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潜入前の会議(?)

   13



 「とりあえず、美香の言う通りここの配送センターに『我々』に関係者がいると仮定して、それをどうやってあぶり出すかを考えないといけない」


 「仮定して……?」


 「ヒナは悠哉の言葉に不思議そうに首を傾げた。……仮定? 悠哉も配送センターにあいつらの仲間がいると思ったんじゃないの? 八草組のところで訊いたとき、そう思うって言ってたでしょ?」


 「いや、僕は可能性の一つだと思うって言っただけだよ」


 「……どういう事?」


 「確かに配送センターで仕込みをして美香の家に送り届けさせる、というのも爆弾を届ける手段だけれど、配達員を装って荷物を届けるのも手段の一つだからね。小さい組織なら配送センターを使う方がお手軽だけど、大きい組織なら足が付かない偽造する方を使うんじゃないかな」


 「つまり、配送センターを調べても『我々』の手掛かりは得られないかもしれない、ということ……ですか?」


 「そういうこと」


 「悠哉の言葉に不安になるヒナ。ヒナとしては早く日常に帰りたいけれど、いつになるの、と思う。……じゃあどうするのよ悠哉」


 「うん、配送センターを念のため探索する」

 「えっ……」


 「諦めるって話じゃなかったの? 二人の疑問に悠哉はあらかじめ決めておいた答えを答えた。(面倒臭い、なんで地の文こないのよっ!)」


 「いや、偽造の方だったとしても、MK3の入手元を洗っているから問題無い。むしろ今やらないと来ちゃった以上もったいないくらいだよ」


 「……悠哉? じゃあなんでわざわざ今の説明を挟む必要があったの? 怒りが込められた美香の声が悠哉を圧倒する」


 「えっ……? 仮定してって言ったとき訊いてきたのは美香さ……美香だったよね?」


 「うるさい」


 「理不尽だぁぁああああああああ!」



   14



 「さて、とりあえず潜入しようか」


 「大丈夫なんですか……、後で捕まったりしませんよね……」


 「ヒナ、大丈夫よ。悠哉がいるから、きっと全責任をとってくれるわよ。……悠哉、ちょっと待って」


 バブゴゥッッ! な、なんだよ美香、どうして殴るんだよっ!


 「やっぱりいたわね」

 まさか、ばれてる……?(汗)


 「まえ地の文が気絶した時は、すぐに次の地の文に切り替わったのに、今回は違った。考えてみればおかしかったわ。あんたは気絶から復活してもわざと喋らず私たちを眺めていて、仕事をサボってた、て訳なのよね?」


 な、何の話……? こっちは今起きたばかりだけど……


 「その言い訳が通ると本当に思っているなら、あんたは本当のアホね。……もうばれてるんだ、大人しくしろ」


 ごめんなさい許してください出来心だったんです……!


 「それはこの前聞いた」


 凄まじい音が響いて、地の文の体(あるの?)が宙を舞った。


 「どうしたの、美香さ……美香? あ、自分で推理しろって?」


 「ようやく分かってきたじゃない」


 質問を後から取りやめた悠哉に、美香は満足そうに言う。


 「結局どうするんですか……?」


 そんな二人に、日向子は小さな声で訊いた。


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