」


「春夜?」


「あーあーなんか春夜、悩んでたのがバカみた〜い。じゃあ、約束してくれる? 春夜ときょうちゃんは、ずっとずぅっと一緒だって。もし破ったらぁ、きょうちゃんの苦手なものいぃっぱい食べさせてやるぅ〜」


やっと離してくれた彼女の笑顔はいつも以上に優しくて、明るくて。

その笑顔がみれただけで、俺は……


「あ、でもバレンタインのチョコを買ってないのはほんとなんで〜……これからチョコフェアにでも行って食べますか〜」


「ああ、そうだな。せっかくだし、春夜も好きなものを買って一緒にシェアしないか?」


「いいね〜それ〜採用〜〜」


重なった左右の手が、冬の寒さなんて溶かすくらい暖かくて心地よい。

俺たちの行く道はまるで雲ひとつない、とても綺麗な青空のように広がっていた……


(つづく!!)

今日はバレンタインですね!

偶然にも時系列が合ったので当日に更新しましたが…

いやぁ〜……リア充爆発しろって感じですね。

この二人は本当に無敵というか

どんな困難でも乗り越えていけそうです。


個人的にイケメンを描くときは

「彼女が聞いたらかっこいいけど、

他者が聞いたらイラっとするよね」

的なことを目指します。

今回もかなりイラッとしたので

それなりにイケメンに仕上がってるかと笑


そんな感じでお送りしていたFIORIですが

残すところ、あと3、4話くらいです。

え?って思うでしょう?

実は私もそう思ってます…笑


次回は22日更新。

いよいよ……その時です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。