シ
もしもし。
「今帰るから心配すんな」
「何だよ。驚かすなよっ!やっぱもう着いてるんやん。ピーンポーン鳴ってるし。」
ピーンポーン
ピーンポーンピーンポピーンぽぴぴんぽ!ぴ、ぷぃぴーー
なぁふざけんなって。またお前、鍵持ってるだろ。
しーーん....
ふざけんよ。またやったら承知せんぞ。
カメラにはなにも映ってなかったのを見た。
鍵で入ったんやな。
そうすると、また、
ぴーんぴぴーんピンぽン!
うるさいって、お前、悪戯にも度が過ぎるぞ。
あぁ、これ、言わないと収まらないヤツじゃん。
たまらずドアを開けて飛び出した。
すると。そこには。
エレベーターは上に上がってくるところだった。
「えー今、来たところやって」「おじちゃんがな、空けてくれてん。」
もしかして嘘なのか。
「途中の階で隠れてたんやろ?」
「大体お前、鍵持ってるやん?」
「今日は忘れててん。そんな嘘つくわけないやん。笑」
「ちな、おじちゃんは何階で停まったん?」「10階やけど?」ま、いっか。 話は本当らしいし。
そう思って軽く引こうとした扉が、開かない。
1301号室の鍵は、閉まっていた。
エレベーターは止まっていた。
悪戯をして一階まで帰る、そんな時間はないはずだ、
もしかして嘘なのか?途中の階で隠れてたんやろ?
「あ?鍵?忘れてたんだよ。ありがとう開けてくれて。」
なりすましだったのか!?